PC Insider 編集後記 2001年12月
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CONTAX T2(ブラック)
1998年9月発売のCONTAX T2の限定モデル。オリジナルのCONTAX T2は1990年発売され、1997年10月に生産を完了している。その後、2000台の限定モデルとしてこのブラック・モデルが販売された。レンズは、Carl Zeiss Sonner T* 38mm F2.8を搭載する。

種まきだった2001年

 Gatewayの海外拠点からの撤退やHewlett-PackardとCompaq Computerの合併発表など、2001年も大きなニュースがいくつもあった。新しいデバイスとして、USB 2.0やIEEE 802.11a(5GHz帯の無線LAN規格)、Bluetooth、DVD+RWドライブなどが出荷されたし、チップ間接続技術の「HyperTransport」「3GIO」、擬似マルチプロセッサを実現する「HyperThreading」といったものも提案された。Pentium 4への本格的な移行も始まったのも2001年だ。Windows XPも出荷され、盛りだくさんな1年であった。それにもかかわらず、どうもその実感に乏しい。本来ならばIT業界はもっと盛り上がっていてもおかしくないはずだ。

 実感を伴わないのは、米国のITバブルがはじけた影響も大きいと思われるが、2001年に出荷された製品が活用されるまでに至っていない、ということが最大の原因だろう。IEEE 802.11aにしても製品は出荷されたばかりで、価格も高い。USB 2.0は未だにOS(Windows XP)が正式にサポートしておらず、互換性の点で不安が残る状態だ。IEEE 802.11aが普及するには現在のIEEE 802.11bと同等の価格になる必要があるだろうし、USB 2.0にしてもOS(Windows XP)の対応やチップセットにコントローラが内蔵されることが必要不可欠だろう。

 こう考えると、どうも2001年は種まきの時期であり、芽が出始めるのは2002年ということになりそうだ。2001年に製品が出荷されたデバイスは、2002年に本格的な普及期に入るし、規格が発表されたデバイスは、製品が出荷され始めることになろうだろう。果たして2002年はどのような年になるのだろうか。HPとCompaqの合併は不穏な状況にあるし、メモリ・ベンダの撤退も続きそうだ。不安な要素はいくつもあるが、ぜひとも2001年よりは活気のある年になってほしい。

(PC Insiderガイド 小林章彦)
 

  編集後記
クリックで拡大表示■今月の悩み事:仕事場の配線工事
 「連載:ネットワーク・デバイス教科書〜運用編〜 第11回」にある「ケーブリングを甘く見ない」というのは、いまの私には激しく同意できることだ。昨年10月に弊社事務所が引っ越した際、すべて自前で行った室内のLAN/電話線の配線工事がいまだ完了していないからである。私の計画性のなさが最大の原因だが、予想より配線作業がひどく面倒で手間がかかっているのも確かだ。
 新事務所は、ショウルームとして使われることを前提としたような作りとなっており、オフィス・ビルのような床下配線はできないので、室内の隅にモールを設置して各種ケーブルを通した(こうしないと足でケーブルを引っかけたりする)。この作業はひどく手間だったが、休日にアルバイトも動員する(鬼だ)という人海戦術で対処できた。ところが、モールにケーブルを通し終わった後で、コードレスホンの親機を当初の予定とは別の場所に設置せざるを得なくなり、右上写真のような空中配線を強いられることとなってしまった。とりあえずガムテープで壁面にケーブルを固定しているが、みっともないことこの上ない。どうやって目立たないように配線を固定・保護するか算段中である。
(年を越してしまった… 島田)
■今月の買い物:Norton AntiVirus 2002
 ノートPC用に購入したClearTypeもといWindows XPはすこぶる好調で、Windows 2000のときよりも安定しているほどだ。メーカーの松下電器産業がXP用タッチパッド・ドライバなどをリリースしてくれたので、使い勝手の面でもほぼ問題は解消した。Intel 440MXチップセットの制限からメモリ不足は解消しようがない点が残念だが、心配したほど速度低下も感じない(XPの細かいチューニングにだまされているのかもしれないけど)。
 唯一問題になったのが、Windows XP上ではシマンテックのNorton AntiVirus 2001が動作してくれないことだった。まだウイルス定義ファイルの無償アップデート期間は少し残っていたが、しかたなく新しいAntiVirus 2002に更新することにした。AntiVirus 2002の購入には、登録ユーザー向けアップグレード版のオンライン販売を利用して購入したのだが、商品到着まで2週間ぐらい待たされてしまった。この点を除けば、AntiVirus 2002 本体の動作は安定しているし、ウイルス定義ファイル更新後に再起動を要求されることもなくなっているし、おおむね満足している。
(澤谷)
■今月やっていること:部屋の掃除とパーツのリユース
 基本的に貧乏性(?)らしく、何かと物を溜め込んでしまう。一方でちゃんと整理整頓して不要なものは捨てようという考えも持ち合わせている。どうやら私が物を片付ける(捨てる)かどうかは、貧乏性と片付かないことへのフラストレーションの関数らしい。ここ最近は後者の方が勝っているようで、毎週末にいろいろと片付けている。片付けている中で捨てようかどうしようか悩ましいのが、ちゃんと(?)動きはするが、古いので使っていないのPCのパーツだ。そこで、そのような眠っている古いパーツをかき集めて簡単なサーバを立てることにした。基本的には「実験:中古PC活用講座」に従って作成した。Socket 7のマザーボードにプロセッサはPentium-133MHz。プロセッサのクロック周波数だけなら最新のものの10分の1にも満たないが、もっぱらデータのバックアップ先として使用する予定なので問題ないだろう。とりあえず完成して、いまところは問題なく動いている。構成を変えるときは現在のメインPCのパーツが平行移動する予定なので、それまで無事に動いてくれればと思う次第である。
(平野)
■今月考えたこと:メルトモ
 最近、「メル友」を持つ友達が増え始めた。定義は曖昧だが、「メル友」と言うのはメールのやり取りのできる見ず知らず(の場合が多い)の「友達」のことだ。携帯電話でもWebブラウジングが可能になったことで、手軽にそのキッカケを見つけられるようだ。実際に日常的に「メル友」と会っているヒトを何人か知っているが、話を聞いてみると驚くほど危機感をもっていないことが分かる。文字列のみのコミュニケーションという世界で相手の人格を判断することは難しく、そういった関係から事件に発展するケースも少なくない。インターネットに接する世代がぐんぐん下がっている中で、精神的にまだ完全でない子供に「メル友」というマスクをつけた悪意ある者が接することも不可能ではない。学校がメディアの教育を積極的に行うのは結構なことだが、こういった危険な側面を持つことも積極的に教えるべきではないかと思う。
(清水)
 
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