Windows HotFix BriefingsWindows 2000 Service Pack 4日本語版登場―― 既存の修正プログラムがメイン、新機能はほとんど含まれず ―― DA Lab Windowsセキュリティ2003/07/09 |
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日本語版Windows 2000 Professional/Server/Advanced Server向けのService Pack 4(以下SP4)が2003年6月26日に公開された。前回のService Pack 3(SP3)の公開(2002年8月9日)から1年弱経過している(SP3については「Insider's Eye―速報:Windows 2000 Service Pack 3 日本語版がついに登場)。Windows 2000の後継OSとして、すでにクライアント向けのWindows XP Professionalと、サーバ向けのWindows Server 2003の販売が開始されていることもあり、今回のWindows 2000 SP4では目立った機能の追加はなく、不具合の修正やセキュリティ・パッチが主な修正項目となっている。今後のSPも、このような傾向が続くものと思われる。入手方法やインストール方法などは、従来のSP3などとほとんど同じであるので、本稿では、SP4の概要について簡単にまとめておく。
インストール対象OS |
Windows 2000 Professional |
Windows 2000 Server |
Windows 2000 Advanced Server |
Windows 2000 Datacenter Server(SP4への更新にはOEMの協力が必要) |
Windows 2000 with Server Appliance Kit(いわゆるWindows Powered NAS) |
Small Business Server 2000(SBS 2000) |
Windows 2000 Service Pack 4のサイト |
Windows 2000 Service Pack 4のダウンロード画面。SP4のダウンロードやCD-ROMの注文、各種ドキュメントの参照が行える。 |
SP4の入手
SP4の入手も従来と同様に、SP4のダウンロード・ページ(SP4のWebページ)や実費負担によるService Pack CD-ROMの注文(税込み1,050円)、もしくはTechNet CD サブスクリプション/MSDN サブスクリプションなどによって入手することができる。
インストール方法についても、従来と変わりなく、Webページ(SP4のダウンロード・ページ)からのインストールでは、「高速インストール(必要なモジュールだけを段階的にダウンロードし、順次インストールする方法)」と「ネットワークインストール(全ファイルを一括ダウンロードし、インストールする)」の2つを選ぶことができる。SP4のファイル・サイズは約132Mbytesであり、ブロードバンドが普及した現在では、一度にダウンロードして、インストールする方が望ましいだろう。あらかじめファイルをすべて展開してCD-Rに書き込んだり、ファイル・サーバ上に(あらかじめ展開して)格納したりしておけば、多数のクライアントへの導入作業などが容易に行える。
また以上のような個別のダウンロード以外に、Windows Updateを使った自動インストールも利用できる。[スタート]メニューから[Windows Update]を実行すると、インストール可能な項目として、「Windows 2000 SP4」が表示されるので、これを実行してもよい(これは「高速インストール」と同じ)。
SP4のインストール
SP4のインストール方法も従来のService Packと同様である。ダウンロードしてきたファイルを直接実行してもよいし、何度も利用するのなら、1度展開しておいてから(「W2KSP4_ja.EXE /x:フォルダ名」で展開できる)、\i386\Updateフォルダにあるupdate.exeを起動すればよい。以前のSPと同じく、統合インストール(あらかじめSP4を統合したインストール・イメージを作っておいてOSのインストールを行う方式)なども利用できるが、詳細についてはここでは特に触れないので、以下に示すSP4の付属ドキュメントなどを参照してほしい。
SP4の概要と修正点の一覧
SP4の概要やインストール方法、インストールにあたって注意すべき点、修正点の一覧などの情報は以下のサポート情報ページにまとめられている。今回のSP4は、バグの修正などがメインであり、以下の一覧表には約670個もの修正点が列挙されている。
SP4における新機能としては、IEEE 802.1x(ワイヤレス)認証プロトコルとUSB 2.0 EHCI(Enhanced Host Controller Interface)ホスト・コントローラのサポートが挙げられる。USB 2.0はWindows XPではすでにサポートされていたが、Windows 2000ではこのSPから標準サポートとなる。USB 2.0を利用するためには、上記のReadmeファイルに記述されている手順に従って、インストールされているドライバの確認および更新を行っていただきたい。
