[運用]
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標準ツールのみで管理を行う
Hyper-Vの管理作業はHyper-Vマネージャを用いた手作業が基本となるが、WMIインターフェイスも数多く提供されているため、定常的な繰り返し作業はスクリプト化すると効率的である。
■WMIによる管理
Hyper-V関連のWMIプロバイダに関する情報は、以下のMSDNのサイトに掲載されている。
- Using the Virtualization WMI Provider(マイクロソフト MSDN)[英語]
以下に簡単な操作を行うスクリプトを挙げる。
- 仮想マシンの構成情報を表示する(GetVMinfo.vbs)
<使用方法>
cscript GetVMinfo.vbs
- 仮想ネットワーク情報を表示する(GetNetworkinfo.vbs)
<使用方法>
cscript GetNetworkinfo.vbs
- 稼働中のすべての仮想マシンをシャットダウンする(ShutdownVM.vbs)
<使用方法>
cscript ShutdownVM.vbs
- すべての仮想マシンを開始する(StartVM.vbs)
<使用方法>
cscript StartVM.vbs
- 仮想マシンのスナップショットを取得する(TakeSnapShot.vbs)
<使用方法>
cscript TakeSnapShot.vbs <仮想マシン名>
- 仮想マシンをエクスポートする (ExportVirtualSystem.vbs)
<使用方法>
cscript ExportVirtualSystem.vbs <仮想マシン名>
<エクスポート先>
スクリプトでHyper-Vを管理する |
定常的な繰り返し作業はスクリプト化すると管理作業が楽になる。 |
上記のスクリプト(引用元を示したものを除く)は、下記のサンプル・スクリプトのリンクをクリックしてダウンロードできるようにしてある。スクリプトを確認し、管理の参照にしていただきたい。ただしこれらのスクリプトは、あくまでサンプルであり、筆者・編集部とも動作を保証するものでないことを了承のうえ利用していただきたい。
- サンプル・スクリプト:samplescript.zip(@IT Windows Server Insider)
WMIプロバイダの情報を見れば、上記のスクリプトは一例にすぎず、さまざまな操作が実行可能であると分かるだろう。例えば、仮想マシンの状態を定期的にチェックするスクリプトを作り込むことで監視の仕組みを実現する、またはバックアップの前処理としてデータ領域のVHDディスクのみアンマウントするといったことも可能だ。以下にスクリプト作成に参考となるサイトを紹介しておく。
- Hyper-V WMI - Startup-Shutdown-Recover/Snapshots/Error Messages(Virtualization Team Blog)
- Virtual PC Guy's Web Log
- Ravikanth Chaganti’s Web Blog
SCVMM(System Center Virtual Machine Manager) 2008とは
Hyper-VマネージャやWMIプロバイダを用いたスクリプトでの管理によって、基本的な運用・管理作業はたいてい行えるが、時間経過とともに物理マシンや仮想マシンが増大すると作業が煩雑になってくる。また、すでに「System Center Operations Manager」を用いてサーバ環境の統合管理を行っている場合には、仮想化環境も連携して管理したいというニーズも出てくるだろう。これらの課題を解決する製品が「System Center Virtual Machine Manager 2008」である。
2008年11月1日、待望されていたHyper-Vに対応した「SCVMM 2008」が正式リリースされた。既存の仮想化環境にSCVMM 2008を導入することで、1つの管理コンソールから、Virtual Server 2005 R2 SP1、Hyper-V、VMware ESX Serverを統合的に管理できるようになる(サポートされるバージョンは、VMware Virtual Center 2.0.1/2.5、VMware ESX Server 3.0.2/3.5/3i)。これらの仮想化環境が混在している場合や、仮想マシンをテンプレートに従って頻繁に作成する必要がある場合には、非常に運用効率を高めてくれる製品である。SCVMM 2008のアーキテクチャや詳細については「仮想化環境を効率よく管理する『System Center Virtual Machine Manager 2008(SCVMM)』の概要」を参照していただきたい。
本稿では、Hyper-Vの標準機能で可能な運用・管理方法について解説したが、既存サーバをHyper-V環境に移行する場合やキャパシティ管理を行いたい場合などにおいてはSCVMM 2008を導入する必要がある。本連載では、P2V(Physical to Virtual:既存の物理マシンを仮想マシンに移行する機能)とV2V(Virtual to Virtual:Hyper-V以外で作成された仮想マシンをHyper-V上に移行する機能)の変換機能、インテリジェント配置(SCVMM 2008で管理されているホストマシンのパフォーマンスをプロセッサの使用率、空きメモリ、ディスクI/O、ネットワーク使用率の4項目で判定し、仮想マシンを配置するのに最適なホストマシンを示す機能)に注目し、Hyper-V側からSCVMM 2008の機能を見ていく予定だ。これらの詳細な解説については、次回以降、順次紹介していく。
INDEX | ||
[運用] Hyper-V実践サーバ統合術 | ||
第2回 Hyper-Vゲスト環境管理法 | ||
1.ゲスト環境を効率よく管理する方法 | ||
2.標準ツールによる管理方法 | ||
運用 |
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