第1回 OATHが目指す“信頼”の形

相原 敬雄
日本ベリサイン株式会社
マーケティング部 課長
2006/1/20

 ネットワークに接続されたIPデバイスの急増

 いかなるネットワークにおいても、セキュリティと信頼のレベルは、そのネットワークを構成する要素すべてによって規定されます。これには、ユーザーや組織になりすますことができるエンドポイント(クライアントおよびサーバ)デバイスも含まれます。ネットワークに接続される情報家電(携帯電話、PDA、ポータブルデジタルミュージックプレーヤー、セットトップボックス、HDDレコーダー、TPM(Trusted Platform Module)を搭載したノートPCなど)が増えるにつれ、信頼できるデバイスと信頼できないデバイスとを区別できる能力が、基本的なセキュリティ要件となってきます。

 認証されたデバイスは信頼のルートとして機能し得るので、新しい種類のアプリケーション(アイデンティティベースのウイルス対策ソリューション、DRMなど)のセキュリティ基盤として使うこともできます。この観点から、デバイス認証においても強固な認証が必要とされています。

 そこで強固な認証の推進と「オープン」「標準化」および「相互運用性」を認証ソリューション業界内で確立することにより健全なエコシステムの創造を目的としてOATHが2004年2月に発足しました。

 OATHの理念と歴史

 強固な認証の一般普及を可能にするには、従来の閉鎖的で、ベンダの独自仕様に基づく、相互運用のためにカスタマイズが必要な認証ソリューションから、オープンで、標準化され、相互運用可能なソリューションを創造しなくてはなりません。当然、1社だけの努力によって成り立つ話ではなく、認証デバイスメーカー、アイデンティティ管理製品、ビジネスソリューションプロバイダ、サービスプロバイダなどさまざまなジャンルの企業が協力して初めて実現します。

 OATHは認証に関連する業界をまたいだコラボレーションを推進する組織として米VeriSignの呼び掛けにより設立されました。行動理念として新たな標準規格を作成し推進するのではなく、既存のオープンスタンダードをベースに強固な認証技術フレームワークの確立とその一般普及を目的としています。

 しかし、既存の標準規格だけでは不十分であるということも認識しています。従って、必要とされる標準規格を新たに作成し、IETF、TCG、Smart Card Allianceなどの該当する標準規格推進団体への提出、およびメンバーの製品での採用を推進しています。

2004年2月
設立、業界への参加の呼び掛け。ActivCard、Aladdin Knowledge Systems、ARM、Authenex、Aventail、Axalto、BEA Systems、Gemplus、 HP、IBM、SafeNet(Rainbow Technologies)、VeriSignの12社が参加

2004年10月
正式な憲章の設立。HOTPワンタイムパスワードアルゴリズムをITEFに提出する。会員企業数は30に

2005年2月
複数のベンダの製品がHOTP採用を表明

2005年5月
OATH Reference Architecture Release 1.0をリリース

2005年8月
The Apache Software Foundationを含む8社のセキュリティ関連会社および2社の金融機関が会員になる。会員企業数は46に

2005年10月
2006年度のロードマップを発表。会員企業数は50以上に(http://www.openauthentication.org/members/

なお会員にはCoordinating、Contributing、Adoptingの分類があり、Coordinating、Contributing会員のみがTechnical Focus Groupに参加できる

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Index
OATHが目指す“信頼”の形
  Page1
強固な認証技術の必要性
フェデレーテッド・アイデンティティ・ネットワークの台頭
Page2
ネットワークに接続されたIPデバイスの急増
OATHの理念と歴史
  Page3
OATHのビジョン:ユニバーサルかつ強固な認証
OATHの目標とエコシステム


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