PC Insider 編集後記 2001年9月
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Zeiss Jena WERRA 1
第2次世界大戦後、ドイツ最大の光学機器メーカー「Carl Zeiss(カール・ツアイス)」が東西ドイツに分断された結果、東ドイツ側にできたのが「Zeiss Jena(ツアイス・イエナ)」。WERRAシリーズは、1950年代から60年代にそのZeiss Jenaが製造したカメラ。距離計や露出計の有無などにより、WERRA 1から5までラインアップされた。WERRA 1は、最もシンプルな目測式の露出計を内蔵しないモデル。軍艦部(カメラの上側)には、シャッターしかなく、巻き上げはレンズの後方になるリングで行い、レンズ・カバーはレンズに取り付けてフードになる、といった凝ったデザインを採用している。このデザインに惹かれて購入したものの、実はまだ一度も撮影に使っていない。写りも「すばらしい」と評判なのだが……。

凶悪事件とワームとドットコムの崩壊

 凶悪事件が発生した場合、これまで多くの人にとってテレビが最も早く信頼できる情報を提供するメディアであった。昨今、その一方でインターネットのニュース・サイトの動きが注目を集めている。しかし、何か事件があるとアクセスが集中し、ページが表示されないという問題も起きている。CNNなどは、トップページを簡素化するなど、集中するアクセスに対応しているが、大きな事件の前には無力である(それだけ、インターネットの情報が速報性などで信頼されている証ともいえるのだが)。先日の痛ましい米国でのテロ事件においても、CNNやMSNBCなど多くのニュース・サイトにアクセスが集中し、接続できないという状態が続いた。

 こうしたアクセスの集中という問題に加え、毎月のように発生するワームも、やはりインターネットの脆弱性を露呈させる。いくら自社のサーバをしっかりと管理していても、その上位にあるネットワークで大量のワームによって処理を超えたトラフィックが発生してしまうと、やはりユーザーからは接続できないサイトに見えることになる。8月、9月と@ITも、ホスティング先のネットワークがワームの被害に遭ったことで、読者の皆様にはアクセスしにくい状況が数日間続いてしまったようだ。

 こういったインターネットのトラブルを解消するのは非常に難しい。そのうえ、昨今のドットコム企業の倒産が、こうしたトラブルを増幅させる。日本国内では、大手のADSLプロバイダやCATVサービス会社が倒産するといったことは、まだ起きていないが、米国ではADSLプロバイダの大手数社と、CATVサービス会社の最大手「At Home Corporation(Excite@Home)」が米国連邦破産法第11条(Chapter 11)の適用を申請、事実上の倒産に至っている。ちなみに、日本のエキサイトとアットホームジャパンは、At Homeは株主の1社であり、影響はないという発表(エキサイトの発表アットホームジャパンの発表)を行っている。とはいえ、こうしたインターネットのインフラを支える企業の倒産も他人事とはいえない。日本においてもこうした事態が起きることは十分に予想できる。

 もはやインターネットは、多くの人々の生活の一部になっているが、このような脆弱な基盤の上に成り立っていることを、再認識する必要があるだろう。もちろん、インターネットを媒体として情報発信を行っている身としては、他人事ではなく切実な問題である。実験から始まったインターネットが、どうすれば強固な基盤のうえに構築できるのか、やはりまだ実験は続くのかもしれない。

 話は変わるが、この編集後記でお伝えしてきた自宅のインターネット環境に変化の兆しが見えるのでご報告しておく。ISDNダイヤルアップ、フレッツ・ISDN、東京めたりっくのADSLと進化してきた。ついに、NTT東日本のFTTHサービス「Bフレッツ」のサービス・エリアに自宅マンションが入った。そこで早速、申し込みを行ったのだが、やはりマンションということで、いろいろと問題が発生している。10月末にはある程度、報告できるレベルまで話が進むはずなので、改めて紹介する予定だ。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
クリックで拡大写真へ今月悩んだ買い物:事務所向け電話システム
 つい最近行った事務所の引っ越しで、最後まで悩まされたのは電話機の選択だった。当初は12台程度の子機が収容可能なビジネスホン(交換機)を予定していたが、どれも通話用子機7台程度のセットで50万円を軽く超えてしまう。SOHO向けとしては、子機が8台収容できるNTT東日本の「PACSIA」があるが、ISDNルータ内蔵のせいかやや高価である(弊社はSDSL利用中なのでISDNルータは不要)。複数のISDN TAをバス接続した内線通話システムまで試したが、これは使い勝手が悪すぎてNG。こうした紆余曲折の末に購入したのは、NTT東日本の「i・トレンビー W-1200T」である(右上写真)。通話用子機は最大7台だがコードレスなので配線の手間は親機の分だけで済む。まだ使い始めて間もないが、使い勝手は上々で社員の評判も悪くない。子機フル増設で23万円程度というのは高い気もするが許容範囲内だ。それにしても、いまどきのビジネス向け電話機というのは無意味に多機能だったり、ちょっとした設定変更にも業者の工事が必要だったり、子機の互換性がまるでなかったりと、ホントにユーザーのニーズをくみ取っているのか疑問に思う。

