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フリーのPDF作成ツールを利用する(CubePDF編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 小林 章彦
2010/07/30
対象OS
Windows XP
Windows Vista
Windows 7
PDFは、無料のAdobe Readerなどで閲覧できるためマニュアルなどのさまざまな配布ドキュメントで利用されている。
低価格なPDF作成ツールも販売されているが、単にPDFファイルを作成するだけならば、フリーソフトウェアでも十分である。
フリーソフトウェアのPDF作成ツール「CubePDF」を利用することでPDFファイルが作成できる。

解説

 PDFファイルは、無料のAdobe Readerなどで閲覧できること、さまざまなアプリケーションでPDF作成ツールに対して印刷することで簡単に作成できることなどから、広く閲覧フォーマットとして普及している。無償のビューアが提供されていないアプリケーションでも、PDFファイルとして出力すれば、制作物がPDFビューアで確認できるようになる。

フリーのPDF作成ツールを利用する(PDF24 Creator編)

 低価格なPDF作成ツールも販売されているが、編集機能などが不要で、単にPDFに変換するだけならば、フリーソフトウェアとして提供されているツールを利用するのもよい。そこで、今回はGhostscriptをPDFの変換エンジンに採用した、フリーソフトウェアのPDF作成ツール「CubePDF」を紹介する。

  操作方法

 CubeSoftの以下のWebページの[無料ダウンロード]ボタンをクリックし、インストール・パッケージ(執筆現在提供されていたのは Ver.0.9.1βで、ファイル名はcubepdf-0.9.1b.exe)をダウンロードする。このファイルを実行すると、インストール・ウィザードが起動するので、使用許諾への同意やインストール先の選択などを指示に従って進めればよい。なお実行には、Microsoft .NET Framework 2.0以上が必要となる。

 インストールが完了すると、仮想プリンタとして「CubePDF」が追加される。このプリンタに対して印刷を実行すれば、PDFに変換できる。印刷機能をサポートしたアプリケーションならば、どのようなものでもPDFへの変換が可能だ。CubePDFは、編集機能などを持たないPDFへの変換を主目的とするツールなので、使い方はいたって簡単だ。

[プリンタ]として登録されたCubePDF
Internet Explorerなど、適当なアプリケーションの[印刷]メニューを選択すると、[印刷]ダイアログが開く。仮想プリンタとして「CubePDF」が登録されているので、これに印刷すればよい。
登録された仮想プリンタ。

 アプリケーションで仮想プリンタの「CubePDF」に対して印刷を行えば、以下のダイアログが表示されるので、ファイルの保存先などを指定すればよい。CubePDFでは、PDFのほか、PNGやJPEG、TIFFなどのさまざまな画像フォーマットでも保存できる。また[出力ファイル名]の右側にあるプルダウン・メニューで、「先頭に結合」または「末尾に結合」を選択することで、出力ファイル名のPDFファイルの先頭または末尾にPDFを結合することも可能だ。

CubePDFの設定ダイアログ
アプリケーションでCubePDFに対して印刷を実行すると、このダイアログが表示される。[一般]タブで「出力ファイル名」(保存先)などを入力して、[変換]ボタンをクリックすると、PDFへの変換が行われる。
「ファイルタイプ」は、PDFのほか、PostScriptやPNG、JPEG、TIFFなどのさまざまなフォーマットの選択が可能になっている。
PNGやJPEGなどの画像フォーマットを選択した場合、解像度が選択できる。
保存先を指定する。
[上書き]のほか、作成したPDFを選択したPDFファイルの先頭または末尾に結合する[先頭に結合][末尾に結合]が選択できる。
[変換]ボタンをクリックすると、指定したフォーマットへの出力が行われる。
文書にパスワードを付ける場合は、[セキュリティ]タブをクリックする。→

 PDFファイルを開く際にパスワードの入力を求めるようにしたい場合は、[セキュリティ]タブを開き、[文書を開くときにパスワードが必要]にチェックを入れ、パスワードを入力してから、[変換]ボタンをクリックする。

 また印刷、テキストや画像のコピーなどの機能を禁止したい場合は、[セキュリティ機能及び指定機能の変更にパスワードが必要]にチェックを入れ、許可する操作をチェックしておく。例えば、PDFファイルの印刷を禁止したい場合は、[セキュリティ機能及び指定機能の変更にパスワードが必要]にチェックし、「許可する操作」の[印刷]をチェックしないでおけばよい。これで、Adobe ReaderなどでPDFファイルを開いても、[ファイル]メニューの[印刷]がグレーアウトされ、操作できなくなる。ただしAdobe ReaderなどのPDFビューアでは、制限した機能を許可するためのパスワード入力が行えないので注意が必要だ(Acrobatなどの作成ツールでは、パスワード入力によって機能制限を解除できる)。

設定ダイアログの[セキュリティ]タブの画面
パスワードを知らない人がPDFファイルを開けないようにしたい場合、ここで[文書を開くときにパスワードが必要]にチェックを入れて、パスワードを入力する。
  [セキュリティ]タブを開く。
  PDFファイルを開く際にパスワードが必要なようにするには、ここをチェックし、パスワードを入力する。
  印刷、テキストや画像のコピーなどの機能を禁止したい場合は、ここをチェックし、パスワードを入力する。
  ここで許可する操作をチェックする。チェックが入っていない機能は制限され、Adobe Readerなどでその操作が行えなくなる。

 [詳細設定]タブでは、画像のダウンサンプリング方法(「平均化」「バイキュービック」「サブサンプル」)、グレースケールでの保存、フォントの埋め込みの有無などが設定できる。

 CubePDFは、試用した限りにおいては表示・印刷が崩れることもなく、日本語フォントもきちんと埋め込まれるなど、フリーソフトウェアとしては品質の高いものであった。編集機能が必要ないのであれば、CubePDFでも十分かもしれない。End of Article

CubePDFでPDFに変換したWebページの例
Adobe Reader 9.3.2で、CubePDFでPDFに変換したWebページを表示した。Webページ内は、きちんと文字としてPDF化されており、選択してクリップボードにコピーすることも可能だ(セキュリティ機能でコピーを禁止することも可能)。

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