ビルド番号 (build number)
【ビルド・バンゴウ】
プログラムの開発工程において、コンパイルやアセンブル、リンクなどの作業を経て最終的な実行プログラムを生成することをビルドするというが、ビルドされた実行プログラムを識別するために付けられたユニークな番号のことをビルド番号という。通常は、1回ビルドするたびにビルド番号を1つずつ増加させ、どのビルド(によって生成されたプログラム)であるかを識別するために使われる。
ビルド番号はバージョン番号と似ているが、その意味は異なっている。バージョン番号は、プログラムの機能や開発時期、リンクするライブラリ・モジュールのバージョンの違いなどに応じて異なる番号が与えられるが、ビルド番号は単にビルドした回数を反映した、最終生成物の識別用の番号に過ぎない。例えば、些細なバグ・フィックスやメッセージの変更、ユーザー・インターフェイスの修正(ボタンの位置や色、形状の変更)など、プログラムの開発中は、バージョン番号を変えずに何度もビルド作業を繰り返すのが普通である。この場合、同じバージョン番号でもいくつかの異なる実行プログラムが得られることになる。また多数のプログラマが共同で作業している場合、作業の進捗状況の違いから、ビルドごとに少しずつ機能やバグ修正の具合などが異なる実行プログラムが得られる。これらのビルドをテストしたり、ユーザーに配布したりするためには、バージョン番号ではなく、どのビルドであるかを簡単に特定できることが望ましい。このために利用されるのがビルド番号である。例えばテストの結果、以前のビルド100にあった不具合が本日のビルド101では修正されている、というふうに利用できる。
ビルド番号は、基本的には開発者が使う内部的な識別番号であるが、場合によっては積極的に公開している場合もある。例えばマイクロソフト社が開発しているWindows XP ProfessionalというOSには「Microsoft Windows XP [Version 5.1.2600]」という番号が付いている。「5.1」はOSのメジャーとマイナー・バージョン番号であり、「2600」はビルド番号2600を表している。これは、最初のWindows NTから数えて、2600回目のビルドであるということを表している。
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