シマンテックが2009年の戦略を発表
新市場の立ち上げまではシマンテック、そこから先はパートナー
2008/07/09
シマンテックは7月9日、国内での販売戦略に関する説明会を開催した。4月1日付で同社代表取締役社長に就任した加賀山進氏は、今年度を「基盤固めの1年」と位置付け、顧客やパートナー企業の満足度を高めていくという方針を示した。
加賀山氏によると、シマンテックのワールドワイドの売り上げが14〜15%で成長しているのに対し、日本市場は数%にとどまっている。これを「できるだけグローバルの成長曲線に戻していくことが目標」(加賀山氏)。
そこで、バックアップやストレージ管理、コンシューマセキュリティといった、これまで強みを発揮してきた分野に加え、情報漏えい対策やコンプライアンス、アーカイビングなど、今後の高い成長が見込まれるビジネスに注力していく。特に、米ボンツ(Vontu)の買収によって強化した情報漏えい防止(Data Loss Prevention:DLP)の分野では、ナンバーワンを目指すという。
これを実現する施策として、オフィス内に設置している「Japan Engineering Center」を拡充。日本人のエンジニアがその場で作成する「ホットパッチ」の提供を、NetBackupだけでなく主要製品7製品に拡大する。また、パートナー向けに提供している技術情報も拡充する。さらに、問い合わせ窓口の一本化などを進め、日本の市場慣行に合わせたプロセス改善に取り組むという。
また、「コンシューマ向けから始まったので、企業での認知度が低い」(加賀山氏)という反省から、シマンテックの認知度向上に取り組む。「新しいマーケットを作り出すところまでをシマンテックが担い、そこから先の拡大するところをパートナーに引き継ぐ」(加賀山氏)という新しい販売モデルを確立することで、パートナーにとってビジネスしやすい会社だという関係を作り上げていきたいとした。
現在、ワールドワイドでは売上の比率が法人市場とコンシューマ市場とで70:30の比率というが、国内ではほぼ半々。一連の取り組みを通じて、国内でもこの数字に近づけていきたいという。
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