運用
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ここまでで、IISのインストールと動作確認はできたが、最低限のコンポーネントしか組み込んでいないにもかかわらず、これだけではセキュアなWebサーバとはとてもいえない。デフォルトのWindows 2000 ServerのIISのままでは、IISを構成する各種のモジュールに脆弱性(セキュリティ・ホール)が残っているし、不要な(狙われやすい)機能が有効になったりしているからだ。Windows 2000 Serverのセットアップが完了したら、次に、製品発売後にリリースされた各種の修正モジュールを適用して、これらの問題点や脆弱性を除去していく。
修正モジュールは、Service Pack(以後SPと表記)、Security Rollup Package(以後SRPと表記)、そして単体で提供されている各種の修正プログラムに分類される。SPやSRPは複数の修正プログラムの集合体であり、まず先にSPとSRPを適用してから、さらにそれらの後で公開された修正プログラム類を個別に適用することになる。
2002年5月の時点では、SPの最新版は2001年6月1日にリリースされたSP2で(詳細については「Windows 2000 Service Pack 2 日本語版」のページを参照。ここから直接ダウンロード・インストールすることも可能)、それに加えてSRP1がリリースされている。そのため順序としては、まずSP2をインストールし、続けてSRP1をインストールすることになる。Service Packの情報については「Microsoft Service Packs」のページからもたどることができる。
SP2を適用するには、以下の3種類の方法がある。
- Windows Updateを使用する。
- 「Microsoftダウンロード センター」で、「Windows 2000 Service Pack 2 x86 Express Install (高速インストール)」を選択する。もしくは、「Windows 2000 Service Pack 2 日本語版」のページで「Windows 2000 SP2 高速インストール」を選択する。
- 「Microsoftダウンロード センター」で、「Windows 2000 Service Pack 2 x86 Network Install + Symbols (ネットワークインストール)」を選択する。もしくは、「Windows 2000 Service Pack 2 日本語版」のページで「Windows 2000 SP2 Windows 2000 SP2 ネットワーク インストール」を選択する。
このうち「1」と「2」の場合、最初にインストーラだけがダウンロードされ、更新が必要なファイルを検索してから、必要なファイルのダウンロードとインストールが実行される。そのため、不要なファイルまでダウンロードすることがないが、複数のコンピュータにSP2を適用する際には、コンピュータごとにいちいちダウンロードが行われるので、むしろ面倒になる。
それに対し「3」では、すべてのファイルをまとめた「W2KSP2.EXE(サイズは105Mbytes)」という単体のファイルをダウンロードするという違いがある。ダウンロードしてきた「W2KSP2.EXE」を実行すると、アーカイブされているファイルが展開・検証された後、SP2がインストールされる。インストールが終了すると、Windows 2000が再起動される。
Service Pack 2に続いて、次はWindows 2000 Security Rollup Package(SRP)を適用する。SRPは、次々と公開される(Windows 2000用の)セキュリティ・パッチを集めて1つのインストール・モジュールにまとめたものである。SRPは、Service Packよりも短い間隔で、セキュリティ対策を目的として定期的にリリースされることになっている(とはいうものの、原稿執筆時点(2002年5月現在)ではまだ1回しかリリースされておらず、当初提供される予定であったSRP2は、次期のWindows 2000 Service Pack 3の発表が近いことからキャンセルとなっている)。これを適用することにより、それ以前に発表されている修正プログラムを1つずつ適用しなくても、一度でパッチを当てることができる。もっとも、そのあとも修正プログラムはリリースされ続けているので、後述するように、さらに追加の修正プログラムを適用する必要がある。
SRP1の提供開始日付は2002年1月30日であり、先に紹介した「Microsoft Service Packs」で検索できる。ここでWindows 2000関連のソフトウェアを検索するか、ダウンロード・ページの「重要なアップデート」にある「Windows 2000 Security Rollup Package, 2002 年 1 月版」を選択して、右上に表示されている「言語の選択」欄から「日本語版」というリンクをクリックしてダウンロードする。
■SRP1のダウンロード
SRP1も、SP2と同様に「高速インストール」と「ネットワーク インストール」が選択できる。両者の違いはSP2の場合と同様だ。ネットワーク・インストールを選択した場合、ダウンロードしてきた「W2KSP2SRP1.EXE(サイズは16.5Mbytes)」を実行するとインストールすることができる。
SRP1のインストール画面 | ||||||
SRP1のインストールもウィザード形式になっている。 | ||||||
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インターネットに接続する際の注意 この矛盾を解決するには、Windows Update実行の際に、IISのサービスを停止させるという方法をとればよい。[スタート]−[プログラム]−[管理ツール]−[インターネットサービスマネージャ]を選択してIIS管理ツールを起動し、[インターネットインフォメーションサービス]−[(コンピュータ名)]−[既定のWebサイト]とツリーを展開する。次に、[既定のWebサイト]上で右クリックし、コンテキストメニューで[停止]を選択すると、IISが停止する([一時停止]ではポート番号80番(HTTPプロトコルのポート番号)が開いたままになるので、[停止]を選択しなければならない)。この操作によって、ポート番号80番がリッスン状態(待ち受け状態)ではなくなる。この状態でWindows Updateを実行し、すべての修正プログラムの適用を終えたあとで、サービスを再開させる(パッチの適用などによってシステムを再起動しても、ずっと[停止]状態のままなので、IISを利用するためには明示的に[開始]を実行する必要がある)。
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Internet Explorerの更新
IISとは直接関係ないが、セキュリティ・ホール対策を行った環境を構築するという観点から、IEも最新版に更新しておく必要がある。Windows 2000 Serverに標準で含まれているIEのバージョンは5.0だが、現在(2002年5月現在)の最新バージョンは6.0となっている。
ASP.NETやWebサービスを運用するために.NET Frameworkをインストールする場合にも、IEは6.0に更新されるので、最初からIEを最新版に更新しておく方が便利だ。
IE 6.0をインストールするには、Windows Updateに接続するか、あるいはIEのホームページ(http://www.asia.microsoft.com/japan/ie/)で配布されているインストール・イメージなどを使用する。なお、IEをWindows
Updateからインストールする際には、そのほかの更新ファイルを同時にインストールできないので、セキュリティ・ホールの修正プログラムより先に、まずIEの更新を済ませておいたほうが効率がよい。SP2やSRP1にはIE
5.0の修正プログラムも含まれているので、既存のIE 5.0用の修正プログラムが先にインストールされたあとに、IE 6.0をインストールし、さらにIE
6.0用の修正プログラムをインストールすることになる。
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