登録したドメイン名を管理するネームサーバの作り方とは

佐藤新太(JPRS)
2003/6/11

 登録したドメイン名を利用するためには、そのドメインを管理するネームサー バが必要です。ネームサーバの設定には、管理の対象となるホスト名やIPアドレスが決まっていないといけません。ここでは、以下の前提でゾーンの設定 を行っていくものとします。

 なお、セカンダリネームサーバについては別のTipsで詳しく紹介します。

  1. 登録ドメイン名は「example.jp」
  2. ISPと契約し、割り当てられた固定IPアドレスは「61.120.151.80/29」
  3. Webとメールが使えるようにする
  4. セカンダリネームサーバは別途検討する
  5. IPアドレスの割り当ては以下のようにする
    80 ネットワーク
    81 ルータ
    82 ネームサーバ(ns1)
    83 メールサーバ(mx1)
    84 Webサーバ(www)
    85 未定義
    86 未定義
    87 ブロードキャスト

 まず、ネームサーバを動かすマシンを用意し、BINDをインストールします。インストールが完了し、実行可能な状態になったら「example.jp」ゾーンの定義を行います。

 ゾーンの定義はゾーンファイルで行いますが、使用するゾーンファイル自体の指定はリスト1のようにnamed.confファイル中で記述します

リスト1 named.confファイル

        :
options{
        directory "/etc/namedb"; …… ゾーンファイルのあるディレクトリを示す
        :<略>
zone "example.jp" {
        type master;
        file "example.jp.zone"; …… ゾーンを定義しているファイルを示す
};
        :<略>


 上のリストで設定した、ゾーン定義を行うnamed.comfファイルとディレクトリの関係を図示すると以下のようになります (図1)。

図1 設定ファイルの関係

 リスト2は、「example.jp」ゾーンを前述の条件に従って定義したものです。ゾーンファイルの記述方法については別途説明しますが、間違いのないようにきちんと確認をしながら作成してください。

リスト2 ゾーンファイル例(example.jp.zone)
$ORIGIN example.jp.
; default TTL, see RFC2308
$TTL        3600  ; Default TTL
;
; @ entry, SOA, NS are here
;
@           IN SOA ns1.example.jp. postmaster.example.jp. (
               2003031401 ; Serial, YYYYMMDDVV (VV: version)
               3600 ; Refresh
               900 ; Retry
               604800 ; Expire
                              3600 ; Negative cache TTL
               )
           IN NS ns1.example.jp.
           IN NS ns2.example.jp. (セカンダリサーバ名、別途検討)
           IN MX 10 mx1.example.jp.
           IN A 61.120.151.84
;
ns1        IN A 61.120.151.82
ns2        IN A xxx.xxx.xxx.xxx(セカンダリのIPアドレス、別途検討)
mx1        IN A 61.120.151.83
www        IN A 61.120.151.84
:<略>

 設定ファイルの準備が完了したらnamedを再起動させるか、rndcコマンドで設定ファイルの再読み込みを行います。これでネームサーバが動作するようになりますが、設定が正しくできたかどうかを、上位のゾーンに登録する前に確認しましょう。ネームサーバが動かない場合には、設定を見直して、正確に入力してください。

関連Tips 登録したドメイン名が使えるようになるまでの手順とは
ネームサーバの設定を確認するには
自前のネームサーバに正しくアクセスしてもらうには
ネームサーバの役割とは


 

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