3つの選択肢を提供
「ハイエンドからローエンドまで」、チェック・ポイントがUTMアプライアンス強化
2008/04/21
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは4月21日、ハイエンド向けのUTM(統合脅威管理)アプライアンス「Check Point Power-1」を発表した。同時に、中小規模ネットワークを対象とした既存のUTMラインアップも拡大し、6月1日に出荷を開始する。
同社は長年ファイアウォール/VPN製品を提供してきたが、2007年2月に、初のUTMアプライアンス製品「UTM-1 Total Security」シリーズを発表した。今回の発表はそれを強化するもので、「ハイエンドからローエンドまで、フルラインアップをそろえることになる」と、同社代表取締役社長の杉山隆弘氏は述べた。
Power-1およびUTM-1は、ファイアウォールとVPN、侵入防御(IPS)、ゲートウェイのアンチウイルス/アンチスパイウェアやWebフィルタリングに加え、メッセージングセキュリティ機能を搭載している。
特長は、マルチコアを有効活用する「CoreXL」テクノロジーにより、複数のコアにファイアウォールエンジンをコピーして並列処理を行うことで、高いパフォーマンスを実現できる点だ。また、これまで培ってきた技術に基づき、アプリケーションレイヤのセキュリティを深いレベルで実現できることも特長だという。UTM市場には多くのベンダが参入し競争が激化しているが、価格性能比で差別化を図るとしている。
データセンターや大規模ネットワークをターゲットとしたCheck Point Power-1は、ハイエンド向け製品の「VPN-1 Power」を搭載したUTMアプライアンスで、マルチギガビットクラスのパフォーマンスを実現する。最大14ポートの搭載が可能で、ファイアウォールのスループットが最大9Gbpsの「Power-1 5070」の参考価格は659万円。最大18ポートまで搭載可能で、ファイアウォールのスループットが最大14Gbpsのフラグシップモデル「Power-1 9070」は910万円となっている。
一方UTM-1の新モデルとしては、中規模ネットワーク向けの「UTM-1 Total Security 3070」のほか、より小規模な拠点やリモートオフィス向けの「同570」「同270」が追加されている。参考価格は、10ポート搭載でファイアウォールのスループットが最大4.5Gbps、VPNは1.1GbpsのUTM-1 Total Security 3070が420万円など。
チェック・ポイントではPower-1およびUTM-1を、運用管理を簡単に行いたいというニーズに向けた製品と位置付ける一方で、従来より提供してきたソフトウェアライセンスやパートナーとの協業によるアプライアンス製品の販売も継続する。ソフトウェアライセンスは、最新のサーバハードウェアを組み合わせてパフォーマンスを追求したいという顧客に、またノキアやクロスビームといったパートナーとの協業によるアプライアンスは、ルーティングをはじめとするほかの機能も組み合わせていきたいという顧客に向けて販売していく方針だ。「3つの選択肢によって、多様化したユーザーのニーズに応えていく」と杉山氏は述べている。
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