人間に見やすく、ロボットにも好まれるサイト作りを
スタートアップが押さえておくべき
SEOの極意、6カ条
山路昇 フォートラベル2008/8/28
これからスタートするWebサイトが押さえておくべきSEO6カ条。SEOで成功したフォートラベルの山路氏が伝授する
SEO対策は後から追加できる“機能”ではありません
Webサービスのスタート時にすべきことは、山ほどあります。今回極意を伝授する、サイトへのアクセスを増やすための手法であるSEO(サーチエンジン最適化)もその1つです。
【関連記事】いまさら聞けない「SEO」入門──検索結果の最適化 |
フォートラベルの設計当初から、ある程度の基本的なSEO対策を考慮しサイトやURL設計、狙いの検索キーワードの設定などを行っていました。
時代はビッグキーワードで上位表示というのがSEO対策で重要視されていましたが、フォートラベルでは、ビッグキーワードだけではなく、ロングテールにもこだわりました。
SEO対策をスタートアップの設計時に行ったおかげで、立ち上げたばかりのサイトにもかかわらず、検索エンジンの検索結果からの流入によって、多くのアクセスを得ることができました。
これまでフォートラベルというサイトを運営するうえで、実体験に基づいた、SEO対策の重要性とサイト設計についてまとめました。
これからサービスを立ち上げる方にぜひ参考にしていただければ幸いです。
設計当初からSEOを考慮したサイト設計に
サイト設計をするうえで、SEO対策が、いまでは当たり前のように、重要視されています。しかし「まず立ち上げて、落ち着いてからSEO対策」という話も、しばしば耳にします。
この場合、SEO対策が機能追加案件の1つとして考えられているのかもしれません。
当初からSEO対策を行っていれば、立ち上げ後、知名度の低いサイトであっても、検索エンジンに登録されれば、結果への反映直後から検索エンジンからある程度のアクセスを得ることができます。
しかし、後々SEO対策を行った場合、対策を行ってから結果が出るまでは機会損失になります。
そのうえ、余計に変更作業が発生するだけでなく、当初作ったページのURLとSEO対策後のURLが混合したりするため、SEO対策の効果にマイナスに働きます。
よって、特にURLの設計など、初めの設計段階からある程度のSEO対策を行うようにしましょう。
→設計当初からSEOを考慮したサイト設計にすべし
検索エンジンに登録してあるか
最初にサイトマップの作成や、検索エンジンに登録を行いましょう。その後も、サイトを立ち上げた後、SEO対策の結果が出るまで、待つばかりでは機会損失になります。
サイトのSEO対策だけでは、検索エンジンの検索結果の上位に表示することができません。
いろいろなリンク集に登録するためのノウハウが書かれた書籍や、サイトもありますが、無意味だったり、逆にマイナスの場合もありますので、十分に気を付けてください。ある程度のお金を掛けることが可能な場合は、Yahoo!ビジネスエクスプレスなどを利用するのも有効です。
登録したい2大検索エンジン |
Google Yahoo! JAPAN |
→検索エンジンに登録をすべし
ロングテールも狙う
サイトを設計するうえで、SEO対策を行うページは大きく分けて2種類あります。
- 本来アクセスして使ってほしいページ
- 通常のページではSEO対策し切れないキーワードなども含めたページ
前者の方は、設計段階から十分に考え実装する必要があります。後者は、これによって得られる効果は、サイトの内容などによって変わってきます。前者の状況を見ながら後から追加で作成していくことがいいと思います。
検索キーワードなどの、ユーザーの違いに合わせて作る入り口ページこそが、真の検索エンジンからのランディングページです。
弊社のケースでは、海外や日本の地名など多くの旅行にかかわるキーワードがニッチキーワードとなって多くのユーザーをサイトに運んでくれました。みなさんも、ロングテールをねらえるニッチキーワードのイメージをイメージを持ちましょう。
→ねらいのロングテール像を持つべし
過度なSEO対策は無意味。基本的な対策のみでいい
数年前は、数カ月置きの検索エンジンのアルゴリズムの変更により、検索エンジンの結果が大きく変わり、検索結果でアクセスが大幅に割り込んでしまうことに一喜一憂する時代でした。
その結果、多くのサイトが無茶苦茶なSEO対策を行ったことや、スパムサイトのまん延もあり、検索エンジンのアルゴリズムはよりいい検索結果を出すために日々進歩し、簡単には上位表示をさせることが困難になりました。
過度にSEO対策を行って大幅に順位が上下することより、基本的なSEO対策をすることの方が長期的に見れば効果的です。
→過度なSEO対策はやめるべし
SEO対策だけではなく、中身のあるサイト作りを心掛ける
SEO対策用のページを作った分だけ、アクセスが集まる可能性は広がりますが、予定外の影響を及ぼすこともあります。
まず1つは、SEO対策用のページを大量に作ったために、ページのリニューアルなどで、関連するページが多くて変更範囲が多くなったり、運用が困難になっていきます。
→利用者に優しい中身のあるサイト作りを
ユーザビリティとアクセシビリティの良いページ作り
SEO対策ばかりに注力したページの多くは、ユーザビリティが悪くなりがちです。運よく検索エンジンで上位表示できたとしても、そういうランディングページに検索エンジンから訪れた直帰率、離脱率が高くなり、こういうページが多い場合、せっかくアクセスしてもらっても逆効果です。1人当たりの平均ページビューが悪くなり、ひいては検索結果の順位にも影響します。
→利用者に愛されるためのユーザビリティの向上を
以上、スタートアップが押さえておくべきSEO6カ条をお伝えしました。いかがでしょうか? まずはここれだけ押さえていただいて、順調なスタートを切った後も、アクセスアップを目指して工夫をしていきたいものですね。
スタートアップが押さえておくべきSEOリスト | ||||||||||||
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著者プロフィール 山路昇(やまじ・のぼる) フォートラベル取締役 マイトリップ・ネットで「旅の窓口」の開発を担当。楽天(株)に転職後、楽天トラベル(株)に出向しシステムプロデュース部部長に就任。2005年にフォートラベル(株)に転職後、同社の取締役に就任。個人的なブログもあります。 |
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