Windows 2000 Insider 編集後記 2001年6月

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あれから1年

 今ご覧の@ITがサイトをオープンしたのは2000年5月22日。早いもので、かれこれ1年以上になる。

 分からないことだらけのWeb出版に対し、最初は不安でいっぱいだった。このあたりの心境については、プレオープン時のEditor's Noteに記している。この記事では、野球の守備に例えて、歴史ある紙出版から、新しいWeb出版に移行する心境について述べた。あれから1年。とても「Web出版とはこうだ」などといった断定的な物言いを許される立場ではないし、何よりそこまで断定的に語るほど、確固たるノウハウを会得したわけでもない。しかし、漠然とではあれ、手探りながら1年間続けた経験は身に付いたと思う。またそれなりのスタイルというか、役割分担もできてきた。結論からいって、1年経って出来上がった記事作りのスタイルは、紙出版時代のそれにかなり近いものだった。

 私たち編集者は、自身で執筆した原稿や、筆者原稿を編集し、Wordドキュメントにして校閲にまわす。ここでは、「プロ校」と呼ばれる専任の校正者や、社内の第三者による校閲を行う。弊社デジタルアドバンテージが記事として公開するものについては、その記事の直接の担当者を含め、最低でも社内の2名以上が目を通すことをガイドラインとして取り決めた。ここでWordを使用するのは、修正記録機能を使いたいがためだ。これにより従来は紙に印刷して、赤ペンで修正(朱入れ)を行っていた校閲作業を電子化した。

 Wordを使うからといって、表や図版などの組版要素をワードプロセッサ・レベルで整形するわけではない。修正記録機能を使う以外は、あくまで単純なテキスト・ファイルであり、表や図のキャプション(図に付帯する説明文)、本文中のリンク指定など、すべてはテキストとして指定を入れておく。

 こうして出来上がった原稿テキストから、最終的なWebページに変換する作業は、制作担当の女性の仕事である。さすがに図版類などは専門のイラストレータに依頼しているものの、それ以外のすべての作業、具体的には、画面キャプチャへの丸数字の挿入(私たちのサイトでは、画面イメージに説明用の赤い丸数字を挿入している)、この画面イメージや写真イメージのサイズの縮小(Web用にデータサイズを縮小する)、HTMLエディタによる原稿テキストとこれらビジュアル要素の流し込み、表の作成、ページ・インデックスの作成(各ページの下部に挿入する目次リンク。テキスト・ファイルからページ挿入用のHTMLデータを生成するジェネレータは独自開発)などは、すべて彼女の仕事である。他のサイト運営者の話などを聞くと、編集者がHTMLエディタを駆使して、Webページまで作り上げてしまうというケースも少なくないようだ。私たちがページ制作自体に手を染めずに済んでいるのは、この制作担当者の器用さによるところが大きい。

 ページ制作が完了したら、編集者が読み直し、制作作業が正しく行われているかどうかを確認する。この際のちょっとした文字直しなどは、編集者が自らHTMLエディタを使って行う。後は、出来上がったWebページをWebサーバに転送すれば作業は終了である。

 とりあえず、以上の工程を繰り返しながら、毎日の記事作りを何とかこなしている。しかし、紙出版時代と比べると、決定的に欠落しているものがある。それはデザイナー不在だ。私たちの記事作りの現場には、ページ全体をデザイン的な観点からコーディネートするデザイナーがいない。このため、定型化されたデザイン処理で対応できない、イレギュラーが起こったときには、私たち編集者や制作担当の女性が場当たり的に対処している(デザインしている)というのが実情だ。これではいけないと思いながらも、専任のデザイナーを置くほどの作業量でもないし、何より、私たちが扱うような情報系のWebページ(ビジュアル類よりも、文字の情報量が圧倒的なWebページ)のデザインに長けたデザイナーは少ない。HTMLレベルのコーディングなどは、少なくとも今までは、グラフィック・デザイナーの仕事ではなかった。しかし情報系のWebページではこれが不可避である。

