Oracle VMの差別化ポイント
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今回はまず、Oracle VMが実際はどういうものなのかを正しく理解いただけるように、その全体像と典型的なシステム構成をご説明しました。最後にOracle VMという製品の位置付けについて思うところをお話しします。
よくVMware ESXやHyper-Vといった他社製品とどう違うのか、何がOracle VMの「売り」なのか、というご質問をいただきます。製品単体でみれば私は以下のポイントが挙げられると思います。
- Xenという性能に定評があり、多くのシステムで実績のあるハイパーバイザを採用していることによる高い安定性
- さらにユーザビリティ、管理性、セキュリティを高めるための拡張を行っていること
- そのXenベースの仮想化ソフトウェアをオラクルがサポートすること
- ライセンス費用がかからないこと
このように製品単体で見てもOracle VMは非常に魅力的なソフトウェアだと思います。ただ、私はオラクルがOracle VMで本当に実現したいことは、自社の製品を仮想化した上で安心してお客様に使っていただくことだと思っています。単に仮想化インフラ上でOracle Databaseをインストールして稼働させるだけであれば、他社の仮想化ソフトウェアを使っていただいても実現可能です。ただしその場合はサポートの面でどうしても切り分けが発生してしまい、窓口が分かれてしまいます。障害発生時、あるいは性能が思ったように出なかったような場合に、それが仮想化レイヤの問題なのか、あるいはそれより上の問題なのかをユーザーサイドで判断する必要に迫られます。
仮想化のメリットについては各所でいろいろなことが述べられていますが、「サーバ統合」という側面だけを切り取ってみても、つまるところ仮想化は、サーバを集約するかしないかを判断する選択肢をユーザーに提供してくれるものなのです。インフラを仮想化しておきさえすれば、集約できるものは集約し、性能的にそれができないものは1物理サーバに1仮想マシンを稼働させておけばよいのです。その時々の状況に応じて柔軟にハードウェアの使い方を選択できる仮想化インフラは、間違いなく今後さらにITインフラとして標準化が進み、企業システムでも適用率が高まっていくことでしょう。そのときに仮想化したシステムについて、仮想化レイヤ、OSレイヤ、ミドルウェア・レイヤ、アプリケーションレイヤ、すべてにおいて一元的なサポートを提供するためにOracle VMはあると思います。お客様が自社システムの仮想化を望まれた際に、すべてのソフトウェアスタックについて責任をもってサポートできる体制こそがOracle VMを提供することによってオラクルが提供したかったものだと思います。
少々熱弁になってしまいましたが、戦略的なお話はここまでです。次回はシステム構成をより深く掘り下げて、CPU、メモリ、ネットワーク、ディスクといったリソースの割り当てや、ハードウェア構成を含めたディスク構成例などをお話ししようと思います。
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Index | |
Oracle VMの概要と特徴 | |
Page1 Oracle VMの正体 GUI QoS HAクラスタ P2V、V2V |
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Page2 セキュアライブマイグレーション ネットワーク、ストレージパスの二重化 Oracle VMのシステム構成 |
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Page3 Oracle VMの差別化ポイント |
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