TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【総まとめ編】パケット君の冒険旅行
|
冒険の舞台はいずこ? |
これまでこの連載では、1つ1つのプロトコルごとに、その仕組みや動作を説明してきました。今回は少し視点を変えて、実際の通信を行うときの様子を考えてみます。どのプロトコルとどのプロトコルを組み合わせ、その間でどんなやりとりをしているのか。こういった部分が明らかになると、これまでモヤッとしていた全体像が、よりはっきりと見えてくるはずです。題して「パケット君の冒険旅行」。さあ始めましょう。
・説明は身近で分かりやすいものにしてください
私たちが普段最もよく使っているものの1つが、Internet Explorerなどのウェブブラウザでしょう。ウェブブラウザならそれ自身の動作の説明も必要ないと思いますので、説明は「ウェブブラウザでウェブページを見る」場合を取り上げることにします。
・ウェブを見るのにも複雑な動作をしているのですか
一言で「ウェブを見る」といいますが、そのためには、図1に示すように、(a)URLの入力、(b)DNSでの名前解決、(c)httpのリクエスト、(d)htmlの受信、(e)htmlの表示と、大きく5つのステップがかかわっています。このうち(b)〜(d)がネットワークやプロトコルに関係していて、この連載が注目する部分です。この各ステップについて、順を追って説明することにしましょう。
図1 Webページを表示するまでの流れ |
・ネットワークの構成は関係ありますか
同じLANにつながっているコンピュータ同士と、ルータで中継している別のLANにつながっているコンピュータ同士では、通信の動作にも違いがあります。ここでは、まず同じLANにつながっている例(図2)について説明し、その後で別のLANにつないだときの違いを説明します。
図2 直接繋がった2つのコンピュータの例 |
・通信の様子を完全に再現するんですね
ここでの説明は、通信の全体像の把握を第一の目標にしています。そのため一部には模式的な説明になっている部分もあり、必ずしも実際の通信を完全に再現しているわけではありません。あらかじめご注意ください。具体的には、複雑な動作をするTCPの一部、プログラムからTCPやUDPを利用するときのソケットなどがこれに該当します。
|
関連リンク | |
連載:TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【超実践編】(上位レイヤ編) 連載:TCP/IPアレルギー撲滅ドリル【超実践編】(下位レイヤ編) 連載:インターネット・プロトコル詳説 連載:ルータの仕組みを学ぼう ホストのネット接続は正しく行われているか? 〜netstatによるネットワーク設定の確認〜 |
「Master of IP Network総合インデックス」 |
- 完全HTTPS化のメリットと極意を大規模Webサービス――ピクシブ、クックパッド、ヤフーの事例から探る (2017/7/13)
2017年6月21日、ピクシブのオフィスで、同社主催の「大規模HTTPS導入Night」が開催された。大規模Webサービスで完全HTTPS化を行うに当たっての技術的、および非技術的な悩みや成果をテーマに、ヤフー、クックパッド、ピクシブの3社が、それぞれの事例について語り合った - ソラコムは、あなたの気が付かないうちに、少しずつ「次」へ進んでいる (2017/7/6)
ソラコムは、「トランスポート技術への非依存」度を高めている。当初はIoT用格安SIMというイメージもあったが、徐々に脱皮しようとしている。パブリッククラウドと同様、付加サービスでユーザーをつかんでいるからだ - Cisco SystemsのIntent-based Networkingは、どうネットワークエンジニアの仕事を変えるか (2017/7/4)
Cisco Systemsは2017年6月、同社イベントCisco Live 2017で、「THE NETWORK. INTUITIVE.」あるいは「Intent-based Networking」といった言葉を使い、ネットワークの構築・運用、そしてネットワークエンジニアの仕事を変えていくと説明した。これはどういうことなのだろうか - ifconfig 〜(IP)ネットワーク環境の確認/設定を行う (2017/7/3)
ifconfigは、LinuxやmacOSなど、主にUNIX系OSで用いるネットワーク環境の状態確認、設定のためのコマンドだ。IPアドレスやサブネットマスク、ブロードキャストアドレスなどの基本的な設定ができる他、イーサネットフレームの最大転送サイズ(MTU)の変更や、VLAN疑似デバイスの作成も可能だ。
|
|