PC Insider 編集後記 2001年4月
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LOMO LC-A(奥)とCOSINA CX-1(手前)
写真を見ると分かるようにこの2台はそっくり。奥のLOMO LC-Aは「ロモ」の愛称で、最近若い女性に人気がある。実は、このLOMO LC-AはCOSINA CX-1をベースにソ連(現ロシア)で製造されたもの(レンズ・カバーなどの作りが異なっているが)。共産党時代のソ連ではそうした日本製カメラをベースに作られたものが多い。LOMO LC-Aの写りは独特のものがある(それが女性に好まれているらしいが)が、たまにフィルムが巻き上がらなかったり、シャッターが落ちなくなったり、とやっぱりソ連製(?)と思わせる部分もある。

わが家にASDLがやって来た

 今回は、わが家のADSL導入の顛末について書こう。

 わが家は、東京都の豊島区と板橋区、北区の3区の境界にほど近い豊島区にある。1999年12月末にNTTが豊島区を含む都内5区でADSLの試験サービス提供を開始したため、すぐに申し込みを行った。ところが、電話回線が光収容されているということで、あっさりと断られてしまった。世帯数が約600戸という大規模マンションゆえ、光収容になっていてもおかしくない。CATVインターネットも、マンション建設当時に豊島ケーブルテレビのサービス区域外であったことから、導入されていない。というわけで、以前の編集後記に書いたように、フレッツ・ISDNを導入することにした。

 フレッツ・ISDNを導入して2カ月。速度にそれほど不満はないものの、周りがADSLの1.5Mbits/sのデータ転送速度に対して、64Kbits/sという速度でほぼ同じ料金というのが気になってきた(その後、フレッツ・ISDNは値下げしたが、データ転送速度と比較するとそれでも割高だ)。そのうえ、ライターの方々の話を聞くと、どうもNTTのADSLに対する姿勢が変わってきて、これまで光収容といって断ったところでも、場合によっては導入が可能になっているらしい。

 決め手になったのが、総務省が公開している「DSL普及状況公開ページ」だ。このページを見ると、「サービス提供不可能」が2000年12月から2001年1月の間で、極端に減っている。サービス提供数が増えているにもかかわらずだ。このことから考えられるのは、

  1. 光収容の地域は申し込みが一段落したため「サービス提供不可能」が減った
  2. 光収容と断っていたユーザーに対しても、何らかの方法でサービスの提供を始めた

のどちらかだろう。もちろん、1.ではないのは明らか。つまり、これまで「光収容」という理由で断られたユーザーでも、もう1度申し込めば、場合によってはADSLが導入できる可能性があることに気付いた。これは偶然なのかもしれないが、この2000年12月というのは、NTT東日本/西日本が本格的にADSLサービスを開始したときでもある(NTT東日本の「フレッツ・ADSLの提供開始に関するニュースリリース」)。

 そこで、3月上旬に東京めたりっく通信に申し込みを行ってみた。フレッツ・ADSLにしなかったのは、上述の経緯からNTT東日本にしたくなかったことと、フレッツ・ADSLが申し込みから開通まで2カ月近くかかっていたからだ(ADSLモデム不足で3月に申し込んでも4月下旬から5月になるといわれていた)。その後、3月中旬には東京めたりっく通信から「NTT東日本への調査を依頼した」という連絡をもらい、3月下旬には「机上調査が完了し、ADSLの導入可能である」という知らせを受けた。4月上旬には、電話回線の工事とADSLルータの設置が完了し、晴れてADSLがわが家に導入されることになった。ただ、豊島区の端ということで、NTTの池袋局から遠く、1.5Mbit/sというデータ転送速度は実現しなかった。現在、600Kbits/s程度だが、フレッツ・ISDNに比べると格段に速い。600Kbits/s程度では、いまや「ブロードバンド」とは呼べないかもしれないが、その仲間に入れたことは確かだ。

 では、なぜ光収容であったはずのところにADSLが導入できたのだろうか。これはあくまで憶測なのだが、バックアップなどのために用意してある「銅線」を開放したのではないだろうか。つまり、マンションの電話回線が光収容になっている一方で、バックアップとしていくつかの銅線も引き込まれているようなのだ(あくまでバックアップなので、マンションのすべての世帯分がADSLの申し込みを行った場合は対応できないと思われるが)。ADSLの試験サービスの時期は、このバックアップの回線は、あくまでバックアップとして調査の対象に入れていなかったはず(そのため「光収容」と断れらた)。しかし、本格的なサービス開始にともない、多くのユーザーを確保するため、可能な限りこの回線を開放したのではないかと推測している。その時期が、フレッツ・ADSLの提供開始と重なったのは、単なる偶然だろうか。

