スパムの特徴を“遺伝子”として同定
ボットネットからのスパムも防御、ソフォス
2008/07/29
ソフォスは7月29日、ボットネット(ゾンビPC)からのスパムメールもブロック可能な統合メッセージセキュリティソリューション「Email Security and Control」の最新版をリリースした。大規模環境に対応するソフトウェア製品の「Pure Message for UNIX」と、アプライアンス製品の「Sophos Email Appliance」で利用できる。価格はユーザー数と契約年数で価格は異なるが、100ユーザー1年間の場合、1ユーザー当たり3780円(税別)など。既存ユーザーは新機能に対応した最新版に無償アップグレードできる。
新機能、「Sophos Sender Genotype Technology」(遺伝子型送信者検知技術)を新たに開発した。
従来のスパム対策はIPアドレスの情報をもとに、メール送信者がスパマーか否かを識別する方法が一般的だったが、近年は悪意のない個人利用のPCを所有者に気付かれないよう乗っ取り、これらの“ゾンビPC”で構成されたネットワーク(ボットネット)からスパムを配信する手法が広まっている。このようなボットネットでは、動的に割り当てられたIPアドレスを使用してスパムメールを送信するため、IPアドレスベースのフィルタリングの有効性は低くなってきていた。
Sender Genotypeでは、ボットネットから配信されるスパムメッセージの特性を接続レベルで検知する。既知のダイナミックIPレンジから特定されるIPアドレス、ダイナミックIPアドレスから特定されるドメイン名のパターン、典型的なボットネットトラフィックに含まれる疑わしい文字列などからスパムに特徴的な“遺伝子”を同定。IPアドレスベースの「Sophos IP Block list機能」と合わせて、接続レベルで90%までスパムをブロックできるという。従来から提供しているスパム検出エンジンも使いスパムを99%以上防御できるほか、マルウェアのブロック、情報漏えい防止を行う。
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