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tftp (Trivial File Transfer Protocol)

【ティー・エフ・ティー・ピー】

最終更新日: 2003/08/14

 TCP/IPネットワーク上で、ファイルをやり取りするための非常にシンプルなプロトコル、もしくはこのプロトコルを実装したソフトウェア。RFC1350で定義されている。Trivialとは平凡なとか、つまらないなどという意味であり、プロトコルの機能も動作も非常に原始的で簡素なところからこう呼ばれている。FTPも同じくファイル転送のためのプロトコルであるが、まったく別のものである。イントラネット上のネットワーク機器やディスクレスのコンピュータ・システムなどにおいて、システム起動時(ブート時)のOSプログラムのロードや、システムのコンフィギュレーション情報の配布などのために使われることが多い。

 tftpは(TCP/IPにおける)UDP上で動作するファイル転送プロトコルである。その動作は非常に単純であり、送受信したいファイル名をtftpサーバに送ると、そのファイルの内容をUDPで1パケットずつに分割して送り返してくる(もしくは1パケット分ずつに分割して送信する)、というものである。ファイル名の一覧リストを取得したり、複数のファイルをまとめて送受信する機能は持っていない。1パケット受信する(もしくは送信する)ごとに確認応答(ACK)パケットを返すが、エラー応答を受け取ったり、タイムアウトすると、そこで転送は中断され、終了となる。1パケットで送受信できるサイズは最大で512bytesに限定されているし、転送できるファイル・サイズは最大でも65,535bytesまでとなっている。また1パケットごとに受信確認が必要なので、パフォーマンスはよくないし、認証もないので、インターネット上での利用は望ましくない。

 プロトコルがシンプルなのは、システムのブート時などに利用するためである。TCP/IPプロトコルの機能をすべてインプリメントすると非常に多くの複雑なコードや、大量のバッファ領域が必要となる。しかしIPとUDPパケットを取り扱うだけなら、簡単なパケットの送受信ルーチンさえ用意すればよい。さらに1パケットで送受信するサイズを512bytesまでに限定することにより、IPフラグメントの処理も不要になる(IPパケットの最小サイズは576bytesと決められているため)。このような仕様により、コード・サイズなどが限定されている組み込み機器や、ディスクレス・システムのブート・プログラムとして簡単に利用できるようになる。一般的には、tftpを使ってシステムの初期プログラム(OS本体など)や構成情報をtftpサーバからロードし、その後、実際のOS本体などの起動を行うことが多い。

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