解説 最新Pentium 4-2.53GHzに見るPCの買い替え時 元麻布春男 |
ここでは今回実施したベンチマーク・テストの概要と結果についてまとめる。
プロセッサ | Pentium 4-2.40GHz/2.40B GHz/2.53GHz | Pentium III-450MHz |
マザーボード | Intel製D850EMV2 | Intel製SE440BX |
メモリ | 512Mbytes PC800 RDRAM | 512Mbytes PC100 SDRAM |
グラフィックス・カード | ATI Technologies製ATI RADEON 8500 64Mbytes | ATI Technologies製3D RAGE PRO AGP 2X |
ハードディスク | Seagete Technology製ST360021A (Barracuda ATA IV) | IBM製Deskstar 60GXP 40Gbytes |
イーサネット・カード | Intel製EtherExpress PRO 100+ | 3Com製3C905-TX |
サウンド・カード | AC'97 CODEC(オンボード) | ヤマハ製YMF724 |
ベンチマーク・テストを実施したハードウェア構成 |
アプリケーション・レベルの性能を測るSYSmark2002
SYSmarkシリーズは、非営利団体であるBAPCoが提供するアプリケーション・レベルのベンチマーク・プログラムの1つ。開発および販売には、3DMarkで知られるMadOnion.comが協力している。BAPCoは、「Business Applications Performance Corporation」の略でIntelやMicrosoft、IBM、Dell Computerなど多くの企業が参加している。
SYSmarkシリーズは、実際のアプリケーションを用いたうえ、使い方をシミュレーションすることによりオフィスで使われるクライアントPCの性能を計測しようというものだ。PCの性能は、Office Productivity(オフィスでの生産性)とInternet Content Creation(インターネット向けコンテンツの作成)の2つのカテゴリに分けたアプリケーションで計測するのが特徴だ。ここで採用されるアプリケーションは、バージョンアップのたびに見直しが行われており、SYSmark2002では、以下のようになっている。
カテゴリ | SYSmark2001 | SYSmark2002 |
Office Productivity | Microsoft Access 2000 | Microsoft Access 2002 |
Microsoft Excel 2000 | Microsoft Excel 2002 | |
Microsoft Word 2000 | Microsoft Word 2002 | |
Microsoft PowerPoint 2000 | Microsoft PowerPoint 2002 | |
Netscape Communicator 6.0 | Netscape Communicator 6.0 | |
Dragon Naturally Speaking Preferred 5.0 | Dragon Naturally Speaking Preferred 5.0 | |
Microsoft Outlook 2000 | Microsoft Outlook 2002 | |
WinZip 8.0 | WinZip 8.0 | |
McAfee VirusScan 5.13 | McAfee VirusScan 5.13 | |
Internet Content Creation | Adobe Photoshop 6.0 | Adobe Photoshop 6.01 |
Adobe Premiere 6.0 | Adobe Premiere 6.0 | |
Microsoft Windows Media Encoder 7 | Microsoft Windows Media Encoder 7.1 | |
Macromedia Dreamweaver 4 | Macromedia Dreamweaver 4 | |
Macromedia Flash 5 | Macromedia Flash 5 | |
SYSmark2001とSYSmark2002で採用しているアプリケーションの違い |
これを見ると分かるように、SYSmark2001からSYSmark2002へのバージョンアップでは、Microsoft Office 2000からOffice XPへの変更が主である。また、SYSmark2002では、日本語のWindows XPでの動作についても保証が行われている(SYSmark2001は日本語Windows XPでは動作しなかった)。なお、SYSmark2002の前バージョンであるSYSmark2001の詳細については、「元麻布春男の視点:最新ベンチマークはPentium 4が好き」を参照していただきたい。
Pentium 4-2.40GHz | Pentium 4-2.40B GHz | Pentium 4-2.53GHz | Pentium III-450MHz | |
Rating |
229
|
235
|
241
|
42
|
Internet Content Creation |
317
|
319
|
333
|
45
|
Office Productivity |
166
|
173
|
174
|
39
|
SYSmark2002の結果 |
SYSmark2002の結果 |
コンポーネントごとの性能を測るPCMark2002
PCMark2002は、プロセッサ性能、メモリ性能、ハードディスク性能といった、PCのベーシックな部分を個別にテストするプログラムである。SYSmarkの販売を行っているMadOnion.comが開発したものだ。
PCMark2002の結果は大きく、「CPU score」「Memory score」「HDD score」の3つに分けて示される。CPU scoreでは、JPEGのデコードやテキスト検索、オーディオの変換など6種類のテストの結果に重み付けを行った値となる。同様にMemory scoreは、ブロック読み出し/書き込みやランダム・アクセス、1ライン単位の画面スクロールなど25種類を、HDD scoreはキャッシュ・ファイルの読み出し/書き込みやファイル・コピーなど5種類をそれぞれ重み付けした値となっている。これらの個別のテスト結果も参照することが可能だ。なお、PCMark2002の詳細については、「元麻布春男の視点:新コンポーネント・ベンチ『PCMark2002』で見るPentium 4の性能」を参照していただきたい。
Pentium 4-2.40GHz | Pentium 4-2.40B GHz | Pentium 4-2.53GHz | Pentium III-450MHz | ||
CPU | RADEON 8500 | 5802 | 5883 | 6187 | 1154 |
GeForce3 | 5767 | 5775 | 6074 | − | |
Memory | RADEON 8500 | 5344 | 5859 | 6119 | 968 |
GeForce3 | 5014 | 5136 | 5302 | − | |
PCMark2002の結果 |
PCMark2002のRADEON 8500による結果 |
3Dグラフィックスの性能を測る「3DMark2001 SE」
PCMark2002と同様、MadOnion.comが開発・販売しているのが、3Dグラフィックスの性能を計測する「3Dmark2001 Second Edition(SE)」である。3DMark2001 SEは、3Dmark2001をマイナー・バージョンアップしたもの。DirectX 8.1ならびに最新のグラフィックス・カードに対応した。DirectXで書かれた3Dグラフィックス・ゲームをベースにしたテストが行われる。そのため、主にグラフィックス・カードの性能を計測するのに向いたベンチマーク・テストである。
Pentium 4-2.40GHz | Pentium 4-2.40B GHz | Pentium 4-2.53GHz | Pentium III-450MHz | |
Rating | 9118 3D Marks | 9287 3D Marks | 9418 3D Marks | 実行不能 |
3DMark2001 SEの結果 |
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最新ベンチマークはPentium 4が好き | |
新コンポーネント・ベンチ「PCMark2002」で見るPentium 4の性能 |
INDEX | ||
最新Pentium 4-2.53GHzに見るPCの買い替え時 | ||
1.533MHz FSB対応のPentium 4発表 | ||
2.Pentium 4-2.53GHzの性能を測る | ||
3. ベンチマーク・テストの結果 | ||
「System Insiderの解説」 |
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