− 包括的な対策テクニック −
宮本 久仁男<kmiya@coe.nttdata.co.jp>
NTTデータ COEシステム本部
システム技術開発部第三技術開発担当
2001/12/22
Appendix
■今回利用したツール 〜Network Grep〜
筆者は普段linux_snifferやtcpdumpなどを使うのですが、認証時のパケットキャプチャを効率よく行うため、今回はNetwork Grep(以下ngrep)というツールを利用しました。イメージとしてはtcpdump+grepという感じのツールで、特定の文字列パターン(正規表現による記述が可能)を含むパケットのみを表示してくれるというものです(注)。
注:tcpdumpがTCP/IP以外のプロトコルにも対応しているのに対し、ngrepはTCP/IPにしか対応していない点に注意。 |
■ngrepのインストール
ngrepはlibpcapに依存するので、ngrepを利用するにはlibpcapも必要です。それぞれ以下の場所で入手できます。
- ngrep(2001年12月14日時点の最新版は1.40)
http://sourceforge.net/projects/ngrep/
- libpcap(2001年12月14日時点の最新版は0.6.2)
http://www.tcpdump.org/
必要なファイルがそろったら、libpcap→ngrepの順序でコンパイル&インストールを行います。
●libpcapのコンパイル&インストール
1.libpcapのアーカイブを展開し、作成されたディレクトリ下に移動
$ tar xvzf libpcap-0.6.2.tar.gz |
2../configureの実行
$ ./configure |
3.コンパイル&インストール
$ make |
●ngrepのコンパイル&インストール
1.ngrepのアーカイブを展開し、作成されたディレクトリ下に移動
$ tar xvzf ngrep-1.40.tar.gz |
2. ./configureの実行
$ ./configure |
3. コンパイル&インストール
$ make |
■まずは使ってみよう
/usr/bin/ngrepを以下のオプション付きで実行してみましょう。なお、実行にはroot権限が必要です。eth0は、それぞれのネットワークインターフェイス名に応じて変更してください(注)。
注:Linuxの場合、たいていはeth0です。 |
# /usr/bin/ngrep -d eth0 |
すると、以下のような出力が得られることと思います。
# ngrep -d eth0 |
■実際に文字列パターンなどを指定したキャプチャの仕方
例えば、FTPなどでログイン時のシーケンスを取得するオプションは以下のようになります。
# /usr/bin/ngrep -d eth0 -iA 2 'user|pass'
tcp port 21 |
これにより、ユーザーID入力時やパスワード入力時から2パケットを表示するようになります。
では、上記のコマンドでどのようにキャプチャされるかを見てみましょう。まず、FTPクライアントからの操作経過を以下に示します。
C:\>ftp tripmachine |
これをパケットキャプチャすると、以下のようになります。
# ngrep -d eth0 -iwA 2 'user|pass' tcp port 21 |
パケットキャプチャの結果を見ると、ユーザーIDとパスワードが取得されているのが分かります。
ngrepにはさまざまなコマンドラインオプションがあります。ただ、基本的にはgrepのオプションの一部(-Aや-w)、正規表現による文字列指定、tcpdumpによるプロトコルやポート、アドレス指定の方法などが使えるため、ここでは特に触れません。
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