PC Insider 編集後記 2001年10月
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集合住宅はブロードバンドが大変 先月の編集後記で少し触れたように、自宅にNTT東日本が提供を開始したBフレッツのベーシックタイプを導入すべく、申し込みを行った。スムーズに進めば、すでに開通し、使用感などをお伝えできるところだが、案の定(?)あまり進展していない。とりあえず、現在の状況を説明しておこう。 Bフレッツの申し込み後、1週間程度でNTT東日本から、「光ファイバ敷設のための工事調査を行う日程を決めたい」という電話連絡が入った。ただ、事前工事調査は、管理人や管理組合(借家の場合はオーナー)の立会いのもと、Bフレッツの工事内容の説明まで行いたいとのこと。それが済めば、1カ月以内で開通できるとのことであった。 しかし、マンションは区分所有部分(購入した部屋の部分)と共有部分からなり、共有部分については、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」で、 「共用部分の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。 」 と規定されており、個人が勝手に変更できず、集会での決議が必要となる。実際には、軽微な変更(電話回線の追加など)は、管理組合の理事会の判断によって、集会を開かずに認めるケースも多いようだが、最低限管理組合の理事会の了承が必要になる。こうした事情から、勝手に工事を行って問題が発生するのを未然に防ぐ目的もあり、事前工事調査に管理人の立会いを要求しているものと思われる。というわけで、マンションの管理組合の理事に対して、Bフレッツ導入の要望書を提出することにした。 そこで明らかになったのが、マンション全体でインターネット・サービスの導入を検討していること。そのため、Bフレッツの導入については、このサービス導入とともに検討されることになってしまった。これが、なかなか話が進まない1つの要因ともなっている。ただその後、工事調査をしてみなければ判断ができないということで、やっと事前工事調査の許可が下りた。まだ、事前工事調査が済んでいないため、どのような工事が必要になり、総会まで必要になるのかどうかも、いまのところ不明だ。また、話が進展したら報告したいと思う。 ちなみにマンション全体で導入を検討しているインターネット・サービスは、 1. Bフレッツのマンションタイプ 2. VDSLで各戸と接続 3. イーサネットの敷設 といったもの。現在のところ、2.の案が有力となっているが、最終的にはマンション全体にかかわる事項なので、総会での決議が必要になる。一戸建ての自宅ならば、こうした問題は、個人が決めれば済むことだが、集合住宅となると住民全員の思惑が絡み合うので簡単には決まらない。もちろん、インターネット・サービスなんて必要ない、と主張する人も少なからずいることだろう。いつになったら、マンション全体でインターネット・サービスが導入できるか分からない。 このように、マンションなどの集合住宅の場合、ブロードバンド・サービスの導入には面倒な点が多い。政府も「区分所有法の改正」や、「集合住宅におけるケーブル敷設手続きの明確化」といった検討を始めているようだが、しばらく時間がかかりそうだ。e-Japan構想では、「2005年までに3000万世帯がCATVインターネットまたはADSLによるインターネット接続環境を、1000万世帯が光ファイバによる高速インターネット接続環境を整備する」としているが、集合住宅のブロードバンド問題を解決しなければ、目標達成も難しいだろう。「ブロードバンドがもっと一般化すれば、よりリッチなコンテンツの提供が可能になるのに」と思うものの、先は遠そうな気がした今日この頃である。
(PC Insiderガイド 小林章彦) |
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