環境に応じた「例外ポリシー」の適用も
PFUが検疫ソフトを強化、Officeのパッチもチェック可能に
2008/05/28
PFUは5月27日、検疫ソフトウェア「iNetSec Inspection Center」の新バージョン、「iNetSec Inspection Center V5.0」を発表し、販売を開始した。
iNetSec Inspection Centerは、検疫ネットワークを構築するためのソフトウェアだ。クライアントPCでパッチが適用されているかどうかをチェックし、ポリシーに反する端末の修復やネットワークからの切断を行うことで、社内ネットワークのセキュリティレベルを維持する。IEEE802.1xや認証VLAN、認証スイッチと組み合わせたゲートウェイ方式など、複数の方式に対応していることが特徴だ。
新バージョンのV5.0では、本社だけでなくグループ企業全体にまたがる検疫ネットワークの構築やグローバル展開を考えている企業や大学をターゲットに、主に3つの機能を追加した。
1つは、英語版Windows PCに対応したこと。英語のインターフェイスを用意するだけでなく、検査対象としても英語版Windowsをサポートする。検疫の基準となる「検疫辞書」を作成しているPFUのサポートセンターでは、これまでの日本語環境に加え、英語環境についても検証を実施し、検疫の品質を保証するという。
同時に、Windows OSやInternet Explorer、ウイルス対策ソフトの定義ファイルだけでなく、Officeのパッチ適用状況についても検査を行えるようにした。対応するのは日本語版/英語版ともにOffice 2000/XP/2003/2007となる。
さらに、拠点や部門ごとに、複数の検疫ポリシーを適用できるようにした。まず、全ユーザーに「統一ポリシー」を適用したうえで、開発部門やグループ会社など、それぞれの環境に応じて「例外ポリシー」を適用することで、状況に応じた現実離れしない検疫を実現する。
iNetSec Inspection Center V5.0の価格は、ソフトウェアが1000クライアントで430万円から、検疫辞書配布やソフトウェア保守などを含んだ運用サービスは年額148万円から。7月31日に出荷を開始する。
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