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ファイルのフルパス名をクリップボードへコピーする

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 正木 理絵子
2005/11/12
2006/02/11 更新
対象OS
Windows 95
Windows 98
Windows Me
Windows NT
Windows 2000
Windows XP
Windows Server 2003
エクスプローラのアドレス・バーには、フォルダのフルパス名は表示されるが、ファイルのフルパス名は表示されない。
ファイルを特定するためには、フォルダ名とパス名を併せたフルパス名が必要である。
Windows 95用のPower Toys Setに含まれるツールを使えば、マウス操作だけでフルパス名をクリップボードにコピーすることができる。
 
解説

2006/02/11更新:本稿で紹介しているツール「Clipboard as Name」をインストールすると、Windowsの一部の機能が不具合を起こすことが分かりました。ツールのインストールにあたっては、事前に以下の「注意」コラム「Power Toys Set『Send To Extensions』ツールのインストールによって発生する不具合原因と対処方法について」をよくお読みください。

 例えば、ファイル・サーバ上の共有フォルダにあるファイルの場所を第三者に伝えるときには、ファイル名だけでなく、フルパス名を通知しないと、どこにファイルがあるか分からない。

 しかしエクスプローラは、デフォルトで「現在のフォルダ」のフルパス名をアドレス・バーに表示させることはできるが([ツール]−[フォルダ オプション]−[表示]で[アドレス バーにファイルのパス名を表示する]をチェックする)、「現在選択しているファイル」のフルパス名は表示されていない(ルート・フォルダからカレント・フォルダまでは一覧されるが、ファイル名は表示されない)。人によっては、アドレス・バーからフォルダ名をコピーして、ファイル名は手入力するという場合もあるようだ。いうまでもなくこれは面倒だし、入力ミスの危険もある。

 だがマイクロソフトが無料で提供しているPower Toys Setの「Clipboard as Name」ツールを使えば、簡単なマウス操作だけでファイルのフルパス名をクリップボードにコピーすることができる。

 このツール自体は10年余り前にWindows 95向けに開発され、提供されているものであるが、今でも十分利用可能な便利なツールである。手元で実行した限りでは、現行のWindows OS(Windows NT/Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003)でも利用することが可能であった。ただし、提供対象OS以外で使用することになるので、自身の判断で使用していただきたい。

[注意]

 このツールをインストールすると、Internet ExplorerのDLL登録と重複し、エクスプローラでファイル/フォルダ・アイコンを右クリックして表示されるプロパティ・メニューの[送る]−[デスクトップ(ショートカットを作成)]が正しく機能しなくなることが分かりました。

 具体的には、ツールをインストールすると、以下の不具合が発生します。

  1. 前記の[送る]−[デスクトップ(ショートカットを作成)]メニューのアイコンが、本来のデスクトップのイメージから、メールのイメージに変更される。

  2. メニューを実行すると、次のようなエラー・ダイアログが表示され、ショートカット作成に失敗する。代わりにメール・クライアントが起動したり、次のようなエラー・ダイアログが表示されたりする。

 現時点で不具合が確認されているのは、上記[送る]−[デスクトップ(ショートカットを作成)]の機能だけです。この機能を使う場合には、本稿で紹介するツールはインストールしないでください。

 不具合の発生原因と、対処方法については、本稿の最後に掲載したコラム「Power Toys Set『Send To Extensions』ツールのインストールによって発生する不具合原因と対処方法について」にまとめましたので、ご参照ください。

 

操作方法

Windows 95 Power Toys Setのダウンロードとインストール

 以下のページから、[Download Now]というボタンをクリックしてW95powertoy.exeというファイルをダウンロードし、適当なフォルダに保存する。ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、そのフォルダ中にファイルが解凍される。

Send To Extensions PowerToyツールのインストール

 解凍されたファイルの中からSENDTOX.INF(Send To Extensions PowerToyツールのINFファイル)を見つけ、右クリックしてポップアップ・メニューから[インストール]を選ぶ。すると、説明メッセージが表示されるので、内容を確認後、ダイアログ・ボックスを閉じるとインストールが完了する。解凍されたファイルはもう必要ないので、すべて削除してかまわない。

Clipboard as Nameツールのインストール
ダウンロードしたファイルを実行するといくつかのファイルが解凍される。この中からSENTODX.INF(Send To Extensions PowerToyツール)をインストールする。
  ファイルSENDTOX.INFを右クリックする。
  [インストール]をクリックする。

Clipboard as Nameツールの使用方法

 Clipboard as Nameツールの使い方は簡単である。フルパス名を取得したいファイル(やフォルダ)を選択し、右クリックして表示されるポップアップ・メニューの[送る]を選択する。すると、ドロップダウン・リストのメニューに[Any Folder]や[Command Line]などの項目が増えていることが分かる。その中から[Clipboard as Name]を選ぶと、そのファイルのフルパス名がクリップボードにコピーされるので、後は通常の貼り付け操作を行えばよい。複数のファイル/フォルダを対象にして実行すると、複数のフルパス名が同時に得られる(結果は複数行のテキストになる)。

