製品レビュー
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パーティションのミラーリングを設定する
次は保護すべきパーティションのミラーリングを設定する。それには、プライマリ・サーバ側の「ディスク」リソースから、事前に作成しておいたパーティションを選択してグループに追加する。
ミラー・パーティションをグループに追加する |
プライマリ・サーバ側の非管理リソースからミラーリングするパーティションを選択し、グループに追加(移動)する。 |
するとセットアップ用のウィザードが開始される。この過程で、セカンダリ・サーバ側のミラー・パーティションのドライブ名が問い合わせられるので、正しいドライブ名を指定する。これでパーティションが「非管理リソース」からグループに移動される。この後セカンダリ・サーバ側のパーティションは初期化され、プライマリ・サーバ側のミラー・パーティションの内容がコピーされる(従ってセカンダリ・サーバのパーティション指定を間違えると、パーティションの内容が失われてしまうので注意すること)。
ミラー・パーティションの初期化 | |||
グループにミラー・パーティションが移動されると、セカンダリ・サーバ側のミラー・パーティションは初期化され、プライマリ・サーバ側の内容で上書きされる。 | |||
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ここで、セカンダリ・サーバ側のミラー用パーティションは、エクスプローラでアクセスできなくなる。プライマリ・サーバ側がオンラインになっているため、オフラインであるセカンダリ・サーバ側はローカルでもアクセスできなくなるという仕様だ。管理コンソールからオンラインにすることが可能で、こうすればセカンダリ・サーバ側でアクセス可能になるが、その場合はプライマリ・サーバ側が逆にオフラインになり、アクセス不可になる。従って、各サーバに固有の設定を変更する際、それがミラー用パーティションに関係するなら、いったん管理コンソールでオンラインにしてパーティションにアクセスできるようにしてから設定を変更しなければならない場合がある。
フェイルオーバーをテストする
以上で基本的なCSBS2000の初期設定は完了である。ほかのリソースもクラスタ化したければ、同様の方法で希望のリソースをグループに追加していけばよい。1台構成で運用しているサーバから、ごく少ない工数でクラスタ・システムを構築できることがお分かりいただけただろう。
最後に、今回構築したクラスタ・システムで、プライマリ・サーバ(SERVER-01)の電源をいきなり遮断して、フェイルオーバーが正しく機能するかをテストしてみた。電源遮断後に管理コンソールで状態を確認したのが次の画面である。この場合、プライマリ・サーバ(SERVER-01)と管理コンソールの接続はいったん切断される、手動でセカンダリ・サーバ(SERVER-02)に再接続すると、画面のようなクラスタの状態が表示される。SERVER-01がオフラインになり、SERVER-02の「Group01」がオンラインになっていることが分かる。
今回は複雑なデータベース・アクセスやサーバへの負荷などはかけていない単純なフェイルオーバー・テストしかしなかったが、フェイルオーバーによる切り替え処理は非常にスムースで、連続してサーバにアクセスしていない限り、クライアントPCからはほとんど障害が発生したことは分からない。
Webサーバなどでは、ユーザーには障害を発生したことをほとんど意識させることなく、セカンダリ・サーバでサービスを継続できるだろう。特にCookieを利用してセッション管理を行っている場合、障害発生時もユーザーは再ログオンなどせずに、そのままサービスを使い続けられる。
だが例えば、データベースの処理がトランザクション途中で障害が発生してしまったような場合、そのトランザクションをセカンダリ・サーバで継続させることはできない。この場合でも、障害発生の瞬間までのデータはミラーリングされているので、システムの再起動時にデータベース・システムがロール・バック、ロール・フォワードを行って復旧する。
なおフェイルオーバーが発生したという情報は、デフォルトではイベント・ログに書き込まれる。このとき必要なら、適当なコマンドなどを設定することで、管理者への通知を行うなどもできる。
一部制限はあるが手軽なクラスタリングが可能
システム・ボリュームがクラスタ化されない、アプリケーションによってはクラスタ化がサポートされない(レジストリにリアルタイムにデータを書き込むものなど)などの弱点もあるが、セットアップは非常に容易で手軽だった。現状は1台構成で運用しているサーバがあるが、少ない投資で手軽に可用性を向上させたいと考えているなら、CSBS2000は魅力的な選択肢だろう。
システムの重大な障害でなくても、サービスを停止することなくホットフィックス管理を行いたいといった場合にも使える。特に、インターネットに接続されるサーバでは、発見されたセキュリティ・ホール(脆弱性)を早期に修正しておかないと攻撃を受ける危険がある。しかしホットフィックスの適用により、システムが障害を起こすケースは少なくない(具体的な事例についてはHotFix Briefingsを参照)。このようなケースでもCSBS2000でクラスタリングしているなら、まずはプライマリ・サーバにホットフィックスを適用し、ある程度様子を見てからセカンダリ・サーバに適用するという時間差の管理ができるだろう。このときホットフィックス適用によってプライマリ・サーバで障害が発生したら、まだホットフィックスを適用していないセカンダリ・サーバ側でサービスは継続させておき、その間にプライマリ・サーバの復旧を行える。
サーバの可用性に不安を感じているなら、CSBS2000の試用版を試してみる価値はあるだろう。
【コラム】CSBS2000でクラスタ化可能なリソース | |||||||||||||||||||||||
CSBS2000では、クラスタによってフェイルオーバーの対象にできる資源を「リソース」と呼んでいる。具体的には次のものがある。 ■アプリケーション
■パーティション(ディスク) ■コマンド・ファイル
■IPアドレス
■サーバ・エイリアス
■遅延タイマ ■ネットワーク・サービス ■サービス |
INDEX | ||
[製品レビュー]Co-StandbyServer 2000 日本語版 | ||
1.Co-StandbyServer 2000の動作原理 | ||
2.事前準備とインストール | ||
3.ミラーリングの設定 | ||
製品レビュー |
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