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インクジェット・プリンタ (ink-jet printer)

最終更新日: 2002/11/09

 インクをノズルから紙に吹き付けることで印刷を行うプリンタ。大幅な機構の追加を行うことなく、複数のインクを利用したカラー化が容易なことから、現在販売されているほとんどのインクジェット・プリンタはカラー対応になっている。

 基本的にインクジェット・プリンタでは、インク・カートリッジと吹き付けノズルを収容したヘッド・メカニズムを移動させながら、印刷イメージを1ラスタ行ずつ印刷していく。紙にリボンのインクを打ち付けるドット・インパクト・プリンタとは異なり、インクを吹き付けるインクジェット・プリンタは、静粛性に優れている。またページ・プリンタに比較すると、機構が単純で小型化が容易、低価格という特長から、特に家庭用のプリンタとして普及している。また用紙サイズが大きくなってもヘッドの移動距離を増やすだけでよいので、幅1mを超えるような大型のロール紙への印刷が可能な業務用のインクジェット・プリンタも開発されている。

インクジェット・プリンタの例
インクジェット・プリンタの例
サーマル・インクジェット方式を採用した、日本ヒューレット・パッカードの「hp deskjet 990cxi」という製品。

 一方の欠点は、吹き付けたインクを常温で自然乾燥させて定着させるため、インクによっては耐候性・耐水性に劣ること、薄い紙に印刷すると裏写りしてしまう場合があること、また1ラスタ行ずつヘッドの移動と紙送りを繰り返しながら印刷するため、印刷速度を高速化しにくいことなどがある。

 ひと口にインクジェット・プリンタといっても、インクを吹き付けるメカニズムによっていくつかの方法がある。熱によってインクを膨張させたり、インク中に気泡を発生させてノズルから吹き出させるサーマル・インクジェット方式やバブルジェット方式、電圧を加えると伸縮するピエゾ素子を利用してインクをノズルから押し出すピエゾ方式などが代表的である。

インクジェット・プリンタの印字ヘッド・ユニット
インクジェット・プリンタの印字ヘッド・ユニット
印字ヘッド部分には、インク・カートリッジ(インク・タンク)とインクの吐出用ノズルが搭載され、印刷に合わせて左右に移動する。この機種では、黒インク用(右側)とカラー用(左側。3色)がそれぞれ別のインク・カートリッジになっている。

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