解説
IDF Fall 2002 Japanレポート
「融合」の先にあるIntelの展望
3. ショーケースでは「融合」を実現するためのコンポーネントを披露
デジタルアドバンテージ
2002/10/30
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Madisonのデモも行われていたショーケース
ショーケースでは、PCI ExpressやシリアルATAといった開発中の技術のほか、日本電気と日本ユニシスがItanium 2搭載サーバを展示していた。基調講演でははっきりとした言及はなかったものの、次期ItaniumプロセッサのMadisonが「Itanium 2」のブランドで販売されることが決まったようだ。
また、ショーケースで展示されていた日本ユニシスのシステム説明によれば、現在テストに用いられているMadisonの動作クロックは1.1GHzで、3次キャッシュを6Mbytes内蔵するものであることも明らかになった(現行のItanium 2は、動作クロック最大1GHz、3次キャッシュ3Mbytes)。Madisonでは、3次キャッシュと実行ユニットの拡張、コンパイラの改良などが行われるものと予想されているが、1.1GHzという動作クロックはあまりにも低い。というのも、IntelではItaniumプロセッサ・ファミリでは1世代ごとに1.5〜2倍近い性能向上を目指すとしている。このことから、実際の製品ではさらに動作クロックが引き上げられることが予想される。
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日本ユニシスのシステム説明図 |
これによれば、現在デモで使われているMadisonが1.1GHzで動作していることが分かる。 |
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日本ユニシスのItanium 2搭載サーバ「ES7000/130」 |
従来のES7000シリーズでは、Pentium III XeonとItaniumなどとの混在構成をサポートしていたが、ES7000/130ではItanium 2のみの対応になるという。 |
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日本電気のItanium 2搭載サーバ「TX7」 |
Itanium 2を最大32プロセッサ搭載可能。Itanium 2とMadisonのユニットを交換して動作させることや、共存させることもできる。写真は、Madison搭載ユニットと交換しているところ。 |
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富士通製の2.5インチ・ハードディスク |
各社のシリアルATA対応ハードディスクを動作させていた。写真は、富士通製の2.5インチのハードディスクである。コネクタ形状などは、3.5インチ・ハードディスクと同じものであった。 |
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日本電気のPCI ExpressのPHY(物理層)チップ |
拡張スロットは、4レーンのPCI Expressのもの。展示では、計測器を使ってPCI Expressの信号波形を表示させていた。 |
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Legend GroupとMiTACのデジタル・メディア・アダプタ |
中国のLegend Group(連想集団)(左)と台湾のMiTAC(右)のデジタル・メディア・アダプタ。デジタル・メディア・アダプタは、一種のセットトップボックスともいえ、無線LANまたは100BASE-TXで家庭内のPCに接続し、デジタル写真やビデオなどをテレビで閲覧可能とする。 |
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ヤマハのVPNルータ「RTX2000」 |
Intel製のチップが搭載されていることをアピールしていた。手前側が10/100BASE-TXのPHYチップ「LXT9763」、奥側がデュアル・スピードのMACチップ「IXF440」である。 |
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Intel製シリアルATAカード |
4ポートのシリアルATAをサポートしたPCIカード。既存のPCでも、このカードを差すことでシリアルATAのサポートが可能になる。コントローラ・チップはIntel製であった。 |
そして「コンバージェンス」へ
IDF Spring 2002 Japanのテーマは「コア・コンピテンス」、つまりIntelが強い半導体分野に集中することで「不景気からの脱却」という少々後ろ向きなイメージを伴うものであった。ところがIDF Fall 2002 Japanでは、「「Convergence(融合)」という新たなビジョンを掲げ、新しい時代を創造するという前向きな姿勢へと変化している。
IDF Fall 2002は、2003年以降に投入される技術や製品について語られる場である。ここで取り上げられたBanias、Prescott、Madisonなど、新技術を搭載した新製品が2003年も続々と投入される。だからといって、経済を取り巻く状況は楽観を許すものではなく、低迷したIT市場が急速に盛り返すという保障はない。しかし少なくとも、変化に向けた材料はいまなお豊富だといえるだろう。Intelの思惑どおりに進むかどうかはともかくとして、2003年もドラマチックな1年になるに違いない。
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