運用
Windows Server Update Services(後編)

5.レポート機能

デジタルアドバンテージ 小川 誉久/DA Lab
2005/08/31


WSUSで追加されたレポート機能

 いま述べた「検出のみ」のレポート機能だけでなく、WSUSでは、パッチの適用状況をさまざまな視点から管理者にレポートするレポート機能が追加された。すでに述べているとおり、レポート機能を持たない以前のSUSでは、MBSAなどを組み合わせなければ、クライアントにパッチが正しく適用されているかどうかを確認するすべがなかった。しかしWSUSでは、WSUS自体の機能として、ネットワークに対するパッチの適用状況を確認できるようになっている。

 ただしこれらのレポート機能にしても、前述の「検出のみ」機能と同様、レポートによって表示される情報は、WSUSクライアントがサーバにアクセスした時点でサーバが取得し、データベースに蓄積した結果を使用している。リアルタイムに収集した情報ではない。

 WSUSは、管理しているWSUSクライアントのパッチ適用状況をパッチ単位、またはコンピュータ単位でレポートできる。さらにそれぞれのレポートは、グループと状態でフィルタできる。状態とは、「インストール」「必要」「不要」「不明」「失敗」といったパッチの承認の状態である。

 レポートを表示するには、WSUSサーバのコンソール・ホーム画面にある[レポート]メニューを実行する。

WSUSサーバ・ホームの[レポート]メニューをクリックしたところ
ここから各種のレポートを表示できる。
  レポートを表示するにはこれをクリックする。
  パッチ単位でレポートするにはこれをクリックする。
  コンピュータ単位でレポートするにはこれをクリックする。
  WSUSサーバとMicrosoft Updateサーバとの間の同期結果をレポートする。
  WSUSの各種設定状況(一覧、印刷用)を表示する。

■パッチ単位のレポート
 特定のパッチに注目して、どのコンピュータでそれが適用されているか、未適用かを調査する場合には、一番上の[更新の状態]をクリックする。すると画面は次のようになる。左側にある[ビュー]を切り替えることで、グループ単位、パッチ単位、状態単位のパッチ適用状況調査が行える。これは次に述べるコンピュータ単位のレポートでも同様だが、WSUSのレポート機能では、グループと状態で一覧をフィルタできるようになっている。

 例えばグループ単位の適用状況を調査するなら、[ビュー]の[コンピュータ グループ]で調査したいグループを指定する。

特定のグループを指定してパッチの適用状況を調査する
特定のグループだけに情報を絞り込む。
  調査したいグループを指定する。
  情報を表示したい承認の状態を指定する。
  を指定したら、このボタンをクリックする。すると、レポートが右側のペインに表示される。
  パッチごとに、各状態のコンピュータが何台あるかが数値で表示される。
  ここをクリックすると、グループ内のコンピュータが一覧される。
  これをクリックすると、別ウィンドウがポップアップされ、そのコンピュータのパッチ適用状況が表示される。

 話が前後するが、[コンピュータ グループ]で[すべてのコンピュータ]を選択し、[状態]をすべてチェックすれば、パッチ単位の適用状況を調査できる。

特定のパッチに注目して適用状況を調査する
特定のパッチに注目して適用状況を調査したければ、すべてのコンピュータ、すべての承認状態を選択する。
  [すべてのコンピュータ]を選択する。
  [状態]をすべて選択する。
  パッチ単位の適用状況。各状態にあるコンピュータの台数が数値で表示される。
  これをクリックすると、のようなグループごとの適用状況が表示される。
  グループごとの適用状況。
  これをクリックすると、特定のグループに含まれるコンピュータ単位の適用状況が表示される。

 ビューの[状態]で注目する項目だけにチェックすれば、その状態にあるコンピュータだけを列挙できる。

■コンピュータ単位のレポート
 特定のコンピュータに注目し、パッチの適用状態を調査するには、レポート・メニューの[コンピュータの状態]を選択する。すると次のように、コンピュータごとに、パッチの適用状況を確認できる。前述したとおり、こちらのレポートでも、グループと状態の2種類で結果をフィルタできる。

特定のコンピュータに注目し、パッチの適用状況を調査する
レポート・メニューの[コンピュータの状態]を選択すると、この画面になる。
  特定のコンピュータに対するパッチの適用状況。各状態のパッチが何個あるのかが表示される。
  ここをクリックすると、詳細なパッチの適用状況が表示される。
  パッチの適用状況。
 

 INDEX
  [運用]Windows Server Update Services(前編)
    1.マイクロソフトが提供するパッチ管理サービスの種類と特徴
    2.WSUSの新機能、機能強化点
 
  [運用]Windows Server Update Services(後編)
    1.WSUSの基本機能
    2.グループ管理機能
    3.クライアントからのアクセス周期と期日指定インストール
    4.パッチを適用しない「検出のみ」機能
  5.レポート機能
    6.同期オプションとアンインストール機能
    7.WSUSサーバのチェーン化とWSUSの注意点
 
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