DMI (Desktop Management Interface)
【ディー・エム・アイ】
PCを始めとするコンピュータ システムを管理するための標準的な枠組みを規定したもの。IntelやMicrosoft、Novellなどのベンダによって設立されたDMTF(Desktop Management Task ForceまたはDistributed Management Task Force)がDMIを策定している。コンピュータ システムやOS、プロトコルの種類に依存せず、またネットワークのない環境や、あるいはリモートから遠隔地にあるクライアントPCを管理する環境でも機能するようにDMIは設計されている。
DMIの最初のバージョンであるDMI 1.0は1994年に発表され、OSやプロトコルに依らないで、コンピュータ システムのハードウェア/ソフトウェアを管理する仕組みを提供した。現在PCなどのシステムに実装されているのは、1996年に発表されたDMI 2.0や、セキュリティ機能を強化したDMI 2.0sである。DMI 1.0に対してDMI 2.0では、リモート管理機能が標準化されたほか、SNMPなど既存の管理プロトコルとの共存など、さまざまな強化が施されている。
DMIの構成を大雑把に捉えると、管理対象となる「コンポーネント」と管理を司る「管理アプリケーション」、その間に入って各種サービスを提供するDMIサービス プロバイダ、管理される情報を保存するMIFデータベース(MIF: Management Information Format)からなる。DMIサービス プロバイダは、コンポーネントと管理アプリケーションそれぞれに対して、サービスを提供するためのAPIを持っている。イーサネット カードを例に挙げると、そのカードのデバイス ドライバがDMIのコンポーネントとして稼働するよう設計されていれば、DMI対応のさまざまな管理アプリケーションからそのカードが管理できる。また管理アプリケーションが稼働しているのは、コンポーネントの存在するPCとは別のシステムでもかまわない。DMIでは、管理アプリケーションとDMIサービス プロバイダとのインターフェイスに、業界標準のRPC(Remote Procedure Call)を採用しているからだ。これはDMI 2.0の特徴であり、DMI 1.0では、管理アプリケーションが独自にリモート通信の仕組みを設けなくてはならなかった。
DMI 2.0では、SNMPのエージェントとして機能する仕組みも設けられている。つまりSNMPのマネージャからみると、DMI 2.0に対応しているPCは、SNMPによる管理にも対応しているように見えるというわけだ。したがって、たとえばあるイーサネット カードがDMI 2.0に対応していて、かつ、このDMIからSNMPへのマッピング機能がOSやアプリケーションなどから提供されているなら、そのイーサネット カードは自動的にSNMPにも対応することになる。
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参考リンク
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■DMTF(Distributed Management Task Force)のホームページ
DMIなどといった管理技術の標準規格を策定している団体