ユーザー自らDB連動型のWebアプリを作る
Web 2.0アプリ自動生成ツール“Tuigwaa”
四次元データ西岡 悠平/染田 貴志
2006/6/23
次に、これらの情報の特性として、属性が都度変わる、情報自体をいますぐ集めたい、といったニーズから、通常のシステム構築のフローにはそぐわないケースが多い点も挙げられるでしょう。
経営に必要な情報のIT化は声高に叫ばれ加速していく一方で、現場で必要とされる情報のやりとりを改善する手段はなく、Webアプリケーションによる効率化はいつまでも望めないのでしょうか?
■ユーザー自ら、Webアプリ化に立ち上がる
前項の最後で述べたように、予算的な問題、時間的な問題、その情報の特性といった点から、通常のユーザーが開発者とやりとりをしてシステムを構築するという「やり方」自体が、現場ニーズのシステム化にはうまくマッチしない部分があります。では、
ユーザー自身がシステムを構築する
という「やり方」ではどうでしょうか。まず予算的な観点では、開発費用は発生しませんし、そもそもユーザーの人件費自体は情報収集のどのような手段を取るにせよ必要ですので変わりません。次に時間的な観点ですが、こちらも同様で、第三者を介さないことにより、同等か、あるいは短くすることが可能です。情報の特性が都度変わる場合でも、ユーザー自身で改変できれば問題にはなり得ません。つまりこの「やり方」を実現できれば、現場をIT化することが可能となるはずです。
ではこの「やり方」はそもそも実現可能なのでしょうか。答えは“Yes”です。すべてのアプリケーション分野でユーザー自身がシステムを構築することが可能かというと、いまだ難しい分野は多々あるでしょう。しかし、例として挙げたような情報のやりとりを効率化し得るWebアプリケーションであれば実現が可能です。その根拠となる技術的、および社会的な背景は以下のとおりです。
まず技術的な側面で見ると、サーバサイドにおいては、フレームワークの高度化により、開発者がそもそもプログラムを記述する部分が大幅に減じられ、また実行プログラムの自動生成技術などが十分に発展してきたという点、クライアントサイドにおいては、Ajaxに代表されるような技術によりブラウザがリッチクライアントとしての表現力を備え、ユーザーに対して易しいインターフェイスを提供できるようになった点が挙げられます。
次に社会的な側面で見ると、非技術者のITリテラシーの進化が挙げられます。一昔前に比べるとPCを利用しているユーザー数は格段に増加しており、特に技術系の職種でなくとも、オフィスアプリケーションを利用することが日常的になっています。同様にWebアプリケーションにも十分に慣れ親しんでおり、「感覚として」Webアプリケーションを理解しているといった状況ではないでしょうか。
これらの状況から、「感覚として」Webアプリケーションを理解しているユーザーと「論理的」なシステムの間を「易しいインターフェイス」で埋め、そのインターフェイスからの入力によりサーバサイドで実行プログラムを「自動生成」することが可能と考えられます。
またブログの隆盛を見ても分かるように、「インターネット上で日記を公開する」という行為がここまで一般に認知され、かつ非技術者へ門戸を大きく開くことになったのは、「Movable Type」に代表されるブログエンジンと呼ばれるツールが果たした役割は非常に大きいと思います。これと同様に、「データベースと連動するWebアプリケーションを作る」という行為は、それを可能にするツールが整備されれば、それに対するニーズは潜在的に大きいと考えられるため、十分に一般化するものと考えられます。
さて、そのようなツールを利用することにより、現場での情報のやりとりを非技術者のユーザーが自らシステム化し、管理することによって、ボトムアップで業務効率の改善ができるのではないでしょうか。
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ユーザー自らDB連動型のWebアプリを作る Web 2.0アプリ自動生成ツール“Tuigwaa” |
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Page1 いつまでもWebアプリ化されない現場 |
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Page2 ユーザー自ら、Webアプリ化に立ち上がる |
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