Insider's Eye

マイクロソフト、日本語版Windows 2000の発売日、価格、マーケティングプランを正式発表(1/2)

―― 雑誌付録などで総計200万コピーのRC2を配布、このRC2版から製品への廉価アップグレードパスも用意 ――

デジタルアドバンテージ
1999/11/25

 11月25日、マイクロソフトは、国内のリセラーやPCシステムベンダ、周辺機器ベンダ、アプリケーションベンダなど向けに開催した「Microsoft Windows 2000 Marketing Day」において、Windows 2000パッケージの発売日やパッケージ価格、詳細なマーケティングプランを発表した(マイクロソフトのニュースリリース)。以下は、同日付けでマイクロソフトが発表したニュースリリースに加え、このMarketing Dayの参加者からの情報を整理したものである。

日本語版Windows 2000の発売日は2000年2月18日、世界同時リリース

 このニュースリリースによれば、Windows 2000のクライアント向けパッケージであるWindows 2000 Professional、小中規模サーバ向けパッケージのWindows 2000 Serverの2つは、米国での発表同様に「早期評価顧客からの品質に関するフィードバックに左右される」と前置きしながらも、2000年2月18日を発売予定日とすることが明らかにされた。中規模〜大規模サーバ向けパッケージであるWindows 2000 Advanced Serverについては、これらのパッケージが発売されてから、約2週間後に発売される予定だとしている。

 別稿でも述べているとおり、すでに米国では、Windows 2000の発売日が2000年2月17日と発表されており、これに1日遅れで日本語版が発売されることになる。ただし日付としては、米国の翌日だが、時差を考えれば、ほぼ日米同時発売である。ヨーロッパ地域においても、一部の国を除き同時期に各国のローカライズ版が発売される予定になっており、Windows 2000は、世界的に同時発売されることとなった(韓国など、日本以外のアジア各国では、3月上旬発売予定)。

パッケージ価格は、ほぼWindows NT 4.0なみ。ただしProfessional版の実質的な価格は大幅ディスカウント

 Windows 2000の各パッケージの価格は、基本的に米国での発表に準ずるもので、価格水準は、ほぼWindows NT 4.0の相当するパッケージに等しい(パッケージ価格の詳細はこちら)。米国同様、Professional版については、従来は用意されていなかったWindows 95/Windows 98からのアップグレード パスが追加された(プロダクト アップグレード、2万7400円。以下、価格はすべて推定小売価格)。もちろん、前バージョンであるWindows NT 3.51/NT 4.0からの廉価なアップグレード パスも用意されている(バージョン アップグレード、1万6800円)。Professional版の通常パッケージの価格は、3万8800円とWindows 9xに比較すると高価だが、後述するRC2 プレビュー プログラムのユーザーにバージョン アップグレードの権利が付与されることから、実質的に、発売当初はほとんどのユーザーが1万6800円でWindows 2000 Professionalを入手できることになる。

日本独自のパッケージ、Windows 2000 Developerを追加

 アプリケーション開発者、周辺機器開発者、システムソリューション開発者向けとして、Windows 2000 Developerと呼ばれるパッケージが用意されることになった(こちらも発売は2月18日)。これは日本独自に企画されたもので、パッケージ内にはWindows 2000 ProfessionalとWindows 2000 Server、プログラマ向け情報サービスであるMSDNプロフェッショナルの年間サブスクリプションの権利が含まれている。つまりこのパッケージを購入すれば、クライアント サーバ アプリケーションの開発とテストのための環境を構築できることになる。各パッケージを個別に購入する場合に比べると大幅に安価なパッケージであるが、Developerパッケージに添付されているのは、あくまで開発・設計・テスト用のライセンスであり、このパッケージを使って通常の運用を行うことはできない(パッケージ価格の詳細については別稿を参照)。またこのDeveloperパッケージは、2月18日〜6月30日までの期間限定パッケージである。

