6.0.18以上にアップグレードを
Tomcatにディレクトリトラバーサル脆弱性、NTTデータ・セキュリティが注意喚起
2008/08/13
NTTデータ・セキュリティは8月13日、Apache Tomcatのディレクトリトラバーサル脆弱性を検証するレポートを公開した。Apache Tomcatのサイトで公開されている脆弱性はNational Vulnerability Database(NVD)では現在レビュー中というステータスだが、NTTデータ・セキュリティでの検査においてイントラ用途のTomcatが意図せずインターネット側に公開されている事例が多いことから、注意喚起の意味を込めレポートを公開したとのこと。
ディレクトリトラバーサル脆弱性とは、相対パスとなるような不正なパラメータを送り込むことにより、管理者の意図しないファイルにアクセスできてしまうもの。NVDで公開されているTomcatの脆弱性は、UTF-8の処理およびシンボリックリンクの扱いに起因したもので、Tomcat 6.0.16以前で、以下の2点を設定している環境で発生する可能性がある。
- GETリクエスト送信時の文字エンコーディングに「UTF-8」を利用している(URIEncoding="UTF-8")
- シンボリックリンクを有効にしている(allowLinking="true")
この脆弱性はTomcat 6.0.18では修正されているが、Tomcat 5.0系および4.1系については次期リリースでの対応となるため、上記の設定内容を見直す必要がある。この脆弱性についてApacheセキュリティチームは、問題の原因はJava側にあるとしている。
NTTデータ・セキュリティが公開した「Tomcatのディレクトリトラバーサルの脆弱性に関する検証レポート」では、Tomcat 5.5.26を利用したシステムで、この脆弱性を攻撃された場合の影響を解説している。レポートではTomcatの実行権限でファイルへのアクセスが可能であることが検証されており、もし管理者権限でTomcatが動いている場合、暗号化されたパスワード情報(/etc/shadow)を悪意のあるユーザーが不正に取得できるとしている。
![検証イメージ](tomcat01.gif)
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ (2017/7/24)
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - WannaCryがホンダやマクドにも。中学3年生が作ったランサムウェアの正体も話題に (2017/7/11)
2017年6月のセキュリティクラスタでは、「WannaCry」の残り火にやられたホンダや亜種に感染したマクドナルドに注目が集まった他、ランサムウェアを作成して配布した中学3年生、ランサムウェアに降伏してしまった韓国のホスティング企業など、5月に引き続きランサムウェアの話題が席巻していました。 - Recruit-CSIRTがマルウェアの「培養」用に内製した動的解析環境、その目的と工夫とは (2017/7/10)
代表的なマルウェア解析方法を紹介し、自社のみに影響があるマルウェアを「培養」するために構築した動的解析環境について解説する - 侵入されることを前提に考える――内部対策はログ管理から (2017/7/5)
人員リソースや予算の限られた中堅・中小企業にとって、大企業で導入されがちな、過剰に高機能で管理負荷の高いセキュリティ対策を施すのは現実的ではない。本連載では、中堅・中小企業が目指すべきセキュリティ対策の“現実解“を、特に標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)対策の観点から考える。