|
|
キーワード
2004年版まる分かり開発コード名
3. Itaniumプロセッサ・ファミリとモバイル向けプロセッサの開発コード名
元麻布春男
2004/01/30 |
|
|
Itaniumプロセッサ・ファミリ |
|
■McKinley(マッキンリー) |
第2世代のItaniumプロセッサ・ファミリ。2002年7月にItanium 2としてリリースされた。動作クロックは900MHz/1GHzで、初代Itaniumの733MHz/800MHzから大きく動作クロックは向上していないが、バス幅を2倍の128bitに拡張すると同時にクロックも266MHzから400MHzに引き上げたシステム・バス、最大3Mbytesの3次キャッシュを内蔵するなど、性能強化が図られた。 |
|
■Madison(マディソン) |
2003年にリリースされた第3世代のItaniumプロセッサ・ファミリ。製品名の変更はなく、Itanium 2である。0.13μmプロセスで製造されたが、McKinleyに対し内部アーキテクチャを継承しただけでなく、ソケット・レベルの互換性も有する。動作クロックは1.3GHzおよび1.5GHzで、3M〜6Mbytesの3次キャッシュを内蔵する。 |
|
■Deerfield(ディアフィールド) |
デュアルプロセッサ対応のItaniumプロセッサ・ファミリ。製品名は、「Itanium 2 1.40 GHz/1.5MB L3 キャッシュ」と「低電圧版Itanium 2 1GHz/1.5MB L3 キャッシュ(LV Itanium 2)」である。2003年9月にリリースされた。0.13μmプロセス製造で1.5Mbytesの3次キャッシュを内蔵する。低電圧版Itanium 2の動作電圧は、通常のItanium 2の1.3Vに対し、1.1Vとなっている。 |
|
■Madison-9M(マディソン-9エム) |
2004年夏に、当初予定されていたMontecitoに代わって投入される第3世代のItaniumプロセッサ・ファミリ。製品名の変更はなく、Itanium 2となる予定だ。3次キャッシュが9Mbytesに増量されるほか、動作クロックも引き上げられる。 |
|
■Montecito(モンテシト) |
2005年リリース予定の90nmプロセス製造による第4世代のItaniumプロセッサ・ファミリ。当初のリリース予定を1年遅らせ、Intel初のデュアルコアを採用するする予定だ。デュアルコアに加え、24Mbytesという大容量の3次キャッシュを内蔵するが、ソケット・レベルの互換性はMadisonから維持される。なお以前は、2005年にリリース予定のデュアルコアは、Chivanoの開発コード名がつけられていた。 |
|
■Chivano(チバーノ) |
2005年にリリースされる予定のデュアルコアを採用するプロセッサの開発コード名だったが、1年スケジュールが遅延したMontecitoがそのポジションを奪ったため、ロードマップから消えてしまった。 |
|
■Tukwila(タクウィラ) |
Montecitoの次世代となるItaniumプロセッサ・ファミリ。買収した旧Alphaプロセッサの開発チームが開発に加わっているといわれる。65nmプロセス製造により量産されるマルチコア・プロセッサで、内蔵するコアの数は明らかにされていない。「同世代のIA-32プロセッサに比べて最大2倍の個数のコアを内蔵する」とされていることから、4つ以上であることは間違いない。以前はTanglewood(タングルウッド)という開発コード名で呼ばれていたが、登録商標の問題を回避するため開発コード名が改められた。 |
|
開発コード名 |
McKinley
(マッキンリー) |
Madison
(マディソン) |
Deerfield
(ディアフィールド) |
Madison-9M
(マディソン-9エム) |
Montecito
(モンテシト) |
Chivano
(チバーノ) |
Tukwila
(タクウィラ) |
製品名 |
Itanium 2 |
Itanium 2 |
デュアルプロセッサ対応Itanium 2/低電圧版Itanium 2 |
Itanium 2 |
Itanium 2 |
− |
未定 |
リリース(予定) |
2002年7月 |
2003年7月 |
2003年9月 |
2004年夏 |
2005年 |