 デザイン的に優れたページを、効率のよいHTMLコードで設計できるデザイナーがいたら、自薦他薦を問わず、ぜひともご紹介ください。End of Article

(Windows 2000 Insiderガイド 小川誉久

 

 編集後記

■先ごろ富士通から発売された「ATLAS翻訳パーソナル V1.0」を購入。実績と定評あるATLAS翻訳エンジンを搭載し、個人でも気軽に購入可能な8800円という低価格を実現した待望の日英、英日機械翻訳ソフトである(詳細はこちら)。今まではついついおっくうになって読まずに済ませていた英語のWebページを斜め読みするときには非常に便利。もちろん、機械翻訳ならではの素っ頓狂な翻訳結果もあるものの、全体のトーンはだいだい分かる。分かっちゃいるけど、英語はなかなか、という人にはぜひともお勧めの一本である。(小川

■我が社のブロードバンド戦略――などと大仰な言い方であるが、何のことはない、単にブロードバンド・インターネット回線を導入した、という話である。以前の1.6Mbps SDSL回線(東めた)に続いて、今度はCATVインターネットである 調布ケーブルオンラインも導入してみた。SDSL回線のバックアップ用として使うつもりであり、調子がよければOCNエコノミーはさっさと解約するつもりだ。たかが128Kbps程度に3万円も払っているご時世ではないだろうから。速度は、公称では下り1.5Mbps、上り512Kbpsとのことであるが、ちょっと使ってみた限りでは、東めたほど速度に波はないようである(そういえば東めたはソフトバンクの支援を得たようだが、今後は質が向上してくれるんでしょうかねぇ?)。最高は1Mbps程度だが、遅くても700Kbpsぐらいは出るようだ
。とりあえずは実験的に使っているけど、今後は2つの回線を使って、負荷分散や障害発生時の回線切り替えなどを自動的に行わせようと考えている。さてどうなることやら。それにしても次は光ファイバとか無線も導入してみたいなぁ。 (打越
  ■A.I.を見た。巷ではかなり話題になっているようだが、すっげーつまらん最低な映画だった。まったくの期待はずれだった。なぜあんなもので泣くやつがいるのか不思議だ。これが試写会じゃなかったら暴れてるとこだ。唯一よかったのは映画を見に来た有名人をたくさん見れたことぐらいかな。(遠藤

■先月に続いてマウスのお話ですが、私は(ほかの環境でもそれなりの設定をしてやればできるのでしょうが)Windowsほどマウスなしでほとんどの操作のできるGUI環境もないと思っています。「Alt(+Shift)+Tab」は当然ながら、「ミ田+E」や「ミ田+D」(「ミ田」はWindowsキーのつもり(^^; )何かも使いこなせば、キーボードだけでほとんどの操作はすんでしまいます。しかも、慣れれば断然効率的。と、強がってはいたのですが、やはりWebでリンクをたどるときに、いちいちTabで飛ぶのは面倒ですし、ましてやPowerPointで資料を作るのなんてひと苦労です。というわけで、去年の9月ころに買って、初期不良でタッチパッドがきかなかったノートパソコンをやっと修理に出しました。ノートにすっかり依存してしまっていて、ないと何かと不便です。早く帰ってこいよー(井口

■夏企画第1弾!友達と神宮球場に野球観戦に出かけた。今回のゲームは頂上決戦ということもあり、すごい人である。途中ビールとおつまみを買い、一路球場に。席に着いてみると、お昼の暑さとはうって変わって、心地よい風が吹いていた。夕涼みには最高である。こういうのもいいなぁと思いつつ、いざ野球観戦!大騒ぎしている友達に挟まれ、他チームファンの私も一緒に大騒ぎ。ホームランも何本か飛び出し、なかなか見ごたえのある試合だった。次回の夏企画第2弾、何にしようかなぁ。(銭高)
 

 Windows 2000 Insider STAFF

   
 
ガイド(編集人・編集長) 小川 誉久
タイトル
デザイン
谷原 正則
ガイド(副編集長) 打越 浩幸
制作
河本 茂美
構成エディタ 塩田 紳二
編集 井口 圭一
銭高 順
編集・著作 Digital Advantage
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