最終回 SSFCの現在と未来


矢野 義博
SSFC事務局長

半田 富己男
大日本印刷株式会社
IPS事業部
主席研究員
2009年4月20日


 発展性と拡張性に期待したいSSFC

 連載の最後にSSFCの今後の展開について触れておきましょう。

 テレワークによる新たなワークスタイルの実現が望まれています(デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)ほか)。これを実現するためには、セキュリティと利便性を両立する技術が必要です。SSFCは、ネットワーク先から「誰が」、そして「どこから」アクセスしてきているかという情報を、上位アプリケーションに伝達できる仕組みを持っており、テレワークでの活用が期待されます。

 SSFCは、非接触ICカードで展開してきましたが、媒体はICカードに限定されません。SSFCモバイルとして「おサイフケータイ」でも実証実験を開始する予定です。社員証・職員証カードをICカード化するところまで踏み切れない企業・事業所でも、SSFCモバイルならば気軽にSSFCのメリットを享受できます。また、その用途は会社の社員ID証に限らずチケットやクーポンサービス、あるいはマンションやビジネスホテルの鍵としての利用も可能です。

 オフィスセキュリティ以外に、物流・ロジスティクス分野でもSSFCを活用する事例が登場しています。例えば、工場内での人とモノの移動を考えると、人の移動は入退室管理システムで管理されていても、モノを搭載したフォークリフトは工場内外を自由に走り回っているのが現状ではないでしょうか。これに対して、フォークリフトに搭載した車載器でSSFCカードを持つ運転者を認証してエンジンを始動し、フォークリフトに乗ったまま工場内シートシャッターを開閉する仕組みも提案されています。

 SSFCの海外進出に向けた活動も始まりました。2008年11月4〜6日にパリで開催された、世界最大・最先端のデジタルセキュリティとICカード技術のイベント「CARTES & IDentification 2008」に、SSFC海外進出プロジェクトの有志企業7社が参加し、海外で初めてSSFC対応製品の展示、紹介を行いました。


 7回にわたる連載でSSFCが実現する高セキュリティオフィス空間について説明してきました。SSFCのメリットをご理解いただけましたら幸いです。さらなる情報が必要ならば、お気軽にSISCPメンバー企業もしくはSSFC事務局へお問合せください。

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Index
SSFCの現在と未来
  Page1
SSFCアライアンス解体新書
  Page2
安心して利用できるアクセスの仕組み
既存の非接触ICカードシステムとの共存
Page3
発展性と拡張性に期待したいSSFC

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