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クリップボード (clip board)

最終更新日: 2001/07/13

 WindowsやMacintoshなどのマルチウィンドウシステムにおいて、あるアプリケーションから、別のアプリケーションにデータをコピーしたり、移動したりするために用意されたシステムの機構。

 クリップボードは、OSの内部的には共有メモリとして実装されており、あるアプリケーションからデータをコピーすると、それがこの共有メモリにコピーされ、その後、他のアプリケーションでこのメモリの内容を取り出すようになっている。

 たとえばワードプロセッサなどで、太字やイタリックといった修飾が施された文字列を他のアプリケーションにクリップボード経由でコピーする場合、相手側のアプリケーションですべての修飾情報を受け付けられない場合もある。このようなときでも、最低限の情報をコピーできるように、クリップボードにコピーするアプリケーションは、いくつかのフォーマットでデータをコピーする。たとえばMicrosoft Wordなら、完全な修飾情報を含むデータをRTF(Ritch Text Format)でコピーすると同時に、ピュアテキストのデータもクリップボードにコピーする。データを取り出すアプリケーション側では、現在クリップボードに存在しているデータのうち、最も情報量の多いデータを取り出す。たとえばRTFを解釈できるアプリケーションなら、RTFのデータを取り出せば、完全な修飾情報を伴った形でデータをコピーしてくることができる。これに対し、RTFを解釈できないアプリケーションでは、ピュアテキストのデータを取り出してくる。この場合には修飾情報は失われるが、少なくとも文字列としてデータを取り出すことは可能である。

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