PC Insider 編集後記 2001年10月
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ミノルタ CAPIOS 25
28〜70mmの2.5倍ズームを搭載したコンパクト・カメラ。ジャンク扱いで2000円で購入したこともあり、壊しても盗まれてもいいというつもりで海外旅行などに持ち歩いている。2000円のカメラ(新品ならもっと高いが)の割りには、写りがよく重宝している。

集合住宅はブロードバンドが大変

 先月の編集後記で少し触れたように、自宅にNTT東日本が提供を開始したBフレッツのベーシックタイプを導入すべく、申し込みを行った。スムーズに進めば、すでに開通し、使用感などをお伝えできるところだが、案の定(?)あまり進展していない。とりあえず、現在の状況を説明しておこう。

 Bフレッツの申し込み後、1週間程度でNTT東日本から、「光ファイバ敷設のための工事調査を行う日程を決めたい」という電話連絡が入った。ただ、事前工事調査は、管理人や管理組合(借家の場合はオーナー)の立会いのもと、Bフレッツの工事内容の説明まで行いたいとのこと。それが済めば、1カ月以内で開通できるとのことであった。

 しかし、マンションは区分所有部分(購入した部屋の部分)と共有部分からなり、共有部分については、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」で、

「共用部分の変更(改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。 」

と規定されており、個人が勝手に変更できず、集会での決議が必要となる。実際には、軽微な変更(電話回線の追加など)は、管理組合の理事会の判断によって、集会を開かずに認めるケースも多いようだが、最低限管理組合の理事会の了承が必要になる。こうした事情から、勝手に工事を行って問題が発生するのを未然に防ぐ目的もあり、事前工事調査に管理人の立会いを要求しているものと思われる。というわけで、マンションの管理組合の理事に対して、Bフレッツ導入の要望書を提出することにした。

 そこで明らかになったのが、マンション全体でインターネット・サービスの導入を検討していること。そのため、Bフレッツの導入については、このサービス導入とともに検討されることになってしまった。これが、なかなか話が進まない1つの要因ともなっている。ただその後、工事調査をしてみなければ判断ができないということで、やっと事前工事調査の許可が下りた。まだ、事前工事調査が済んでいないため、どのような工事が必要になり、総会まで必要になるのかどうかも、いまのところ不明だ。また、話が進展したら報告したいと思う。

 ちなみにマンション全体で導入を検討しているインターネット・サービスは、

1. Bフレッツのマンションタイプ
 マンションにBフレッツを引き込み、HomePNA(10Mbits/s)で各戸と接続する方法だが、HomePNAの到達距離が短く、大規模マンションの場合、利用できない可能性がある。現在、到達距離についての確認を行っている。

2. VDSLで各戸と接続
 マンションにBフレッツのベーシックもしくはプロバイダがダークファイバを引き込み、VDSL(10Mbits/s〜20Mbits/s)で各戸と接続する。VDSLはHomePNAと同様、電話回線を利用するため、各戸へのケーブル敷設が不要であり、到達距離もHomePNAよりも長く、大規模マンションでも導入可能である。ただし、ADSLやISDNとの干渉についての検証が必要になる。

3. イーサネットの敷設
 マンションにプロバイダがダークファイバを引き込み、イーサネットを各戸に敷設し、100Mbits/sのサービスを提供する。各戸へイーサネットの敷設が必要になる点が問題だが、スループットが最も高い。また、将来さらに高速なインターネット・サービスが登場したときにも、容易に対応できるというメリットがある。

といったもの。現在のところ、2.の案が有力となっているが、最終的にはマンション全体にかかわる事項なので、総会での決議が必要になる。一戸建ての自宅ならば、こうした問題は、個人が決めれば済むことだが、集合住宅となると住民全員の思惑が絡み合うので簡単には決まらない。もちろん、インターネット・サービスなんて必要ない、と主張する人も少なからずいることだろう。いつになったら、マンション全体でインターネット・サービスが導入できるか分からない。

