アラートを基に影響度や推奨設定まで提供
「全部入りUTM+アルファ」を狙うウォッチガード
2008/02/21
ウォッチガード・テクノロジージャパンは2月21日、UTMアプライアンス向けソフトウェアの新バージョン「Fireware 10」と「Edge 10」を発表した。
同社は、ファイアウォール/VPNに加え、アンチウイルス/アンチスパイウェアやIPS、URLフィルタリングといった複数のセキュリティ機能を統合したアプライアンス製品を提供している。マルチギガビット対応の最上位シリーズ「Firebox X Peak」のほか、「Firebox X Core」、小規模拠点向けの「Firebox X Edge」という3種類のラインナップだ。中小企業での導入に焦点を絞り、コストパフォーマンスに優れている点が特徴だ。
米ウォッチガードのCEO、ジョー・ワン氏によると、「ウォッチガードにはほかにはないユニークな技術がある。その1つがプロキシテクノロジで、レイヤ7までスキャンすることによりゼロデイ攻撃を検出できる。また、リアルタイムモニタリングをはじめとする管理機能が充実していることも特徴だ」という。
Fireware 10とEdge 10は、「全部入りUTM+アルファという形を狙った」(ウォッチガード・テクノロジージャパンのアカウントマネージャ、真田賢太氏)。セキュリティ機能そのものに加え、リモートからの接続性や管理者向けのレポート・管理機能が強化された。
具体的には、シグネチャの代わりにハッシュ値を基に新たな脅威を検出する「Real-Time Virus Outbreak Detection」機能やHTTPSに対するWebフィルタリング機能を追加した。また、SSL VPNおよびシングルサインオンの統合、SIPおよびH.323対応によるVoIPやビデオ会議などのサポートも図られている。
管理機能についてはエンジンを一新し、レポートをより迅速に確認できるようにした。さらに、同社セキュリティセンターが提供するアラート情報を基に、迅速な対応を支援する「ライブセキュリティ・アラート」が実装された。例えば、「Windowsにある脆弱性が発見されたとして、それが自社のネットワークにどういった影響を与えるのか、またどのようなファイアウォール設定が推奨されるのかを知らせることが可能だ」(真田氏)
Fireware 10とEdge 10の英語版はリリース済みで、日本語版については2008年第2四半期に出荷する予定だ。サポートパッケージを購入済みの顧客は、無償でアップデート可能となっている。
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