なし |
未定 |
製造プロセス |
0.13μm |
0.13μm |
0.13μm |
0.13μm |
90nm |
90nm |
65nm |
動作クロック |
900MHz/1GHz |
1.3GHz/1.5GHz |
1.0GHz/1.4GHz |
不明 |
不明 |
不明 |
不明 |
3次キャッシュ |
1.5Mbytes〜3Mbytes |
3M〜6Mbytes |
1Mbytes |
9Mbytes |
24Mbytes |
不明 |
不明 |
特徴 |
第2世代のItaniumプロセッサ |
McKinleyとソケット互換 |
デュアルプロセッサ対応のItanium 2。McKinleyとソケット互換 |
Madisonの3次キャッシュを9Mbytesに増量。McKinleyとソケット互換 |
デュアルコア採用。McKinleyとソケット互換 |
開発コード名をMontecitoに変更 |
旧Alphaプロセッサの開発チームによって開発中のMontecitoの次世代。4個以上のプロセッサ・コアを内蔵 |
ノートPC向け
|
|
■Banias(バニアス) |
2003年3月にリリースされたモバイル向けのIA-32プロセッサ。1Mbytesの2次キャッシュを内蔵し、0.13μmプロセス製造で7700万個のトランジスタを集積する。製品名としては「Pentium M」だが、対応チップセット(Intel 855チップセット・ファミリ)、無線LANモジュール(Intel PRO/Wireless)とセットでCentrinoモバイル・テクノロジと呼ばれる。プロセッサとしてのアーキテクチャはPentium III世代のP6マイクロアーキテクチャに基づくと見られるが、プロセッサ・バスの仕様はPentium 4互換に改められるなど、モバイル向けにモバイル・プラットフォーム事業部の手で改良が施されている。モバイル・プラットフォーム事業部が独自にマイクロアーキテクチャ・レベルの改良を行ったのはこれが初めてである。 |
|
■Dothan(ドーサン) |
Baniasに次ぐモバイル向けのIA-32プロセッサ。Baniasをベースに90nmプロセス製造を採用し、ダイ・サイズの縮小を実現する。と同時にマイクロアーキテクチャの改善と2次キャッシュの増量(1Mbytesから2Mbytesへ)を施す。当初は2003年第4四半期にリリースされる予定だったが、Prescottと同様、消費電力の問題から改良が必要となり、2004年第2四半期にリリースが遅延した。 |
|
開発コード名 |
Banias(バニアス) |
Dothan(ドーサン) |
製品名 |
Pentium M |
Pentium M(?) |
リリース(予定) |
2003年3月 |
2004年第2四半期 |
製造プロセス |
0.13μm |
90nm |
2次キャッシュ |
1Mbytes |
2Mbytes |
FSB |
400MHz |
400MHz |
特徴 |
P6マイクロアーキテクチャをベースにモバイル向けに改良したもの |
将来的には533MHz FSBもサポートされる予定 |
次ページでは、Intel製チップセットと新技術/機能について整理する。
System Insider フォーラム 新着記事
- Intelと互換プロセッサとの戦いの歴史を振り返る (2017/6/28)
Intelのx86が誕生して約40年たつという。x86プロセッサは、互換プロセッサとの戦いでもあった。その歴史を簡単に振り返ってみよう
- 第204回 人工知能がFPGAに恋する理由 (2017/5/25)
最近、人工知能(AI)のアクセラレータとしてFPGAを活用する動きがある。なぜCPUやGPUに加えて、FPGAが人工知能に活用されるのだろうか。その理由は?
- IoT実用化への号砲は鳴った (2017/4/27)
スタートの号砲が鳴ったようだ。多くのベンダーからIoTを使った実証実験の発表が相次いでいる。あと半年もすれば、実用化へのゴールも見えてくるのだろうか?
- スパコンの新しい潮流は人工知能にあり? (2017/3/29)
スパコン関連の発表が続いている。多くが「人工知能」をターゲットにしているようだ。人工知能向けのスパコンとはどのようなものなのか、最近の発表から見ていこう
System Insider 記事ランキング
本日
月間