特集
インターネット「常時」接続計画

第1回 接続計画とSBS 2000
―― 独自ドメインの取得からDNSサーバ、ファイアウォール、メールサーバの構築まで。実験サイトを構築しながら学ぶ、SBS 2000を利用したインターネット常時接続の実際とノウハウ ――

デジタルアドバンテージ
2001/07/31


 ここ数年間でのインターネット接続インフラの充実ぶりには目を見張るものがある。以前は中小企業レベルでも導入にためらいを感じるほど高価だったインターネット常時接続は、ケーブル・インターネットやADSLの急速な普及によって、今や個人レベルでも気軽に手に入れられるものとなった。読者の中にも、これらの接続サービスを利用して、すでにご自宅でインターネット常時接続を満喫している方も少なくないだろう。

 しかし物理的な接続サービスがいくら身近になったとはいえ、インターネットに常時接続するために守るべきルールは昔と何も変わらないし、手に入れた常時接続環境を本当に活用するためには、事前の準備や設計などが重要であることも変わりはない。特に、趣味ではなく、仕事としてインターネットを活用しようとする企業ユーザーは、現状のニーズを満たすことはもちろん、将来のニーズもある程度見越して、インターネット接続がどうあるべきかを慎重に検討する必要がある。また昨今では、インターネットを悪用して、データを盗み出したり、コンピュータ・システムを破壊したりするクラッキングも横行している。このためネットワーク管理者は、インターネットの活用ばかりでなく、同時に自身のシステムをこうした不正使用から守ることも考えなければならない。

 コンピュータの専門家ならこう言うかもしれない。「そんなの簡単、どこからかPCを見繕ってきて、Linuxでもインストールして、DNSやsendmailをちょちょいと設定するだけのことさ!」 しかし、本業の片手間にコンピュータ・システムの管理を行っているSOHOや中小企業の管理者で、できるだけ管理の手間を省くために、グラフィカル・インターフェイスで操作が手軽なWindows 2000(Windows NT)を使ってきたという人にとっては、Linuxはなかなか手を出しにくい遠い存在ではないだろうか。このような管理者にとっては、システムの新規導入から日々の管理、トラブルの対処まで、慣れ親しんでいるWindowsの操作モデルを使いたいと願うはずだ。

 そこで本稿では、マイクロソフトが中小事業者向けに販売するサーバ・スイート・パッケージのSmall Business Server 2000(以下SBS 2000)を使用して、SOHO LANを独立したインターネット・ドメインとして機能させる方法について具体的に見てみる。この際、机上の空論ではなく、架空の会社を想定して実際にドメイン名を取得し、DNSの構成やメール・サーバの設定、ファイアウォールの構成など、本当にインターネットに接続しながら、具体的な手順や注意点、ノウハウなどをご紹介していく予定である。

 

 INDEX
  [特集]インターネット「常時」接続計画
第1回 接続計画とSBS 2000
     1.Small Business Server 2000を利用したインターネット・ドメイン構築
     2.Small Business Server 2000パッケージの中身
     3.SBS 2000の特徴
     4.SBS 2000の制限
 
 インターネット「常時」接続計画


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