(PC Insiderガイド 小林章彦)

 
  編集後記
今月気になった無駄:アナログ電話回線

 もちろんアナログ電話回線に注目したキッカケは、5月より始まるマイラインのせいだ。周囲では通信会社の選び方などが話題になったが、私の場合PHSがメインのため、アナログ電話の電話料金のうちマイラインに左右される通話料金は月100円程度でしかない。会社選びなど考えるだけ無駄なことだ。

 振り返ってみると、通話とモバイル通信にはPHS、常時接続にはCATVを利用しているため、アナログ電話回線なんて使う機会はほとんどない。にもかかわらず、それに月々約2200円も払うのは無駄の極みだ。プッシュ回線を止めれば400円ほど節約できるが、焼け石に水の感は否めない。

 いっそのこと、アナログ電話を「利用休止」にしたらどうだろうか? これなら月々の電話料金は0円だ。また回線が必要になったら、5年以内なら容易に復活できるようだ。しかし、数年前に調べた限りでは、クレジットカードなど特に決済が絡むサービスでは、ケータイやPHSなど移動体電話の電話番号だと契約・利用できないものが意外と多かったので、ちょっと不安ではある。もっとも、移動体電話が市民権を得た現在なら、こうした制限の緩和も期待できそうだ。とりあえず、契約済みのサービスの登録電話番号をPHSに変更していくことに決めた。結果は来月の編集後記にて報告したい。 (島田)

今月のイベント:ネジ山の潰れたネジ外し

 先日HDDを交換しようとして、ついうっかりネジ山をつぶしてしまった。つぶしたのが交換予定の古いHDDを留めていたネジで、しかも、スペースの都合で新しいHDDを設置するには古いHDDを外さなくてはならない。仕方なく、ネジを外す策を模索した。いろいろ試してみたがなかなかうまくいかず、ホームセンターの店員に相談したところビスヌキ用ビットを紹介された。これは、通常のネジと逆のスパイラルに溝が切られた工具の一種で、潰れたネジ山に食い込ませることによりネジを外せる。ビットをねじ込むには、付属の手回しドライバーや電動ドリルを使用する。

 説明書の手順に従って、まずビットが食い込むように下穴を開ける。つぶしたのが精密ネジなのでドリルの口径が小さく、刃が折れるハプニングがあったが何とか無事に開けることができた。次はいよいよビットを使ってネジを外す作業である。今回はネジの全長が短いことや周囲が精密機器であることを考慮して、付属の手回しドライバを使用した。回し始めてしばらくすると、今まで外れなかったのが嘘のように簡単にネジが抜けた。これにより、ようやくHDDの交換作業を行うことができた。プラスのネジであれば、一部の例外を除いて使用可能なようなので、皆様もネジをつぶしてしまったら試してみてはいかがだろうか? (平野)
Intelの価格引き下げを待っていたので、今月の買い物はなし…

 この文脈からすると、おまえPentium 4を買うつもりか、と言われそうだが、別にそう決めたわけでもない。コストパフォーマンスでは、Athlon+PC133メモリの構成がもっとも優れているのだが、SoundBlaster Live!と互換性問題があることを考えると、ちょっと導入しにくい。かといって、Northwoodや4i構成Direct RDRAMが登場する前にPentium 4に投資するのは避けたい。にっちもさっちもいかない状態に陥っているが、とにかくCPUパワーの慢性的な不足には悩まされているので、5月中にはケリをつけたいところだ。 (澤谷)
大型二輪教習に通い始めた。実はもう大型バイクは買ってしまったのだ。

 ゴールデン・ウィークにどこかへ出かけるかな、と思っていたが晴れの日は少ないそうである。残念。ところで、今となっては大型バイクといってもナナハン(排気量750ccのバイクのこと)クラスのバイクは少ない。数年前の大型二輪の免許制度改正(大型二輪免許が教習所で取れるようになった)によるビッグ・バイクブームで、リッタークラスは当たり前、最近では1800ccなんてのもある。やりすぎだ。メーターの針は当たり前のように300数十キロまで刻まれて、そのスピードが本当に出るから恐ろしい。バイクの性能はすぐに良くなっても、人間のはそうとはいかない。教習所ではこういった能力を高めることは不可能だ。教習でテクニック的な面をもっと強化しても良いのでは?教習所にいる人より試験場にいる人の方がよっぽどうまいし。 (清水)
 
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編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
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編集 澤谷 琢磨    
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