System Insider 編集後記 2002年5月
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安全神話の崩壊

Voigtlander BESSA-R2+ULTRON 35mm F1.7
BESSA-R2は、2000年9月の編集後記で取り上げたBESSA-Rの上位モデル(?)。BESSA-RのLマウントからVMマウントに変更され、ボディの金属化などが行われている。VMマウント化によって、Leica用の多くレンズが使用可能になり、M型Leicaのサブ・カメラとして使いやすくなった。ULTRON 35mm F1.7はLマウントなので、BESSA-R2で使う場合はL-Mマウント・アダプタを利用することになる。ULTRON 35mm F1.7はコントラストが高くシャープな写りで、
コストパフォーマンスの高い。最近お気に入りのレンズだ。

 自慢にもならない話だが、先日、盗難に遭ってしまった。打ち合わせのため、クルマで事務所近くのファミリ・レストランに行ったのだが、そこでいわゆる「車上荒らし」に幾ばくばかりの現金と銀行のキャッシュ・カード数枚が盗まれてしまったのだ。助手席にカバンを置いたまま、レストランで食事していたのが敗因(?)なのだが、何とも悔しい限りである。犯人は、カバンの中からシステム手帳を抜き、そこからさらにキャッシュ・カードと現金だけを奪い、システム手帳をカバンに戻すという手の込んだやり方で、自宅に帰るまで盗まれたことに気づかなかったほど。自宅近くの交番に盗難届けを出したのだが、もはやこの程度の犯罪では犯人を捕まえる気もないような対応で、日本の安全神話の崩壊を身を持って感じた次第だ。

 インターネットの世界も、コンピュータ・ウイルスの蔓延が証明するようにもはや安全とは程遠くなってしまった。10年ほど前、まだインターネットで電子メールがやりとりできる程度だったころは、ウイルスの発生は懸念されていたものの、これほどまでに蔓延するとは考えられていなかった。常時接続インターネットが安価になり、コンピュータに関する知識がそれほど豊富でない人もインターネットを利用するようになった現在、ウイルスの培養培地はいたるところに存在する。悪意のない第三者が、いつの間にかウイルスを大量に撒き散らかしている状態となっており、もはやだれにもウイルスを止めることはできないだろう。そのうえ、これまで英語のメッセージのウイルスしかなかったのに、このところ日本語で「至急!」とか「重要連絡」といったサブジェクトが電子メールに付けられたものまで登場してくる始末。「英語のメールはすべてウイルスかスパムだから読まない」という主張していた人までも被害に遭いつつある。

 もちろんウイルスの被害に遭わないようにアンチウイルス・ソフトウェアを導入するのはもちろん、常時接続環境であればブロードバンド・ルータのセキュリティ機能を有効にしたり、セキュリティ・ゲートウェイを導入したりすべきだろう。ただ、本格的なセキュリティ・ゲートウェイ製品は、SOHOや小規模事業者が導入できるような価格帯の製品はほとんどなく、主に大企業向けとなっている。今後、PtoPやIPv6といったインターネット環境の普及を考えると、SOHOや小規模事業者でも導入可能な価格帯で性能の高いセキュリティ・ゲートウェイ製品が販売されることを望みたい。

 残念ながら、リアル・ワールドもネットワーク・ワールドも安全はタダではなくなってしまった。まず、自らの安全を守るためにも、普段からの注意と備えを十分に持ちたいと思う今日このごろである。

(System Insider 小林章彦)
 

  編集後記
今月の悩み:通信料金は減らない!?
 昨年末に会社で申し込んだBフレッツが6カ月を経て、ようやく開通した。ドメインの移行など面倒な作業が残っているものの、導入担当としては一安心というところ。もちろん導入過程の記事化も予定しているのでご期待いただきたい。
 Bフレッツ開通にともない、現行のSDSLはなるべく早く解約しなければと考えている。どちらも月額料金は5万円以上(固定IPアドレス×16個のサービスのため高価)と高く、二重に支払うのは無駄だからだ。とはいえネット接続が1系統だけでは心もとないので、SDSLを解約したらADSLをバックアップ用に契約する予定。ADSLは電話と共用しないタイプ2となるため、月額6000円ほどかかる。Bフレッツと合計した月額料金は、SDSLのときと比較して2万円ほど高くなるだろう。これで通信速度は実効で最大20倍ほど向上するが、通信のランニング・コストも増えることになる。
 通信料金が増えているのはプライベートでも同じ。見直そうにも携帯電話やネット接続はもはや不可欠だ。そこでリストラ対象になるのは、極めて使用頻度の低いアナログ電話回線(これは通信ではなく通話だが)だ。従量制なのに、まったく使わなくても月額2000円以上かかるといういまどき珍しいサービスである。そこで低価格なIP電話へ移行できないか検討中だ。これについてはまた次回…… (島田)

■今月行ってみた所 〜 ビックカメラ新宿西口店
 5月23日に、東京は新宿の小田急ハルクにオープンしたビックカメラ新宿西口店に行ってきた。といっても、私が用があるのはもっぱらBic P Kanの方で、行ったのもオープンから5日間ほど過ぎた28日のことである。特に広告の特売品が欲しいというわけでもなく、どんな感じだろうと見に行っただけだったので、適度にすいていることが期待されるお昼過ぎに出掛けてみた。
 ハルクの2階〜6階のフロアがビックカメラ及びBic P Kanで確かに売り場は広い。しかし、逆に欲しいものを探すのがちょっとした苦労である。これはヨドバシカメラの新宿西口本店でも思うことだが、特に区分の境界線上と思われる商品が困る。例えば、コンパクトフラッシュのメモリカードなどはデジカメ売り場を探すか、PCの売り場を探すか、PDA売り場を探すか一瞬迷う所だ(まあ、店側から見れば、探しているうちに衝動買いも期待できるかもしれないが……)。
 売り場が広い分、PCのパーツなどもそこそこあったような記憶があるので、秋葉原まで買出しに行く暇がないときなどは便利かもしれない。 (平野)
■今月の目標「魚を食べてパワーアップ」
 夏が近づき、バイクで走ると気持ちのいい風を感じられる季節がやってきました。最近はホカ弁ばかり食っているので、新鮮な刺身でも食いたいところです。「さかなさかなさかな〜」の歌でご存じのとおり、魚を食べると頭が良くなるそうなので(本当か?)、館山や銚子のあたりに、お一人様3000円の季節の刺身盛り合わせ定食(ごはん・味噌汁付き)でも食べに行こうかと思います。これで電磁気学のテストもOKか? (他力本願・清水)
 
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