Insider's Eye

Windows XPの新ユーザー・インターフェイスに異状あり

2.DesktopXの構成概念

山崎俊一+デジタルアドバンテージ
2001/04/19

 Stardock社は、次のような図で、そのデスクトップ概念を説明している(DesktopXのホワイト・ペーパーより。Stardock社が公開しているDesktopXのホワイト・ペーパー)。

DesktopXの基本構造
DesktopXオブジェクトは、相互に、あるいはOSとの間でWindows自体のメッセージを交換するモデルが採用されている。

 このホワイト・ペーパーより、DesktopXをひと言で言えば、次のようになる(「 」内は前出のホワイト・ペーパーより引用し、筆者が日本語訳したもの)。

「子ウインドウのサズクラスとしてオブジェクトの階層を構成するもの」

 デスクトップ上のDesktopXオブジェクトは、一見するとアイコンや文字列のように見えるかもしれない。しかし、それらはすべてDesktopXの子ウィンドウで、DesktopXがメッセージを管理している。それぞれにプロパティやメソッドを備えていて、メッセージにより機能する。そうすることで、「デスクトップ」は、Live Object(生きたオブジェクト)の世界になる、と言うのだ。

「DesktopXオブジェクトは相互に、またOS自体との間でメッセージを交換する。Stardockは固有メッセージを交換し合うサードパーティ・ソフトウェアという独自モデルを避け、むしろWindows自体のメッセージングを利用し最適化するモデルを選んだ。この結果、任意のユーザー・プログラムは、適当に定義されたパラメータを添えたメッセージをDesktopXのプロセスに送ることで、容易にDesktopXのオブジェクトにメッセージを送ることが可能になっている」

 これにより例えば、Outlookその他のメール着信をデスクトップ上でユーザーに通知するようなDesktopXオブジェクト(見た目はメール・アイコン)を作成可能になるという。この場合でもプログラミングは不要で、DesktopXの設定画面で機能を実現できるらしい。具体的には、同社のユーザー・インターフェイス記述言語、UISでテーマ中に記述されるのだろうが、XMLでもWSH(Windows Scripting Host)でも記述可能だと同社はいう。

唯一のアイコンから何でもできる

 その結果、極端なケースとしてStardock社のドキュメントは指摘する。

“Some people might only have one DesktopX object sitting on top of Explorer that acts as a super agent for all their system resources and such.(人によっては、ただ1つのDesktopXオブジェクトだけを、エクスプローラ(が支配するデスクトップ)上に置くかもしれない。それは、スーパー・エージェントとして、すべてのシステム・リソースその他を支配することができる)”

 DesktopXについては、かつてMicrosoftが放棄したオブジェクト指向OSプロジェクト“Cairo”との類似が指摘されている。あるいは、すでにXPに触れている方なら、上記と似たような説明を読んだような気がするかもしれない。偶然の一致なのだろうか…。

 たまたま同じ時期に、たまたまMicrosoftもデスクトップ拡張を考えていて、たまたま似たような方法論が採用され、偶然、似たようなコンポーネントがいくつかできてしまった、というだけの話なのだろうか…(このトピックに関連する米WIRsEDの記事「GUIs Just Want to Have Fun」)。

WindowBlinds/DesktopXの入手方法

 WindowBlindsは、CNETなどからダウンロードすることができる(CNETのダウンロードのページ)。ファイル・サイズは約1.4Mbytes。CNETでのダウンロードは265万人以上、日本その他のダウンロードサイトを合計すると400万以上という人気シェアウェアだ。

 WindowBlindsに対応したスキンは、同じくStardock社のホームページから、上端のメニューにある“Skins”をクリックすることで一覧表示し、好みのものをダウンロードできる(WindowBlinds対応スキンを一覧したページ)。あるいは、WindowBlindsの関連サイトで、Windows環境のカスタマイズ全般を扱うポータルサイト、WinCustomizeからもスキンをダウンロード可能だ(WinCustomizeのホームページ)。

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  関連リンク
  id Software社のホームページ (id Software社)
  LiteStepのホームページ、日本語ページはこちら(LiteStep)
  DesktopXのホワイト・ペーパー(Stardock社)
  「GUIs Just Want to Have Fun」の記事(WIRED社)
  WindowBlindsのダウンロードのページ(CNET)
  WindowBlinds対応スキンを一覧したページ(Stardock社)
  WinCustomizeのホームページ(WinCustomize)
  DesktopXのホームページ(Stardock社)
  2001年4月16日付けの「WindowBlinds XPベータ版配布」に関するニュース・リリース)(msdn business connection)
     

 INDEX
  [Insider's Eye]Windows XPの新ユーザー・インターフェイスに異状あり
    1.いわゆるスキンについて
  2.DesktopXの構成概念
    3.恐い物見たさでインストール
 
「Insider's Eye」


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