[System Environment] | |||||||||||
セキュリティを強化して公共の場所にPCを設置する(1)―― Microsoft Shared Computer Toolkitを使う ――
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解説 |
公共の場所に設置するコンピュータや、学校/図書館の教育用コンピュータ、ショーや店頭でのデモ用途など、不特定多数のユーザーに対して、だれでも利用できるようにするためには、コンピュータに対して特別なセキュリティ設定を施しておく必要がある。システムが破壊されたり、ウイルスに感染したりするかも知れないし、あるユーザーが保存した情報や操作履歴などが、別のユーザーに漏えいしないようにも注意する必要があるからだ。
標準的なWindows XPコンピュータはこのような用途には向かないが、Micrsoft Shared Computer Toolkit(以下SCTと略記)というアドオンを導入すれば、一般ユーザーの操作を制限したり、システムに対する破壊を防ぎ、ログオン・セッションごとにユーザーの操作した結果をすべてキャンセルするなどの機能が実現できる。
以下は、SCTが有効になったコンピュータにログオンした場合のデスクトップ画面である(ログオン画面そのものは、通常のWindows XPの「ようこそ」画面と同じなので省略する)。
SCTの機能を大きく分けると、利用可能な機能の「制限」と、システムに加えられた変更などをキャンセルして元に戻す「保護」、メニューやデスクトップ構成といった、ユーザー・インターフェイスの「カスタマイズ」の3つで構成されている。
■機能の制限
Windows OSが持つシステム・ポリシーやアクセス制限、セキュリティ保護メカニズムなどを駆使し、利用可能な操作(権利)を極力限定することにより、例えばWebブラウザだけしか利用できないようにしたり、データの保存やプログラム/ActiveXコントロールの実行などを防ぐ。
■変更からの復旧、保護
Windows OSでは、ユーザー・プロファイルを使ってユーザーごとの設定情報を保存しているが、ログオン後にユーザー・プロファイルを初期値に戻すことにより(保存しておいたマスターのプロファイル情報で上書きする)、ユーザーがログオン中に行った変更操作などはすべてキャンセルされる。そのため、ログオンするといつも同じプロファイル(メニューやデスクトップ構成など)が再現される。
またシステムの再起動時には、マスターのディスク・イメージを復元することにより、起動後に行われた操作もすべてキャンセルされる。たとえ管理者アカウントでログオンして何かをインストールしたり、システムに変更を加えたりしても、それらの結果はすべてキャンセルされる。
■カスタマイズ
メニューの初期状態やデスクトップ設定、利用可能なアプリケーションのショートカットなどをあらかじめ用意し、それをマスターのユーザー・プロファイルとすることにより、利用可能な機能を限定させたり、カスタマイズすることができる。
本TIPSでは、SCTの導入方法について、簡単にまとめる。ドメイン環境での運用や、より詳細な設定方法などについては、今後別記事で取り上げる予定である。
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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