第1回 OATHが目指す“信頼”の形
相原 敬雄日本ベリサイン株式会社
マーケティング部 課長
2006/1/20
OATHのビジョン:ユニバーサルかつ強固な認証
OATHのビジョンは「一般消費者が安心して個人情報をオンラインで入力でき、ビジネスパートナー同士が安全に共同作業と情報共有が行え、ネットワークを形成しているデバイスがセキュリティを担保してくれる」未来のネットワークの実現です。そのネットワークは標準プロトコルにより形成されています。
OATHのビジョンをもう少し分かりやすく説明すると「あらゆる人とあらゆる物をあらゆる場所で強固に認証する」ことになります。OATHではこれを「ユニバーサルストロングオーセンティケーション(Universal Strong Authentication)」と呼んでいます。この概念はOATHが初めて提唱したものです。
図1 ユニバーサルストロングオーセンティケーション「あらゆる人とあらゆる物をあらゆる場所で強固に認証する」 |
OATHの目標とエコシステム
OATHは次の目標を掲げています。
- ワンタイムパスワード(OTP)、PKI、SIMカード(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)を組み合わせた、オープンで低コストの多元的な認証デバイスの仕様を、ベンダからメーカーまであらゆる関係者に広める
- ソフトウェア開発者およびインテグレータの労力を最小限に抑えて、エンタープライズアプリケーション、アプリケーションサーバ、およびミドルウェアでの強固な認証を実現する
- 既存の標準と既存のITインフラを使用した相互運用可能なコンポーネントを介して、最善の組み合わせのソリューションを実現する
- 物理トークンのコストを下げる
また、 OATHでは強固な認証を実現するために参加しなくてはならないプレーヤーを下記のエコシステムとして整理しています。
図2 参加すべきプレーヤーのエコシステム |
次回はOATHのロードマップについて解説します。
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Index | |
OATHが目指す“信頼”の形 | |
Page1 強固な認証技術の必要性 フェデレーテッド・アイデンティティ・ネットワークの台頭 |
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Page2 ネットワークに接続されたIPデバイスの急増 OATHの理念と歴史 |
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Page3 OATHのビジョン:ユニバーサルかつ強固な認証 OATHの目標とエコシステム |
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