岡田 大助
2006/3/18
■「Winny」をアンインストールすれば安全なの?
多くの報道では「Winnyが悪者」として取り上げられており、「Winnyを削除すれば大丈夫」との間違った安心を抱いてしまう人もいるかもしれません。一連の情報漏えいは、「Winny」を介してダウンロードしたウイルスによって引き起こされており、ウイルスの大きな媒介者である「Winny」を削除すれば被害を減らすことができるかもしれません。しかし、それで安全とはいえないのです。
確かにこれまで一連の情報漏えいを引き起こしている主なウイルス「Antinny」は、「Winny」によって感染し、「Winny」へ感染者のPC内にある情報を公開するものです。しかし、情報漏えいを行う悪意のあるソフトは「Antinny」だけではありません。感染者のPCをWebサーバにして、PC内のデータをHTTP経由で漏えいさせるトロイの木馬も流通しています。これらは、ネット上で「山田ウイルス」「山田オルタナティブ」「キンタマウイルス」「ドクロウイルス」などと呼ばれています。これらも「Antinny」の亜種とされていますが、その性格は大きく変化しています。
このようなトロイの木馬は、「Winny」だけでなく、ポスト「Winny」と見られているファイル交換ソフト「Share」などにも存在しているほか、ネット上の掲示板などからも感染する可能性があります。そして、感染者のPCをWebサーバにしてハードディスク内のデータをWeb上に公開してしまうので、「Winny」は関係ありません(山田オルタナティブにはWebサーバとなってしまった感染者のPC同士を相互リンクする機能があり、新たな情報漏えいネットワークを構築してしまいます)。
つまり、「ウイルス感染の入り口(Winny)を封鎖する」あるいは「情報漏えいする出口(Winny)を消してしまう」といった対応では不十分です。以降、これらの情報漏えいを引き起こすウイルスを「Winny」系ウイルスと呼び、その対策について考えていきます。
Index | |
5分で絶対に分かるWinny情報漏えい対策 | |
「Winny」って何だろう? | |
「Winny」をアンインストールすれば安全なの? | |
基本的な「Winny」系ウイルス対策とは | |
すべての「拡張子」は常に表示させるべき | |
なぜ、拡張子を表示させなくてはいけないのか |
5分で絶対に分かるWinny情報漏えい対策 |
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