特集:MANと光伝送技術の最新トレンドを探る
- MANの登場と光伝送技術の進化、10Gbpsイーサネット -
近藤卓司
ノーテルネットワークス
2002/6/1
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Part.1 アクセス回線のブロードバンド化とメトロ・ネットワーク |
最近になり、家庭にも8MbpsのADSLや100MbpsのFTTHなど、これまでの56kbpsのモデムや64kbpsのISDNとは比較にならないほど高速化された、いわゆるブロードバンドのアクセス回線が普及してきた。企業向けでは、さらに高速な1Gbpsのイーサネットも、アクセス回線として提供されている。こうしたアクセス回線のブロードバンド化に伴い、当然そのアクセス回線を束ねる通信事業者のバックボーンも高速化する必要がある。これを支えるのが「MAN(Metro Area Network)」と呼ばれる最新のメトロ(都市圏)ネットワークだ。
■MANとは何か?
アクセス回線の主流がISDNを含めた電話回線だったころは、現在の「MAN」と呼ばれるネットワークの多くは、156Mbps程度の回線容量を持った光伝送装置で構成されていた。そもそも日本では「MAN」という呼び方は一般的ではなく、単に「アクセス網」と呼ばれていた。同じ光伝送装置を用いて、電話回線だけでなく、企業向けの64k〜6Mbpsの専用線やIPを中心としたデータ系のトラフィックを収容するフレーム・リレー、ATMサービスのアクセス回線が多重されていた(図1)。
図1 アクセス回線の主流がISDNなどの電話線だったころは、MANは「アクセス網」と呼ばれており、電話回線のほか、専用線/フレーム・リレー/ATMのサービスなど、同一の光伝送装置を用いて多重していた |
アクセス網は、この区間に光ファイバを持っている限られた地域通信事業者によって作られ、この区間に光ファイバを持っていない長距離通信事業者などは、地域通信事業者のサービスを借りてアクセス回線を提供していた。この構成が一変する要因となったのが、アクセス網でのダーク・ファイバの開放だ。
これまでアクセス網を持っていなかった通信事業者も、ダーク・ファイバを借りて最新の光技術が投入された機器を接続することにより、高速で安価な自前のメトロ・ネットワークを短期間に構築することができるようになった。地域通信事業者に依存しないこの新しいネットワークは、「MAN」として注目されるようになった。
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■MANの登場と市場の変化
ビジネスが集中するメトロだけにターゲットを絞った新規通信事業者の参入もあり、「MAN」構築が通信事業者の間でブームとなっている。また、ユーザーへのアクセス回線もダーク・ファイバを用いることにより、例えばこれまでLANの世界で使われていた高速なイーサネットを、直接アクセス回線として非常に安価に提供できるようになった。こうして、多くの通信事業者がユーザーのアクセス回線からバックボーンまで、自前のネットワークでサービスを提供しはじめた。「MAN」の誕生は単なるネットワークの革新だけでなく、通信事業者が提供するサービスそのものの革新といえる(図2)。
図2 ダーク・ファイバを用いることで、これまで一部の事業者のみが提供していたバックボーン〜アクセス回線のサービスを、さまざまな事業者が提供できるようになった |
次章では、注目の「MAN」を含めたWANを構成する光技術について解説する。
Index | |
特集:MANと光技術の最新トレンドを探る | |
Part.1 アクセス回線のブロードバンド化とMAN ・MANとは何か? ・MANの登場と市場の変化 [コラム] ダーク・ファイバとは? |
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Part.2 WAN/MANを構成する光技術 ・バックボーン技術の基本「SONET/SDH」 ・SONET/SDHの特徴は強力な耐障害機能 ・SONET/SDHの最新事情 ・複数の波長を1本の光ファイバに束ねる「WDM」 |
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Part.3 10Gbpsイーサネットの登場とRPR
・WAN向けでの使用が想定された「10Gbpsイーサネット」 ・10GbEに高い耐障害性をもたらす「RPR」 ・SONET/SDHもさらに進化する |
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「Master of IP Network総合インデックス」 |
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