以上のようにSP4は、不具合の修正やセキュリティ・フィックスがメインであり、新機能はほとんど含まれていない。そのため、特にシステムに不具合がなければ今すぐに導入する必要はないだろう。だがいままでのSPなどと同様に、今後のセキュリティ・フィックスは最新のSPを前提として提供されるようになるだろう。そのため、最終的にはSP4環境へ移行することを考慮しておいた方がよい。ただしすでにいくつか不具合なども報告されているようなので(「Windows 2000 Service Pack 4 リリースノート」の「アプリケーションの互換性」の項や「Errors Occur When You Use a .NET Framework 1.0-Based Program on a Windows 2000 Service Pack 4-Based Terminal Server」などを参照)、導入に対しては十分なテストを行うのが望ましい。
SP4適用後のシステム |
SP4をインストールすると、バージョン表記が「Service Pack 4」となる。オリジナルのWindows 2000に含まれているIE 5.01は、IE 5.01 SP4となる。 |
なおSP4の提供に合わせて、サーバ用の管理ツール・パッケージ(adminpak.msi)やサポート・ツールなどもSP4向けに更新されているので、これらのツールを導入している場合は忘れずに更新しておこう。サーバ用管理ツールについては「TIPS―サーバ用管理ツールをクライアントPCにインストールする」を参照していただきたい。
SP4向けセキュリティ修正プログラム
SP4には、SP4出荷時までに提供されていた数多くのセキュリティ・フィックスも含まれている。以下のサポート技術情報に掲載されたもの(30件弱)はすでにSP4に含まれているため、SP4を適用すれば、ユーザーが個別に適用する必要はない。
SP4ではMicrosoft VMは更新されない
SP4には、Microsoft VMに関する修正プログラムは含まれていない。そのため、SP4をインストールしてもMS03-011(Microsoft VMの問題により、システムが侵害される)の修正は行われない。これについてはWindows Updateを使って手動でMS03-011の修正プログラムをインストールする必要がある。
SP4に含まれないセキュリティ修正プログラム
SP4のリリース後、すでにいくつかのセキュリティ修正プログラムが公開されている。以下のものはSP4には含まれていないので、SP4適用後に、さらにWindows Updateなどを使ってユーザーが適用する必要がある。
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Windows 2000 の既定のアクセス権により、トロイの木馬プログラムが実行される(MS02-064)
(※注―これは修正プログラムではなく、管理者による再設定作業などが必要な、セキュリティ設定のためのガイドライン) -
Windows Media サービスの ISAPI エクステンションの問題により、コードが実行される(MS03-019)
以上の情報はSP4のリリース・ノートからの抜粋だが、次のページには必要な修正プログラムがまとめられ、随時追加、メンテナンスされている。通常はWindows UpdateやこのWebページの情報などを参考に修正プログラムを適用するとよいだろう。
SP4のドキュメントと一致していないセキュリティ修正プログラム
以上で述べたセキュリティ修正プログラムに関する情報は、すべてSP4の公式なドキュメント(サポート技術情報やSP4のリリース・ノートなど)に記載されているものである。だが内容にいくらかミスがあるのと、新しい修正プログラムの提供などですでに実情に合わなくなっている部分があるので、それらについて補足しておこう。
■修正リストの欠落
SP4の実際のファイルの内容に基づいて調査した結果、以下の修正項目が(SP4付属ドキュメントの)修正一覧から抜けている。いずれもSP4に該当する修正が含まれている。
■Windows Media Player用の累積的な修正プログラム(MS02-032)
これはWindows Media Player(WMP)6.4および7.1向けのセキュリティ修正プログラムである。だがSP4には、WMP 6.4向けの修正プログラムのみが含まれており、WMP 7.1(のモジュール)に対する修正プログラムは含まれていない。そのため、WMP 7.1を利用しているか、WMP 7.1をインストールした場合は、MS02-032を手作業でインストールする必要がある。
■Outlook Express用の累積的な修正プログラム(MS03-014)
これはOutlook Express(OE) 5.5/6.0向けの修正プログラムであるが、SP4のドキュメントにはこれに関する記述はない。実際には、IE 5.01 SP3/4もしくはIE 5.5 SP2のいずれの場合でも(これらには OE 5.5が含まれる)、SP4を適用すれば、MS03-014の適用は不要である。しかしIE 6.0 SP1向けのMS03-014はSP4には含まれていないので、ユーザーが自分でMS03-014をインストールする必要がある。
■Windows Media サービスの ISAPI エクステンションの問題により、コードが実行される(MS03-022)
これはMS03-019の置き換え版である。先の「SP4に含まれないセキュリティ修正プログラム」でMS03-019を取り上げたが、実際には、MS03-019の修正プログラム(と等価なモジュール)がSP4に含まれているので、MS03-019を個別に適用する必要はない。しかし、MS03-019はすでにMS03-022に置き換えられているので、最終的にはMS03-022を適用する必要がある。
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