ウイルスバスター2009を発売
“LocalSSL”でキーロガー対策、トレンドが新製品
2008/09/10
トレンドマイクロは9月10日、総合セキュリティソフト「ウイルスバスター2009」を発表した。ダウンロード販売は同日17時から、店頭販売は9月19日から開始する。
新バージョンでは、キーロガーによるパスワード詐取に対する防御機能として「キー入力暗号化」機能を搭載。LocalSSLと呼ぶサードパーティー製の技術を使ってキーボードから受け付けた入力を暗号化。キーロガーが混入している可能性のあるソフトウェア層をバイパスしてWebブラウザのプラグインにパスワードを渡す。対応するのはInternet Explorer 6.0 SP2、同7.0で、ユーザーが明示的にキー入力暗号機能をオフ・オフできる。
【訂正:2008年9月11日18時30分】初出時、LocalSSLがトレンドマイクロ社製の独自技術とありましたが、正しくは他社製の技術でした。訂正してお詫びいたします。
同日会見で新製品の機能説明をしたトレンドマイクロ コンシューママーケティンググループ プロダクトマーケティングマネージャーの長島理恵氏によれば、個人情報を盗む不正プログラムは増加傾向にあるという。不正プログラムとして2008年上半期に同社に報告された被害で上位10位のうち4件は、こうしたマルウェアだった。
オンラインショッピングが一般化する中、安心してインターネットを利用できる環境を提供するために、キー入力暗号化機能を搭載したほか、新たに保険やサポートを付けたパッケージ「ウイルスバスター2009+保険&PCサポート」も発売する。同パッケージにはサポート期間中に店頭やオンラインでのショッピングでクレジットカードを不正使用された場合に年間最高100万円までの補償が受けられる「支払用カード等不正使用被害保険」と、PC利用時のトラブルに関する一般的なサポートを電話やメールで何度でも受けられる「PC・インターネット関連サポート」が付属する。サポートは、トレンドマイクロ製品に関することだけでなく、ネットワークや一般的なソフトのトラブルについても受ける。「初心者は問題の切り分けができず、何が悪いのか分からない。メーカーに問い合わせてもサポート外となることが多い。新たに提供するサポートは、こうしたたらい回しをふせぐためのものだ」(長島氏)
このほかウイルスバスター2009の新機能としては、従来から提供しているWebレピュテーション機能の強化がある。Webレピュテーション機能はURLからWebサイトの安全性を判定する機能で、同社がグローバルに運用するデータベースと連動している。これまでWebレピュテーション機能はWebブラウザ上でのみ有効だったが、新バージョンではメールやメッセンジャーとも統合した。対応するのはMSN Mesenger 8.5、Windows Live Mail(MSN Hotmail)、Yahoo!メール。
使い勝手の面ではメモリ使用量を45%削減、レジストリクリーニングや一時ファイルの削除を行うシステムチューナーの搭載、全画面表示でゲームやDVDを鑑賞しているときにはポップアップや予約検索を抑制する「全画面サイレントモード」などを追加した。
「ウイルスバスター2009 1年版」のオンラインショップ価格は5980円、同3年版が1万2800円。保険&PCサポート付きで1年版が7980円、3年版が1万6980円など(価格はすべて税込み)。今後1年間で950万ユーザーの新規販売・更新を目指すという。
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