解説

最新Pentium 4-2.53GHzに見るPCの買い替え時

3. ベンチマーク・テストの結果

元麻布春男
2002/05/08


 ここでは今回実施したベンチマーク・テストの概要と結果についてまとめる。

プロセッサ Pentium 4-2.40GHz/2.40B GHz/2.53GHz Pentium III-450MHz
マザーボード Intel製D850EMV2 Intel製SE440BX
メモリ 512Mbytes PC800 RDRAM 512Mbytes PC100 SDRAM
グラフィックス・カード ATI Technologies製ATI RADEON 8500 64Mbytes ATI Technologies製3D RAGE PRO AGP 2X
ハードディスク Seagete Technology製ST360021A (Barracuda ATA IV) IBM製Deskstar 60GXP 40Gbytes
イーサネット・カード Intel製EtherExpress PRO 100+ 3Com製3C905-TX
サウンド・カード AC'97 CODEC(オンボード) ヤマハ製YMF724
ベンチマーク・テストを実施したハードウェア構成

アプリケーション・レベルの性能を測るSYSmark2002

 SYSmarkシリーズは、非営利団体であるBAPCoが提供するアプリケーション・レベルのベンチマーク・プログラムの1つ。開発および販売には、3DMarkで知られるMadOnion.comが協力している。BAPCoは、「Business Applications Performance Corporation」の略でIntelやMicrosoft、IBM、Dell Computerなど多くの企業が参加している。

 SYSmarkシリーズは、実際のアプリケーションを用いたうえ、使い方をシミュレーションすることによりオフィスで使われるクライアントPCの性能を計測しようというものだ。PCの性能は、Office Productivity(オフィスでの生産性)とInternet Content Creation(インターネット向けコンテンツの作成)の2つのカテゴリに分けたアプリケーションで計測するのが特徴だ。ここで採用されるアプリケーションは、バージョンアップのたびに見直しが行われており、SYSmark2002では、以下のようになっている。

カテゴリ SYSmark2001 SYSmark2002
Office Productivity Microsoft Access 2000 Microsoft Access 2002
Microsoft Excel 2000 Microsoft Excel 2002
Microsoft Word 2000 Microsoft Word 2002
Microsoft PowerPoint 2000 Microsoft PowerPoint 2002
Netscape Communicator 6.0 Netscape Communicator 6.0
Dragon Naturally Speaking Preferred 5.0 Dragon Naturally Speaking Preferred 5.0
Microsoft Outlook 2000 Microsoft Outlook 2002
WinZip 8.0 WinZip 8.0
McAfee VirusScan 5.13 McAfee VirusScan 5.13
     
Internet Content Creation Adobe Photoshop 6.0 Adobe Photoshop 6.01
Adobe Premiere 6.0 Adobe Premiere 6.0
Microsoft Windows Media Encoder 7 Microsoft Windows Media Encoder 7.1
Macromedia Dreamweaver 4 Macromedia Dreamweaver 4
Macromedia Flash 5 Macromedia Flash 5
SYSmark2001とSYSmark2002で採用しているアプリケーションの違い

 これを見ると分かるように、SYSmark2001からSYSmark2002へのバージョンアップでは、Microsoft Office 2000からOffice XPへの変更が主である。また、SYSmark2002では、日本語のWindows XPでの動作についても保証が行われている(SYSmark2001は日本語Windows XPでは動作しなかった)。なお、SYSmark2002の前バージョンであるSYSmark2001の詳細については、「元麻布春男の視点:最新ベンチマークはPentium 4が好き」を参照していただきたい。

Pentium 4-2.40GHz Pentium 4-2.40B GHz Pentium 4-2.53GHz Pentium III-450MHz
Rating
229
235
241
42
Internet Content Creation
317
319
333
45
Office Productivity
166
173
174
39
SYSmark2002の結果

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SYSmark2002の結果

コンポーネントごとの性能を測るPCMark2002

 PCMark2002は、プロセッサ性能、メモリ性能、ハードディスク性能といった、PCのベーシックな部分を個別にテストするプログラムである。SYSmarkの販売を行っているMadOnion.comが開発したものだ。

PCMark2002の結果は大きく、「CPU score」「Memory score」「HDD score」の3つに分けて示される。CPU scoreでは、JPEGのデコードやテキスト検索、オーディオの変換など6種類のテストの結果に重み付けを行った値となる。同様にMemory scoreは、ブロック読み出し/書き込みやランダム・アクセス、1ライン単位の画面スクロールなど25種類を、HDD scoreはキャッシュ・ファイルの読み出し/書き込みやファイル・コピーなど5種類をそれぞれ重み付けした値となっている。これらの個別のテスト結果も参照することが可能だ。なお、PCMark2002の詳細については、「元麻布春男の視点:新コンポーネント・ベンチ『PCMark2002』で見るPentium 4の性能」を参照していただきたい。

Pentium 4-2.40GHz Pentium 4-2.40B GHz Pentium 4-2.53GHz Pentium III-450MHz
CPU RADEON 8500 5802 5883 6187 1154
GeForce3 5767 5775 6074
Memory RADEON 8500 5344 5859 6119 968
GeForce3 5014 5136 5302
PCMark2002の結果

大きな図へ
PCMark2002のRADEON 8500による結果

3Dグラフィックスの性能を測る「3DMark2001 SE」

 PCMark2002と同様、MadOnion.comが開発・販売しているのが、3Dグラフィックスの性能を計測する「3Dmark2001 Second Edition(SE)」である。3DMark2001 SEは、3Dmark2001をマイナー・バージョンアップしたもの。DirectX 8.1ならびに最新のグラフィックス・カードに対応した。DirectXで書かれた3Dグラフィックス・ゲームをベースにしたテストが行われる。そのため、主にグラフィックス・カードの性能を計測するのに向いたベンチマーク・テストである。記事の終わり

Pentium 4-2.40GHz Pentium 4-2.40B GHz Pentium 4-2.53GHz Pentium III-450MHz
Rating 9118 3D Marks 9287 3D Marks 9418 3D Marks 実行不能
3DMark2001 SEの結果
  関連記事
最新ベンチマークはPentium 4が好き
新コンポーネント・ベンチ「PCMark2002」で見るPentium 4の性能
 
 
 INDEX
  最新Pentium 4-2.53GHzに見るPCの買い替え時
    1.533MHz FSB対応のPentium 4発表
    2.Pentium 4-2.53GHzの性能を測る
  3. ベンチマーク・テストの結果

 「System Insiderの解説」


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