 このように、マンションなどの集合住宅の場合、ブロードバンド・サービスの導入には面倒な点が多い。政府も「区分所有法の改正」や、「集合住宅におけるケーブル敷設手続きの明確化」といった検討を始めているようだが、しばらく時間がかかりそうだ。e-Japan構想では、「2005年までに3000万世帯がCATVインターネットまたはADSLによるインターネット接続環境を、1000万世帯が光ファイバによる高速インターネット接続環境を整備する」としているが、集合住宅のブロードバンド問題を解決しなければ、目標達成も難しいだろう。「ブロードバンドがもっと一般化すれば、よりリッチなコンテンツの提供が可能になるのに」と思うものの、先は遠そうな気がした今日この頃である。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
今月壊れたモノ:いろいろ
 とにかくモノがよく壊れた1カ月であった。前回の後記でも触れたように弊社は事務所を引っ越したのだが、しばらくして、各種テスト用に確保しておいた3台のハードディスクが立て続けにエラーを発して使えなくなった。輸送中に衝撃が加わって破壊されてしまったのかもしれない。
 次はノートPCのCD-ROM/フロッピードライブ。原因不明だが、どちらもアクセスできなくなってしまった。ノートPCにもダメージがあるようだ。いずれ修理するつもりなのだが、実は予備機である古いノートPCも調子が悪かったりする。
 3つ目は、自宅のデスクトップPCのDVD-ROMドライブ。これは単なるうっかりミスで、付箋紙を張ったままのCD-Rメディアを挿入したところ、その一部がドライブ内部に残り、その後に挿入されたメディアを片端から傷つける最凶ドライブと化してしまった。幸い、ドライブを分解して紙片を取り除いたら復活したようだ(そのように見える)。
 最後はWebカメラ。ThinkPad専用タイプを選んだのだが初期不良らしく画像が表示されない。MSN Messenger 4.5でテレビ電話を試したいのだが、まずは修理に出さねば。
 さて次に壊れるのは何かな、などと開き直ってこの文章を書いていたら、自分の奥歯が痛み始めた。どうやらこの故障騒ぎ、PCやパーツだけでは済まないらしい。

(島田)
先月の買い物:IBM USB Space Saver Keyboard
 PC関連の製品は何も買う気が起こらないほど、先月のRDRAMショックの後遺症が続いている。かといって買い物ネタから離れるとさらに敗北感が増しかねないので、先月買ったキーボードについて紹介したい。先月は「稼働率のやたら低い自宅のPentium 4マシンをもう少し使うようにしよう月間」と設定して、足りないメモリの追加と、使いづらいキーボードの交換を行うつもりだった(メモリでつまずき年間目標となったが)。これまでは、Microsoft Natural Keyboardの初期バージョンを使っていたのだが、ノートPCを購入して以来、英語配列キーボードが使えない体になってしまった。そこで日本語キーボードを物色し始めたのだが、いざ自分で買おうとなると少しでも長く使えるものをと考えてしまい、これまで買えなかったのだ。しかし、キーボードが原因でせっかくのPentium 4マシンを使わないのでは本末転倒なので、ついに先月購入した。選んだのは先月の後記で触れたとおり、IBM USB Space Saver Keyboard日本語版である。価格が高い割にキータッチはDELLのキーボード並だが、USB接続で黒くて小さいうえにWindowsキーがついている(これ最重要)ので、個人的には満足している。問題はPentium 4マシンがまともに動かないことか。11月中に何とかグラフィックス・カードを新調しなくては…

(澤谷)
今月探したモノ:キーボード・カバー
 キーボードが何かと汚れるので、カバーをかけて使っている。ノートPCもその例外ではなく、個人的にデスクトップPCより使用時間の長いノートPCでは、むしろその重要性は高い。しかし、私の場合ファンレスのB5サイズ・ノートPCを使っているので、熱の影響かそれとも単に使い方が荒いだけなのか、数カ月単位で駄目になってしまう。しかもノートPCのキーボード・カバーは、キー配列がほぼ一定のデスクトップと違い、各シリーズや機種ごとに種類が異なるので自分の機種に合うのを探すのがまた一苦労。しかも、使っている機種は1999年春モデルなので、最近だんだんと対応のキーボード・カバーが店頭からフェード・アウトしている気が…
 そこでいろいろ調べてみたところ、現在使っているエレコム製のものはすでに製造終了した模様でWebページにも載っていない。サンワサプライでも限定商品となっており、あまり生産していないようだ。唯一普通(?)にWebページに掲載されていて、NTT-X Storeでも購入できそうなのがロアス製のものだったが、これとていつまで製造されるかは分からない。ノートPCの製品寿命を睨みつつ買いだめしようか思案している今日この頃である。

(平野)
クリックで拡大写真へ先月の旅:九州
 さて、今回は九州ツーリングの続編。屋久島から鹿児島に戻り国道3号線を北上、一路長崎あたりを目指すことにした。熊本からフェリーで島原へ。島原市内の「大東軒」でちゃんぽんを食う。老舗のたたずまいを残し、地元の人が普通に食事をしている、そんな店を探していたのだ。まさにそのイメージどおりで、店の方も暖かい人たちだった。こういう店、とても好きです。いつかまた行きます。
 10年ほど前、テレビの前で見ていた雲仙岳が姿を現す。途中で小さな案内看板を見つける。「旧大野木場小学校跡」(ん?旧?跡?ってなんだ?)いくらかの好奇心と期待を抱いて看板に従って行くと、そこにはやはり、10年前の火砕流で被災した校舎がそのまま残っていた。ちょうどそのとき、社会見学か何かで小学生がたくさん来ていたので一瞬普通の小学校かと思ってしまった。窓枠は歪み、パイプは溶け、イスや机は跡形もなく消えていた(写真)。10年経った今でも、市内のそこら中に「復興」の文字が見える。とても長い時間努力しても、修復するのが難しい問題もあるんだということを実感した。九州、ありがとう。また行きます。

(清水)
 
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編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
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編集 澤谷 琢磨    
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