(島田)
今月の買い物(失敗編):RIMM 128Mbytes×2
 本当は今月の買い物としてIBMのUSB Space Saver Keyboardを紹介する予定だったのだが、ついでに買ったRIMMによるトラブルのせいでそれどころではなくなってしまった。最初H社のチップを積んだ128Mbytes RIMMを2枚購入してきたのだが(Samsung製はちょうど売り切れていたのだ)、これまで使っていた128Mbytes分のRIMMと合わせ384Mbytesとした状態にすると、OS起動中に不安定になってしまった。考えつくすべてのコンフィグレーションを試したが駄目だった。初期不良かと思い、仕方なくショップに出向き、チェックしてもらったが、RIMM自体には何の問題もないという。無理を言ってKingston Technologyのメモリ(中身はSamsung製)に交換してもらったのだが、H社のRIMMのときよりはだいぶ安定したものの、グラフィックスカードが原因らしいと特定できたのは、RIMM購入から1週間以上経過してからだった。どうも私のGeForce 256は256Mbytes以上のRIMMと組み合わせると、コンフィグレーションのいかんに関わらず不安定になるらしい。あぁ、GeForce 256の256ってRIMMは最大256Mbytesまで対応ってことね……。なんてバカなことを考えてみても状況の改善には役立ちそうもない。R200にするかTiにするか、10月はグラフィックス・カードに支出のほとんどを持っていかれそうだ。

(澤谷)
クリックで拡大写真へ今月の買い物:P-in Comp@ct
 2月にZaurusを購入したときから「P-in Comp@ct」はそのうち購入しようと検討していたのだが、いろいろな事情があって伸び伸びになっていた。そのうち、6月に「C@rdH"64petit」が、そして7月には「P-in m@ster」が発売されてしまった。選択肢が増えたのでちょっと迷う羽目になったが、もともとNTTドコモのPHSを使っており、先頃同じドコモの携帯電話に乗り換えたので、ファミリー割引などを考えて、以前使っていたPHSを機種変更することにした。さて、P-in Comp@ctとP-in m@sterのどちらにしようかと考えていたときに、別件で調布のドコモショップからもらってきたパンフレットですべては決まった。なんと、P-in Comp@ctが機種変更(10カ月以上)の場合、100円になっているではないか!ノートPC用のPCカードアダプタを加えても400円となっていた。事務手数料2000円の方が高いというちょっと謎といえば謎な状態であるが、安さに負けてP-in Comp@ctにした次第である。

(平野)
クリックで拡大写真へ今月の旅:屋久島
 なが〜い学生の夏休みの後半戦、九州ツーリングに出掛けることになりました。まったく計画を立てずに行動することを特徴とした(というか計画するのが面倒臭かっただけ)初の九州上陸。何はともあれ阿蘇へ。火口で火山ガスにやられてムセまくる。とりあえずとりあえずと言いつつフラフラしているうちに足取りは世界遺産の島、屋久島へ。そこに住んでいるヒトビトは、素朴で、のんびりとした、あたたかい、人たちでした。自分が東京に住んでいるだけあって、それを身に染みて感じました。自然の雄大さも普通ではありません。小さな案内看板をたどっていった先には、とんでもなくデカいモノが待ち受けていたりで、いちいち、驚かされます。夜になれば、星空が迎えてくれます。北アルプスに登山したとき以来の天の川です。星空の下の平内海中温泉は、いままでで最高の露天風呂であったと確信しています。貴重な体験をさせてくれた屋久島、ありがとう!九州本土の話は次回。

(清水)
 
  PC Insider STAFF
 
編集人 小川 誉久 Art Director 谷原 正則
ガイド(編集長) 小林 章彦 制作 河本 茂美
ガイド(副編集長) 島田 広道    
構成エディタ 元麻布 春男    
編集 澤谷 琢磨    
  平野 謙    
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