飛島建設、ICタグを用いた骨材混入防止・運行管理システムを初運用

2006/11/7

 飛島建設は11月6日、ダム建設現場における骨材運搬や骨材貯蔵設備への誤投入防止などをトータルに管理する「ICタグを用いた骨材混入防止・運行管理システム」を開発し、横川ダム建設工事に初適用して所定の成果を得たと発表した。

 山形県西置賜郡の横川ダム建設では、国土交通省直轄工事では初めて購入骨材を使用することになり、骨材製造プラントからダムサイトの貯蔵設備までの約25kmを1日平均200台程度のダンプトラックが骨材を運搬した。この際、受入設備において骨材誤投入の恐れがあり、また混入した骨材の分級には大きな労力を要すると想定されたことから、電気的・機械的に誤投入を防止し、併せてダンプトラックの運行状況を把握することを目的に、同システムの開発が行われた。

 システムは「書込装置」「受発信装置(アンテナ)」「記憶、発信装置(ICタグ)」「制御装置」「表示装置(電光表示板)」「演算装置(PC)」「出力装置(プリンタ)」で構成される。

 ダンプトラックにICタグを装着し、骨材ストックヤードで積み込みを行う際にタイヤショベルのオペレータが骨材種別の情報を発信してICタグへの書き込みを行い、出荷チェックポイントでダンプ運転手が積載している骨材種別を操作ボックスに申請、ICタグの記録と誤りがなければ出荷が可能になる。受荷チェックポイントではICタグの骨材情報を使ってシャトルコンベヤの自動運転を行い、骨材貯蔵設備への運搬に役立てている。ダンプトラックは、回送時にリセットポイントを通過してICタグのリセットを行う。

 このほか、一連の骨材運搬状況についてリアルタイムに把握することができ、骨材量の集計作業も入力作業をほとんどなくなるという成果があった。

 飛島建設では今後、骨材種別の自動認識・振り分けなどにより、完全無人化することで完全な骨材誤投入防止が可能としている。また、今回の成果を次期案件の受注活動に活用するという。

[関連リンク]
飛島建設の発表資料
横川ダム工事事務所(国土交通省北陸地方整備局)

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