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ナンバーディスプレイ (number display)

最終更新日: 2000/08/08

 電話の発信者番号を受信先のアナログ電話機に通知するNTTの有償サービス。デジタル通信のISDN(INSネット)では、標準で番号通知機能があるが、このサービスが開始されるまで、アナログ電話機では番号通知を受けることはできなかった。電話を悪用した「いたずら電話」の防止、またコール センターでのCTIの促進などを目的としている。ナンバー ディスプレイの試験サービスは1997年10月より横浜、名古屋、福岡で開始され、1998年2月1日より全国的な本サービスが開始された。

 ナンバー ディスプレイは有償サービスなので、サービスを受けるには、あらかじめNTTに申請する必要がある(自分が発信する場合の番号通知は、この申請にかかわらず有効である)。ナンバー ディスプレイでは、発信側の電話番号が、発信者側の交換機から受信側の交換機に対して送られ、その後モデム信号としてアナログ電話の受信者宅に通知される。このため通知された電話番号を確認するには、モデム信号を認識できるナンバー ディスプレイ対応電話機が必要になる(または、ナンバー ディスプレイ専用アダプタも販売されている)。当初はISDN(INSネット)利用者とアナログ電話相互間での番号通知は正しく行えなかったが、その後、相互通知が可能になった。現在では、PHSやデジタル携帯電話機、ISDN(INSネット電話)、アナログ電話相互間でナンバー ディスプレイによる番号通知が可能である。

 このナンバー ディスプレイ サービスを開始するにあたり、NTTは、電話契約者との約款を一部変更し、標準設定で相手先への番号通知を有効にした(「通常通知」と呼ばれる)。つまり明示的に禁止しないかぎり、発信者側の電話番号は、受信者に通知されるようになっている。発信者番号を非通知にするには、2つの方法があり、契約者はこのうちどちらかを選ばなければならない。1つは「通話ごと非通知」と呼ばれる方法で、相手の電話番号をダイヤルする前に「184」(イヤヨ)を付ける方法である。この「通話ごと非通知」では、「184」を付けた通話のみが非通知になる。もう1つの方法は「回線ごと非通知」と呼ばれる方法で、利用回線の標準設定を「非通知」にするものだ。この場合には、通常のダイヤルでは発信者番号は通知されない。番号通知を行うには、相手番号を「186」に続けてダイヤルする。

 受信者がナンバー ディスプレイ対応電話機を持っている場合、呼び出しを受けると、発信相手の電話番号が電話機のディスプレイに表示され、受話器をあげる前に発信者が誰かを特定できるようになる。なおこのとき、発信者が「非通知」を選択して番号通知を行っていない場合には、電話機に「非通知」などと表示される。電話機によっては、「非通知」による通話に対して、「通知設定にしてかけ直してください」という旨のメッセージを発信者に流して、電話機の呼出音を鳴らさないようにしたり(着信拒否)、あらかじめ設定した相手と、それ以外の相手からの呼び出しを異なる呼出音によって判別できるようにしたりする機能を持ったものもある。

 またさらに追加の利用料が必要だが、NTTの「ナンバー リクエスト」サービスを使えば、非通知の通話に対し、電話局側で「通知設定にしてかけ直してください」という旨のメッセージを返し、受信側電話機を呼び出さないようにすることも可能である。

 ナンバー ディスプレイの登場により、企業のコール センターでは、電話機とコンピュータ上のデータ ベースを連動させ、通知された電話番号を使って、自動的に発信者の情報をデータベースから検索し、オペレータの端末ディスプレイ上にこれを表示して、オペレータがこうした情報を確認しながら通話できるようにしたCTI(Computer-Telephony Integration)などが積極的に導入されるようになった。

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