フルパス名をクリップボードにコピーする
次の手順で操作するとWordの文書などにファイルのフルパス名をコピー&ペーストすることができる。
  ファイルやフォルダ(1つでもよいし複数でもよい)を選択して右クリックする。
  ポップアップ・メニューの[送る]を選ぶ。
  [Clipboard as Name]を選ぶと、ファイルやフォルダのフルパス名がクリップボードにコピーされる。[Ctrl]キーを押しながら選べば、8.3形式の短い形式のフルパス名がコピーされる。

 [Clipboard as Name]を選ぶときに、[Ctrl]キーを押しながら選ぶと、8.3形式の短い形式でコピーされる。例えば、次のようになる。

  • 単に[Clipboard as Name]を選んだ場合の結果
    C:\Documents and Settings\Administrator\FAX送付状_1.doc

  • [Ctrl]キーを押しながら[Clipboard as Name]を選んだ場合の結果
    C:\DOCUME~1\ADMINI~1\FAX送~1.DOC

Send To Extensions PowerToyツールのカスタマイズ

 [送る]を選択したときに表示される追加メニュー項目のうち、[Clipboard as Name]以外が不要であれば、次の手順でカスタマイズすることができる。まず[コントロール パネル]の[プログラムの追加と削除]で[Send To Extensions PowerToy]を選び、[変更と削除]ボタンをクリックする。そして表示されたダイアログで、不要な項目のチェックを外せばよい。End of Article

不要なツールを削除する
Send To Extensions PowerToyツールをインストールすると、[Clipboard as Name]以外にもいくつかのツールが追加される。デフォルトではこれらすべての項目が[送る]メニューに表示される。必要なければ[プログラムの追加と削除]で[Send To Extensions PowerToy]を選び、[変更と削除]をクリックする。このダイアログから[Clipboard as Name]以外のチェック・ボックスを外せばよい。
  不要な項目のチェック・ボックスをオフにする。
  [OK]ボタンを押す。
 
Power Toys Set「Send To Extensions」ツールのインストールによって発生する不具合原因と対処方法について

■現象
 Power Toys Set「Send To Extensions」をインストールすると、エクスプローラでファイル/フォルダ・アイコンを右クリックして表示されるプロパティ・メニューの[送る]−[デスクトップ(ショートカットを作成)]が正しく機能しなくなる。

  1. [送る]−[デスクトップ(ショートカットを作成)]メニューのアイコンが、本来のデスクトップのイメージから、メールのイメージに変更される。

  2. メニューを実行すると、メール・クライアントが起動したり、“No CMC mail provider is currently installed.”というエラー・ダイアログが表示されたりして、ショートカット作成に失敗する。

■原因
 Power Toys Set「Send To Extensions」ツールをインストールすると、“Send To... Mail Recipient CMC”機能が使用するDLL登録が、Internet ExplorerのDLL登録と重複するため。

 具体的には、レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID\{9E56BE61-C50F-11CF-9A2C-00A0C90A90CE}キーに登録されるDLLが、Internet Explorerの、

C:\WINDOWS\system32\sendmail.dll

から、Send To Extensionsツールの

C:\WINDOWS\system32\ShellExt\SENDTOX.DLL

に上書きされてしまう(“C:\WINDOWS\system32”は各コンピュータのWindows システム・ディレクトリ)。

■対処方法
 DLL登録をSend To Extensionsインストール前の状態に戻すには、次の手順に従う。

  1. コントロール・パネルの[プログラムの追加と削除](アプリケーションの追加と削除)でSend To Extensions PowerToyの[変更/削除]ボタンをクリックする。

  2. 表示されるダイアログの[Send To... Mail Recipient CMC]チェック・ボックスをクリックしてオフにし、[OK]ボタンをクリックする。(Send To Extensionsの[送る]−[Mail Recipient CMC]は削除される。)

  3. [スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]で以下のコマンドを実行する。
    regsvr32 sendmail.dll

  4. sendmail.dllの登録に成功したというメッセージが出たら、[OK]ボタンをクリックする。

  5. コンピュータを再起動する。

 
関連記事(Windows Server Insider)
  Windows TIPS:ファイルのフルパス名を簡単に取得する方法
     
  関連リンク
  Windows 95 Power Toys Set(Microsoft)
     
更新履歴
【2006/02/11】本稿でご紹介した「Clipboard as Name」ツールをインストールすると、Windowsの一部の機能が不具合を起こすことが分かりました。このことに関する注意喚起と、不具合の原因、対処方法の情報を追加しました。
 
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