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ケーブル インターネット

2000/05/22

 CATVの双方向通信機能を利用したインターネット接続サービス。CATVインターネットとも呼ばれる。インターネット接続には、ケーブルモデムと呼ばれる専用のデバイスを使用する。既存のCATV網を利用するため、電話代が不要なうえ、常時接続が可能というメリットがある。

 テレビ映像の送信に使用する1チャンネル分の6MHzの帯域を使うと、30Mbits/s程度のデータ転送が可能になる。ただし、実現可能な通信速度はCATV局に設置されるケーブル ルータ(およびケーブル モデム)によって異なってくる。一般的には、「下り」/「上り」にそれぞれ数百kbits/sから10Mbits/sを割り当てる対称型のもの、下り側に6Mbit/s、上り側に1.5Mbit/sを割り当て、下り側を高速にした非対称型のものなどがある。実際には、128kbits/sから512kbit/sに帯域制限を行っているCATVサービス会社が多い。接続料金は、CATVサービス会社によって異なるが、月額4000円から6500円といったところが多いようだ。  ケーブル インターネットでは、インターネットの接続にLAN型を採用している場合が多い。そのため、ユーザーのPCでファイル共有などを有効にしていると、ほかのユーザーからファイルが見えてしまったり、ネットワーク ゲームの一部など、利用できないインターネット アプリケーションがあったりするので注意が必要だ。

 また、基本的にCATVは行政区域ごとに1社のCATVサービス会社がサービスを提供しており、ユーザーが自由にサービス会社を選ぶことができない。さらに、CATVサービスが未だに提供されていない行政区域もあり、特に都市部のマンションやビルなどでは、CATVによるテレビ番組を見ることができても、インターネット サービスの提供が受けられないことも多い。このようにケーブル インターネットは、サービスが受けられない行政区域や建物が多いのが難点だ。

 これまで、家庭向けのサービスが中心であったケーブル インターネットだが、CATV統括運営会社のタイタス・コミュニケーションズが、企業向けにデータ転送速度1.5Mbits/sの対称型サービスを月額9万5000円で提供を開始した。このように、今後は企業向けにも利用されていきそうだ。専用線と同等のデータ転送速度を実現しながら、接続料金が安価であるメリットは、企業にとっても大きなメリットとなるだろう。記事の終わり

 

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