システムベンダブリーフィング

システムインフラベンダ ブリーフィング(10)

シスコよりオープンなデータセンター環境とは


三木 泉
@IT編集部
2009/6/26

 顧客に選択肢を与えるということ

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 仮想マシンからの接続それぞれに対し、タグをつけることはするのか。

 そうだ。

 (ヴイエムウェアとシスコが標準化を進めているという)VNタグを採用することはないのか。

 当社は標準を採用する。従って標準が何になるかによる。

 現状では、シスコはVNタグが自社のスイッチでしか動かないと言っている。われわれは、それはフェアではない、顧客は選択肢を持つべきだと話している。VNタグが誰でもサポートできるものになるなら、われわれにはまったく問題はない。

 VNLinkおよびNexus 1000Vとの連係も考える。一方でわれわれのやり方でも進めていく。人は、自分に選択肢を与えてくれる相手を信頼する。従ってわれわれは1つのやり方を押し付けることはしない。サーバ、CNA、ハイパーバイザ、仮想スイッチ、ラックマウント・スイッチ、バックボーン・スイッチを選択できて、(シスコ製品で統一するのと)同じメリットが得られるようにする。

 当社は(ラックマウント・スイッチで)24ポートの製品を持っているが、次は64ポートの製品を開発する。ポート当たり200ドル程度で、シスコより大幅に安い。

 ジュニパーとの具体的な取り決めは何か。ジュニパーはあなたのソフトウェアを組み込むことに同意したのか。

 ジュニパーは「EX2500」という10Gbpsラックマウント・スイッチを発表している。これは当社が「RackSwitch G8124」をOEM提供したものだ。われわれは次の段階への準備を進めている。

 SmartConnectはLinuxアプリケーションで、インテル・ベースの汎用プロセッサがあれば、どこでも動かせる。当社はまずジュニパーでリリースするが、ほかの企業の製品でもリリースし、顧客が選択肢を得られるようにする。

 BNTにとってFCoEはどれくらい重要なのか。iSCSIでもいいとは考えないのか。

 FCoEによる統合が起きる前の世界では、サーバを40台運用すると、最低40のNICとLAN配線、40のHBAとファイバチャネル用の配線、LANスイッチ、ファイバチャネル・スイッチが必要になる。ストレージ側はたいした問題ではないが、サーバ側のケーブルやスイッチ、電力、冷却、管理に関するコストは非常に大きい。

 CNAを使ってイーサネット統合すれば、このコストは大きく削減できる。当社のスイッチに接続すれば、ロスレス、低コスト、低遅延、低消費電力といった当社製品の特徴を生かすこともできる。

 イーサネットはLAN、iSCSI、NASにつながる。さらに、あなたが従来型のSANを持っているとしても、捨てることはない。低消費電力でシンプルな設計が実現できる。

 LANとSANが分かれてしまったのは、イーサネットで(それだけでは)パケットロスが不可避だったからだ。InfiniBandを選んだ人がいたのも、イーサネットの遅延が問題となり、また(高速な)イーサネットのコストが高すぎると考えられたためだ。だからこそ、私はイーサネットがロスレスで、低コストで、低消費電力で、低遅延でなければならないと考えた。これらの点が実現できれば、二重の接続は要らない。構成をシンプルにすることができる。顧客は、既存の機器も生かしながら、よりシンプルな接続ができる。

 私は少なくとも100社の顧客と話したうえで、この意見を持つに至った。彼らは皆、(イーサネットでまとめることが)シンプルだと賛成している。

 さまざまなストレージ・ネットワーキング技術を使いながら、ダイナミックなインフラを実現するための共通なメカニズムを提供していくということか。

 そうだ。これで当社のいくつかのストーリーが1つにまとまってくる。当社はSmartConnectやラックマウント・スイッチについて語ってきた。大型スイッチについては自社でつくらず、他社と提携する。そしてサーバ管理ソフトウェアをこれと組み合わせ、顧客におけるクラウド・インフラの構築を支援する。シスコと非常に似たストーリーだが、ベンダへのロックインはない。

 シスコは負荷分散製品やファイアウォール製品との連係、さらには遠隔データセンター間の接続まで考えているはずだが。

 (例えば)ジュニパーのMシリーズで当社のSmartConnectソフトウェアを動かせば、同じことができる。しかも顧客はどのファイアウォールやVPN製品を使うか選択肢を持てる。われわれはNetScreenを使うことを強いたりはしない。(シスコの)PIXを使ってもいいいし、チェックポイントを使ってもいい。どんな顧客も囲い込まれたくないはずだ。

 われわれはシスコのUCSアーキテクチャに対する異論はない。われわれだって同じものを構築しようとしている。われわれが訴えているのは、メリットとともに選択肢を提供しろということだ。なぜなら選択肢によって競争が促進され、競争が顧客のコストを下げ、顧客が得られる製品やイノベーションの質も上がるからだ。

 もし、シスコが彼らのプラットフォームをオープンにし、Nexus 7000のAPIを公開するなら、当社のソフトもNexus 7000上で動かせることになるかもしれない。そうなれば完全にオープンな世界が実現できる。

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シスコよりオープンなデータセンター環境とは
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まずIBM、ジュニパーと協業する
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顧客に選択肢を与えるということ

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