CD-RWを読み取れないCD-ROMドライブがある理由

清水庸介/デジタルアドバンテージ
2002/02/07

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 古いCD-ROMドライブやCD-Rドライブでは、CD-RWメディアが読み取れないことがある。この原因は、CD-ROM/CD-R/CD-RWの各メディアでレーザーの反射率(メディアに照射されるレーザー光に対する反射光の強度の割合)が異なる点にある。具体的には、CD-Rメディアの反射率が65%以上であるのに対し、CD-RWメディアは15〜25%と低い(Orange Book Part II Ver.2.0、Orange Book Part III Ver.1.0でのCD-RWメディアの規定より)。

 最近のCD-ROM互換のドライブには、メディアの反射率を検知して読み取り感度を自動調整する、マルチリード(Multi Read)という機能が追加されており、CD-RWメディアを読み取れないドライブはほとんどなくなった(ただし、いまなお民生用オーディオCDプレーヤなどでは、再生できないことがよくある)。CD-RメディアとCD-RWメディアは、書き換えできるかどうかという違いだけが注目されがちだが、両者の書き込みメカニズムはまったく異なっており、メディアの記録層の材質もまったく別のものである。

3種類のCDメディア
左からプレスされたCD-ROM、CD-R、CD-RW。直径12cmの光メディアという点では共通だが、反射率に代表される物理的な特性は異なるため、ドライブによってはCD-RWメディアを読み取れないといったトラブルが生じる。

 このため、CD-RWメディアで第三者にデータを配布する際には、相手がマルチリード非対応の古いCD-ROMドライブを使っていないか事前に確認した方がよい。具体的には、1997年以前に販売されていたCD-ROMドライブでは、マルチリードに対応していない可能性が高い。読み取れるかどうか確認できない場合には、CD-RWメディアではなくCD-Rメディアを使うようにしよう。記事の終わり

  関連リンク 
CD-R/RWのメディアやドライブの普及促進を目的とした業界団体

「PC Hints」


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