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IP (Internet Protocol)

【アイ・ピー】

最終更新日: 2002/05/13

 TCP/IPプロトコル体系において、あるノードから別のノードまでのパケットの伝送を担当するためのプロトコル。OSI参照モデルでは、ネットワーク層のプロトコルに相当する。

 IPプロトコルでは、コネクションレス指向で、ベストエフォート型、パケット交換型の通信を行なう。TCP/IPプロトコルでは、各ノードにIPアドレスを割り当てているが、IPプロトコルでは、このIPアドレスを元にして、パケットの送信を行なう。

 IPプロトコルでは、上位層(TCPもしくはUDP)から渡された送信したいデータバケットに、送信先と送信元のIPアドレスやデータサイズなどのヘッダ情報を付加し、そのまま下位層であるデータリンク層の機能を使ってパケットを送信する。もし、パケットのサイズが、データリンク層で扱うことができない大きなサイズの時は(例:イーサネットでは、1パケット当たり、1500byteまでしか送信できない)、送信できる最大サイズ(MTU)に収まるように複数のパケットに分割して、送信する。分割されたパケットは、それらを受信した側で再度元のパケットに組み立てられ、上位層へと渡される。この処理をIPフラグメンテーションという。

 IPでは、ベストエフォート型の通信を行なうだけなので、もし送信の途中でパケットの消失などが起こっても、再送処理は行なわれない。また、相手に正しくパケットが届いたかの確認も行なわれない。これらの機能が必要ならば、すべて上位プロトコル側で処理を行なう。

 各IPパケットには送信先のIPアドレスが付けられているが、これを元にしてIPルーティングが行なわれる。IPパケットを受け取ったノード(ルータ)では、それが自分宛のパケットでなければ、それを適切なルータへ再度送信する。これを何回か繰り返せば、IPパケットは最終的に目的のノードに到着することになる。もし、宛先アドレスがブロードキャストアドレスやマルチキャストアドレスであれば、そのパケットは、該当するネットワーク上の複数のノードに届くことになる。

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