200万コピーのRC2を12月より順次配布。このRC2版から製品版への廉価なアップグレードをサポート

 Marketing Dayでは、Windows 2000の発売に向けた数々のマーケティング戦略が発表された。しかしユーザーにとって最もインパクトが大きいのは、Windows 2000のRC2版が大量配布されるというプランだろう。ニュースリリースによれば、「12月1日(木)より、Windows 2000 RC2版をパソコンショップなどで配布を開始」し、同時に「12月発売の主要パソコン専門誌にRC2を添付」することで、総計約200万コピーのRC2を配布するとしている。そして注目すべきは、このRC2を入手し、マイクロソフトが用意するWindows 2000サポートWebサイト上でユーザー情報を登録することにより、「早期評価の特典として、Windows 2000製品版へのバージョン アップグレードの権利を提供する」という部分である。つまり、雑誌の付録CD-ROMとして大量に提供されるRC2版を入手し、Webでユーザー情報を登録すれば、だれもが「Windows NT 3.51/NT 4.0ユーザー」相当の権利を入手できることになり、廉価なバージョン アップグレード版を購入して、Windows 2000製品版に移行できるようになる。約200万という圧倒的な数と、雑誌付録という身近な媒体が活用されることを考えると、ほとんどのユーザーがバージョン アップグレード価格で製品を購入できることになるだろう。

[追加情報 2000.1.31]その後の詳細情報により、この特典を行使できるのは、Windows 95/Windows 98の正規ユーザーのみということが分かりました。誤解を招く表現があったことをお詫びして訂正させていただきます。なお、詳細は別稿の「Insider's eye:マイクロソフト、RC2登録特典を利用したWindows 2000 Professionalの購入方法を公開」を参照してください。

 ニュースリリースには、雑誌付録としてどのパッケージが添付されるか、具体的にバージョンアップできるパッケージは何かといった記述はないが、Marketing Dayの参加者によれば、180万コピーはPC雑誌に添付されるもので、これにはWindows 2000 Professional RC2(PC/AT互換機用 x86版)が収録される。そして10万コピーはムックに添付され、こちらにはProfessional(PC/AT互換機用 x86)に加え、Windows 2000 Server RC2(PC/AT互換機用 x86)が収録されるという。ただし上記バージョン アップグレードが適用されるのはProfessionalだけで、Server版には適用されない。またバージョン アップグレードが適用されるのは、2000年4月30日購入分までの期間限定との説明があったようだ。

NT 4.0の後継ではなく、「新世代のWindows」を強調

 Marketing Dayのセッションの中で、マイクロソフト社システム製品統括部長の板東直樹氏は、Windows 2000の出荷前後のマーケティングプランを発表した。ここでまず板東氏は、Windows 2000の製品メッセージを「使いやすさと高い信頼性を両立させた新世代のWindows」だと述べた。Windows 2000のカーネルは、NT 4.0のそれに改良を加えたものであることから、事情通のパワーユーザーの間などでは、「Windows 2000はNT 4.0の後継OS」と位置づけられ、一部の管理者向けOSであるとの認識が強い。しかし同社が行ったマーケット調査によれば、多くのエンドユーザーは、Windows 2000を単に「新世代のWindows」として捉えており、両ユーザーの間で大きな意識のギャップがあることが指摘された。板東氏は、「Windows 2000では、ノートPCサポートやデバイスサポート、電源管理機能などが大幅に強化されており、NT 4.0が主要なターゲットとしていたIT管理者や一部のパワーユーザーだけでなく、個人ユーザーや経営者層のユーザーにも積極的にWindows 2000を販売していきたい」と述べた。前述の製品メッセージは、こうしたマーケット戦略を象徴するものである。

 12月のRC2雑誌添付のタイミングより、急激に増加するであろうWindows 2000 RC2ユーザーの登録と、サポート情報を提供するために、マイクロソフトはWindows 2000のオフィシャルWebサイトを構築し、ここでさまざまなサポート情報を提供していくとしている。また登録ユーザーに対しては、週1回の電子メールでWindows 2000関連の最新情報を提供していくとしている。

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  関連リンク
  「Microsoft Windows 2000」日本語版 2000年2月18日(金)に発売(マイクロソフト)
     
   
     

 更新履歴

【2000/01/31】(お詫びと訂正)「200万コピーのRC2を12月より順次配布。このRC2版から製品版への廉価なアップグレードをサポート」の見出し部分において、雑誌付録に添付されるWindows 2000 Professional RC2を入手し、Webサイトで登録さえすれば、廉価なバージョン アップグレード版を購入できると表記しましたが、その後の詳細情報により、この特典を行使できるのは、Windows 95/Windows 98の正規ユーザーのみということが分かりました。誤解を招く表現があったことをお詫びして訂正させていただきます。なお、詳細は別稿の「Insider's eye--マイクロソフト、RC2登録特典を利用したWindows 2000 Professionalの購入方法を公開」を参照してください。
 
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