第2回 XenServerは何を目指しているか
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
2008/8/21
Citrix XenServerは、オープンソースのXenをベースとしてハードウェアの上で直接動作するハイパーバイザ型の仮想化ソフトウェアである。本連載ではまず、XenServerのアーキテクチャを4回にわたり解説しているが、その2回目として、今回はCitrix XenServerの機能について紹介する |
導入、運用、管理でオープンソースXenを改良
オープンソース(OSS)のXenは、ソースコードを誰でも入手可能なことや、LinuxとWindowsをサポートし、しかもパフォーマンスが優れていることから非常に注目を浴びていた。しかし、お世辞にも使い勝手がいいとはいえず、インストールにも時間がかかるため、使いたくても簡単には使えないというジレンマがあった。Citrix XenServerが目指したことは、誰でも容易にXenを使用した仮想環境が構築でき、企業の本番システムで使用できる管理性と運用性を兼ね備えることであった。もともと、Xenはパフォーマンスには定評があったため、容易に導入できて管理性と運用性を高めることがXenServerに望まれていたのである。
インストール作業を大幅に簡素化
CitrixがXenServerでまず行ったことは、インストールを容易にすることであった。OSS Xenは、Linuxの知識がなければインストールすることは難しいが、企業ではLinuxよりもWindowsをゲストOSとして使用する方が多い。Windowsユーザーも含め、誰でも簡単にGUIを使ってインストールが可能となるように、XenServerのインストーラの開発をまず行った。XenServerのインストールCDをセットして、CDからサーバを立ち上げると、インストーラが起動される。途中、簡単な質問にいくつか答えるだけでインストールが終了する。インストールの途中、ディスクのパーティションサイズを入力する必要さえない。XenServerが使用できるまで、たった10分である。
XenServerには、OEM向けのOEM Editionもある。XenServer OEM Editionは組み込み(Embedded)型のXenServerであり、1GBのフラッシュメモリに最初からXenServerがインストールされている。XenServerが組み込まれたフラッシュメモリを搭載したサーバを購入すると、サーバの電源を入れて簡単な設定を行うだけでXenServerが使用できる。この場合には、XenServerまで3分である。この組み込み型XenServerは、デルとHPのサーバで提供されているが、日本ではデルからのみ購入可能である(2008年8月1日現在)。
図1 デルのサーバで、内部USBコネクタにXenServerが組み込まれたUSBメモリを入れたもの |
組み込み型のXenServerは、OEMベンダ向けにカスタマイズされており、例えばDell PowerEdgeの場合はハードウェア監視ツールのエージェント(OpenManage Agent)も最初からフラッシュメモリに組み込まれている。OpenManageのエージェントをインストールしなくても、ほかのハードウェアと同様にハードウェア監視が可能になる。
図2 「Dell OpenManage IT Assistant」でXenServerを管理できる。組み込み型XenServerの場合にはOpenManageのエージェントをインストールする必要がない |
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第2回 XenServerは何を目指しているか | |
Page1 導入、運用、管理でオープンソースXenを改良 インストール作業を大幅に簡素化 |
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Page2 GUIによる管理が可能 小さく始めて大きく育てられる運用性 |
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